義母は複雑な表情をしていた。上手くかける言葉が見つからないのだろう。 しかし春美は、心の底で黒い感情が浮かんでいた。憎まれるのは仕方がない。 だが、だからといって……そこまでする? 星野家には未練などない。本当の両親は、どんな人なのだろうと? と思ったことはあるが、覚えていないのでピンとこない。 彼女が欲しいというのならあげてもいい。しかし涼介は別だろう。(自分を蹴落とすために、涼介の心まで利用して、お腹の子を殺すなんて) 自分が子宮まで取られる必要性までなかったはずだ。自分の子を殺されたことに激しい怒りがこみ上げてきた。ギュッと布団を握り締める。(アイツら……絶対に許せない) 春美の心は憎しみから殺意に変わった。お腹の子を殺したことが、どうしても許せなかった。 義母が何かを言っていたが、春美には何も聞こえなかった。 その後の春美は大人しかった。ジッとスマホと芸能ニュースを眺めている日々。 そして星野美優と涼介の結婚式の日。春美は病院から姿を消した。失踪した彼女を探すために、病院中は騒ぎになる。 その頃、教会で星野美優とバージンロードを歩いていた。涼介の前まで来ると、2人は神父のところに。 神父に誓いの言葉を告げられている最中だった。バンッと扉が開くと、現れたのは春美だった。コートを着ているが、中身はパジャマ姿だった。 手には果物ナイフが握られていた。「春美……!?」 涼介は目を大きく見開いて驚いていた。周りはざわめく。 春美は真っ直ぐに2人を目がけて走り出した。「死ねっ~」と奇声を上げながら。 真っ先にナイフを振り下ろした先に居たのは星野美優だった。 悲鳴を上げる彼女の腹に突き刺した。その後も何度も。真っ白なウエディングドレスは、一瞬で真っ赤に染まった。 慌てた涼介は、春美を掴むと突き飛ばした。勢いよく突き飛ばされた春美は、信者席に後頭部をぶつけてしまう。そのせいで後頭部から血が流れて倒れ込んだ。 周りは悲鳴を上げながら逃げ回る。涼介は刺された星野美優の方を抱きかかえた。 1人取り残された春美は、意識を朦朧とさせながらハハッと小さく笑う。 これでお腹の子の復讐を果たせた。 結局のところ自分の人生は、ここで終わってしまうのだが。(ああ~私の人生って、一体何だったのだろう? ただ幸せなりたかっただけなのに) でも、
Last Updated : 2025-10-06 Read more