「──おお、苓か……」 苓さんの姿に、お祖父様は弱々しいけれど、どこか嬉しそうに苓さんの名前を呼ぶ。 私に手を握られていたお祖父様がそっと私の手から離れ、苓さんに伸ばされる。 お祖父様の意識が戻っている事に、苓さんは驚いたようだったけど、すぐに嬉しそうに表情が明るくなり、お祖父様の手を苓さんは握った。 「意識が戻られたんですね……!ご無事で本当に良かった……!」 「ふはは、わしがくたばるのは……まだ、早い……まだまだ生きてやるぞ……」 「ふふっ、それだけ元気でしたら、明日にはもう元気に歩けそうですね」 「もしかしたら、歩けるかもしれんな……歩いてやろう、か……」 苓さんの言葉に、お祖父様は悪戯っぽく笑いながら言葉を返す。 だけど、ふうふう、と少し辛そうに声を漏らすお祖父様に気づいた苓さんがお祖父様の手を優しく握った。 「お祖父様、私と茉莉花さんは少し席を外しますから、ゆっくり休んでください。お辛いのに、無理にお話をしてしまい、すみません」 「ああ……確かに、少し辛い……。そうだな、少しだけ休もう……。茉莉花も、さっきの続きはまた後で、だ……。馨熾が来た時に、改めて話そう……」 お祖父様は辛そうに息を吐き出した後、ゆっくりと目を閉じた。 「茉莉花さん、俺たちは部屋を出ましょうか。病院側が別室を用意してくれましたから、そこで茉莉花さんのお父様が来るのを待ちましょう──。茉莉花さん!?」 苓さんの言葉に、私はぎこちなく頷く。 苓さんはお祖父様に向けていた視線を、私に向けた──。 その時、苓さんの目が驚きに見開かれる。 もしかしたら、顔面蒼白になっているのかもしれない。 そんな私を見て、苓さんはぎょっとしたのだろう。 「だ、大丈夫です……少し、お祖父様からびっくりする事をお聞きして……」 「──……別室に移動できそうですか?」 「……はい、今、立ちます、ね……」 そう告げ、私はその場に立ち上がろうとしたけど。 足ががくがくと震えてしまっていて。 上手く自分の足で立つことが出来ない。 そんな私の様子を見た苓さんは、表情を硬くしたままぐっと屈みつつ口を開いた。 「抱き上げますよ、茉莉花さん。俺に掴まっててください」 「──わっ」 ふわり、と体を襲う浮遊感。 私を抱き上げた苓さんに、咄嗟にぎゅっと抱きつく。 苓さんは
Last Updated : 2026-02-21 Read more