翌朝、響は晴真の腕の中で目を覚ました。 カーテンの隙間から、朝の光が差し込んでくる。昨夜の激しい愛の痕跡が、体のあちこちに残っていた。晴真の腕の中は、世界で一番安全な場所のようだった。「起きた?」 晴真の声がした。朝の光を浴びた声は、夜とは違う柔らかさを持っている。「うん」「もう少し、このままでいよう」 晴真が響を抱きしめる力を強めた。「今日は何も予定ないんだろ?」「……そうだけど」「じゃあ、ゆっくりしよう」 響は晴真の胸に頭を預けた。規則正しい心臓の音が聞こえる。この音も、一種の音楽かもしれない。生命のリズム。二人の鼓動が重なり合い、新しいハーモニーを作り出している。「なあ、響」「ん?」「昨日のライブ、録音してあるんだ」 晴真が少し照れたようにいった。「一緒に聴かない?」「……恥ずかしい」「何で? 最高の音楽じゃん」「だって、晴真があんなこといってるところも入ってるんでしょ?」「それの何が悪い?」 晴真が身を起こし、響を見下ろした。朝の光を浴びた晴真は、昨夜のステージの姿とはまた違う美しさを見せていた。まるで神話に描かれる太陽神のように、まぶしい光を纏っているようだった。「俺は何度でもいうぞ。愛してるって」「……もう」「響もいえよ」「え?」「愛してるって」 晴真が子供のように拗ねた顔をした。「愛してる」 小さく、でもはっきりといった。晴真の顔が輝いた。「もう一回」「愛してる、晴真」「もう一回」「しつこい!」 響が枕を投げつけると、晴真は大げさに倒れこんだ。そしてすぐに起き上がり、響に覆いかぶさった。「じゃあ、体で表現してもらおうか」
Last Updated : 2025-11-10 Read more