今日も、面会時間いっぱいまでお祖父様の病室に居たけれど、結局お祖父様は目を覚まさなかった。 だけど、途中で病室にやってきてくれた主治医の先生の話によれば、お祖父様の容態はようやく安定してきたらしく、もう数日もすれば、完全に安定して転院も可能になるだろう、と優しい笑みを浮かべて教えてくれた。 「良かった……!良かったですっ、先生、お祖父様をよろしくお願いします」 「ええ、もちろんです」 主治医の話も終わり、面会時間も終わってしまった私たちは、手を繋いだままお祖父様の病室を出る。 病室を出た所で、逞しい体格のボディーガードが2人、病室の扉の両側に立っている。 彼らに視線を向けた苓さんは、すうっと真剣な表情に変わる。 「──頼んだぞ。見知らぬ奴が近づいて来たら構わず拘束してくれて構わない。俺たちが帰った後は、病室内で警備してくれ」 「かしこまりました」 苓さんは彼らに軽く頷いた後、私の手を引いて微笑む。 「茉莉花さん、俺たちはホテルに戻りましょう」 「ええ、そうですね」 苓さんに手を引かれつつ、私もボディーガードの男性2人に体を向けると、頭を下げて口を開く。 「どうぞ、よろしくお願いします……!」 私の声に、ボディーガードの2人は深々と頭を下げてくれた。 ボディーガードは、苓さんが手配してくれたのだ。 警察関係者のご友人に、信頼出来るボディーガード会社を紹介してもらった苓さんは、そのままボディーガードを手配してくれた。 そして、私たち個人にもボディーガードを手配してくれている。 これで、一足先に帰ったお父様にもボディーガードが付いているので一安心だ。 私と苓さんが病院を出て駐車場に向かって歩いていると、見慣れた車が目に入った。 その車は、苓さんも見覚えがあったのだろう。 一瞬で苓さんの雰囲気が刺々しい物に変わる。 「──彼は一体どう言うつもりなんだ……」 「そう、ですね」 苓さんの呟きに、私も苦笑いを浮かべてしまう。 私と苓さんが歩いて来ているのが向こうからも見えたのだろう。 車から降りて来るのが見えた。 「──どうしてっ」 「茉莉花さん、顔に出しちゃ駄目です。あちら側に、俺たちが不審がっているのを悟られちゃいけません」 「そ、そうですね……。分かりました、苓さん……」 私は、車から降りてきた御影さん──。
Last Updated : 2026-02-11 Read more