Masuk孤児だった加賀野春美は、芸能プロダクションの社長・神崎涼介と婚約。 だが彼は初恋の人・星野美優が帰国からと婚約破棄を言い渡される。 彼にとったら春美は代役に過ぎないと。しかし秘書として彼を支えきた春美。 それでも屈辱的な裏切りと中絶、子宮摘出手術までされる。しかも、知ることに。星野美優を両親は、実は自分の両親だと。 初恋だけではなく、令嬢として全て奪われた春美。 絶望と怒りで星野美優を式場で殺害。そして涼介のせいで死亡。 過去に戻ったことで状況が一変。2人に復讐するためにライバル事務所社長、幸村の力を貸してもらい芸能界の道へ 彼らを舞台から引きずり下ろすために。 泣いて後悔しても、もう遅い。 (大幅に修正してストーリーをリニューアル)
Lihat lebih banyakテレビ局で行われたアカデミー賞。
そこで1人の女優が出演女優賞など総なめした。名前は加賀野春美(かがの はる)。美しい容姿とモデルでもあった抜群のスタイルは多くの女性の憧れの的になった。
司会者は「この受賞の喜びを誰に伝えますか?」と聞いた。
「そうですね。ファンの皆様、関係者の皆様など多く人に支えられてきましたが、一番の伝えたいのは家族です。事務所の社長である夫・幸村と、まだ産まれて1歳の可愛い娘に、感謝と喜びを伝えたいと思います」
笑顔でトロフィーを持って、そう答えた。周りの大きな拍手が鳴り止まない。
実に短いようで長かった。あの惨劇から、春美は輝かしい幸せを手に入れた。
(たしか刑務所にテレビがあると聞いたけど、あの2人は見てくれたのかしら?)
自分を陥れようとした元婚約者とその愛人……いや義理の妹。全て取り返したことで、彼らは刑務所で入ることになった。泣いて謝罪されたが、もう遅い。
だって……これは死から返り咲いた復讐なのだから。
それは加賀野春美が22歳の頃だった。
東京にあるタワーマンション。寝室のベッドの上では、男女が激しく絡み合う。
乱れて生々しいシーツ。散乱した服と捨てたティッシュの山。
荒い息を整えながら神崎涼介(かんざき りょうすけ)がベッドから降りると、こう告げられた。
「美優が帰国する。俺達の関係は終わりだ」
「……えっ?」
驚いて目を大きく開いたのは加賀野春美(かがの はるみ)。
黒色のストレートロング。長い手足とモデルのような体型と170センチの高身長を持った美女だ。
しかし、そんな彼女に追い打ちをかける彼こそが、大手芸能プロダクションの社長。
黒髪とキリッとした眉と二重目が印象的。端正な顔立ちから、周りに『イケメン社長』と言われて、女性からの人気が高かった。
「どうして? あなたは、私の婚約者なのに!?」
「はっ? 勘違いをするな。お前は、彼女の身代わりに過ぎない。言ったはずだ。戻ってくるまでは婚約者になってやると」
確かに……彼はそう言っていたが。
涼介の出会いはお見合いだった。
春美は赤ん坊の頃に施設の捨てられた孤児。幼い頃はそこも施設で育ってきた。
しかし、子供がデキなかった加賀野の義両親に7歳の頃に引き取られた。義両親は、2人とも優しい人達で本当の娘のように可愛がってくれた。
義父・加賀野和彦(かがの かずひこ)が結婚相手の心配をして、友人である神崎家とのお見合いを計画した。
神崎家は昔、事務所の経営が上手く行っていない頃に、エリート銀行員で顔の広い義父(加賀野和彦)が資金の援助をかけ合ってくれたらしい。他にも才能ある俳優達を紹介。
そのお陰で経営は持ち越し、大きく成長した。いわば恩人だろう。
その縁もあって、一人息子の涼介との縁談が生まれたのだ。いい年になっても夢を追いかけてばかりいる息子を心配して計画したらしい。
春美は初めて見た時はドキッと心臓が高鳴り、一目惚れする。
しかし、春美は彼を何処かで見たことがあるような気がした。何処だったか覚えていないが。
しばらく両親との話をするが涼介は自信と向上心に溢れていて、たくましいと思った。春美は、そんな彼を支えたと思うように。
それが間違いだったのかもしれない。その後は、お互いに何回かデートする。無理やり婚約させられたのが嫌だったのか素っ気ない態度だった。
それでも親の面目のために高級ホテルのディナーやお洒落なバーとか連れて行ってくれた。
そんなある日。酔った彼はホテルのスイートルームに連れて行かれると、ベッドに押し倒してくる。強引に覆い被さると唇にキスをされる。彼なら抱かれてもいい。
愚かにも、そう思った春美は黙って大人しくしていると涼介は、あるモノが目に入る。春美の首筋に赤色の星の痣が。
「これは……!?」
「ど、、どうしたの?」
意味が分からない春美は聞くが、ハハッと可笑しそうに笑う涼介。春美は困惑するが、納得したのか涼介はニヤリと笑った。
「……なるほど。やって知ったか分からないが、よほど俺と結婚をしたいようだな」
「えっ? それは……どういう」
聞き返そうとするが、涼介は強引に唇を塞いだ。その後は、荒々しく春美を抱いた。
まるで憎しみと欲情をぶつけるかのように。
「や、やめて……私初めてなの」
「噓をつけ。今までこうやって男を欲情させてきたんだろう? 俺のために痣まで彫ったぐらいのしたたかさがあるんだ」
「えっ? ああっ……」
彼は、何をどう勘違いしたのだろうか?
それでも涼介は腰を容赦なく動かしてきた。春美の初めては神崎涼介によって奪われてしまった。
翌朝。目を覚ますと、ベッドの上で眠っていた。チラッと見るとシャワーを浴びた涼介はスーツに着替えていた。
起きたことに気づくとギロッと、春美を睨みつけてくる。
「起きたか?」
「あ、あの……おはようございます」
慌てて春美が挨拶をすると、涼介は春美の顎をクイッと上げる。
「よく聞け。お前の度胸に免じて許してやろう。身体の相性もいいようだしな。ウチの面目もあるし、婚約も続けてやる。だが、勘違いをするな。これはあくまでも政略結婚の一部。俺達の中に愛情はない。そして俺の初恋で恩人・星野美優が帰国するまでの身代わりに過ぎない。彼女が戻ったら、速やかにその座を返してもらうからな」
そう言われてしまう。
「……そんな」
そしてSNSの方では、星野美優と涼介のことで大炎上して賑わっていた。 あれだけ騒ぎを大きくしたのだ。今では春美と幸村に対する同情の声が多く、もう表舞台には立てないだろう。 それに星野美優は、星野家から『養子縁組解消』することになった。血も繋がっておらず、罪を犯した。裁判の末、正式に手続きが承諾された。 これで『星野』の苗字を名乗れず、これからは『中森美優』として生きることになる。もちろん、財産の相続は出来ない。無期懲役だから、どのみち意味はないが。結局は彼女の自業自得。 それだけではない。春美の本当の両親だった星野総一郎・智美夫妻は離婚することになった。 星野総一郎は、必死に償いをしたいと願い出たが、彼女はそれを却下した。 長年苦しめられ、傷ついたこと。春美を捨てるはめになった張本人で、しかも実の娘を間違えるなどあってはならないことだ。現に、そのせいで春美は危険な目にあった。 星野智美は、それがなにより許すことが出来なかった。星野総一郎は渋ってはいたが、彼女の強い意思に従うことに。 せめての罪滅ぼしだろう。財産を半分と別荘を譲ることで合意。星野智美は今後も別荘で自宅療養を続けることに。新たな人生を歩むことになるだろう。 星野智美は、春美に「会いたいと思ったら、いつでも会いに来て。どんなところに居ても、私はあなたのことを大切に思っているわ。私の可愛い子」と言ってくれた。 優しく微笑みながら頬を撫でてくれた。春美はそれを受け入れる。 変わらずに加賀野家の養女のまま。いくら本当の両親が見つかったとしても、今の生活を変える気はなかった。それを聞いて加賀野家の義両親は安心してくれた。 星野家の財産は今後どうするか決めるつもりだ。 そして春美は幸村と結婚する。自分達の望みで小さな結婚式にしたが、たくさんの人達に祝福されて、幸せを感じることが出来た。やっと、復讐を果たすことに成功する。 なによりも、自分を取り戻すことが嬉しかった。 それから数年後。 春美は大女優として芸能界で大成功する。テレビ局で行われたアカデミー賞。 そこで春美が出演女優賞など総なめした。あの事件から春美は、必死に努力をして、この地位に昇る。 司会者は「この受賞の喜びを誰に伝えますか?」と聞いた。「そうですね。ファンの皆様、関係者の皆様など多く人に支えられてきましたが、
どうしようと狼狽えるが、すぐに記憶を探っていく。そうだ、スマホだと思い出す。 幸村の上着から彼のスマホを取り出すと、彼のパスワードを入れる。見て、記憶していたので、すぐの解除が出来た。 幸村の両親に連絡をして来てもらった。先に到着した幸村の父親にサインをしてもらい、何とかギリギリ手術を始めることが出来た。 後で到着した幸村の母親と加賀野家の義両親と一緒に終わるまで待つことに。 泣きじゃくる春美に心配しながらも、義両親は幸村の両親に事情を説明してくれた。責められると思ったが、彼の両親は優しい人達で理解してくれた。 むしろ「あの子らしい。それに、仕事人間で心配していたが、ちゃんと大切な人を見つけることが出来たようで良かった」と、言ってくれるほど。 こういう両親だからこそ、彼は紳士的に育ったのだろう。 その後。刺されたところが背中だったのが幸いしたのと、本人が持ち直してくれたので、無事に手術が終わることが出来た。 しばらくの間は入院になったが、助かったと分かり、春美はホッと一安心する。 幸村が目を覚ましたのは次の日の朝方だった。春美は心配して、ずっと付き添っていた。「幸村社長。目を覚ましましたか!?」「……ああ、ここは病院?」「はい。背中を刺されたせいで病院に運ばれて、そのまま手術を」「……そうか。いたたっ……」 幸村は心配する春美をよそに起き上がろうとする。慌てて止める。「まだ、起き上がるのは無理ですよ!? 寝ていて下さい」「ハハッ……でも、君が無事で本当に良かった」 苦笑いしながらも、春美が無事だったことに喜ぶ幸村。それを聞いて春美の目尻に涙が溢れてくる。「……本当に心配したんですよ? 私のために怪我までして……」「君が無事なら、それでいいんだ」「……でも私のせいです。私が彼女を挑発しなかったら、こんなことには……本当に申し訳ありませんでした」 涙を流しながら頭を下げる。そうしたら幸村は、春美の手を握る。「惚れた女性は命がけで守るものだ。だから、君を守れてことに対しては後悔していないよ。むしろ誇りだ」 ニコッと微笑む彼は、とても優しく、あたたかい人だと思った。春美の胸がギュッと締めつけられて苦しい。傍に居たい。「私……まだ返事を言っていませんでしたよね?」 今なら言える気がする。しかし幸村は、それを止める。「もう
「……それでも間違ったことはするものではないわ。お願いだから……自首して」「ハッ? 偽善者ぶらないでよ? そもそも、騙される方が悪いんじゃない。美優はきっかけを作っただけ。それをコイツらが勝手に信じて、騙されたってだけ。美優だけのせいにしないで」 星野美優の言葉に一理ある。涼介と星野総一郎が騙されて、愚かなことをしなければ防げられたことだ。「……そうね」「大体知られたからって、何だって言うの? 今、美優がここで死んだら、あんた達だって、ただでは済まないわよ? 美優のファンが騒ぐし、株価にも影響があるかもね?」 そう言いながら、また隙を見て果物ナイフを取り出した。今度は自分の方に向けてくる。「何を考えているの!?」「美優!?」 春美と涼介は驚く。まさか今度は自殺をする気? 星野美優は、ハハッと笑う。「どうせ、もう後はない。だったら、このまま自分が死んで……あんたらを道ずれにしてやる。死んだ人間が出れば、世間はあんた達に批判をするわ。何も知らないくせに、やり過ぎだって。どうせ世間の連中は、どちらでもいいのよ。ただ批判したいだけ」「だからと言って……こんなことしないで」「うるさい。偽善者ぶるなって,言っているでしょ!? どうせ、どうなっているか知らないんだから」「……いいえ、知っているわ」「……えっ?」「リビングの小型監視カメラを仕込んでおいたの。あなた達が騒ぐだろうと思って、証拠を残すために。この監視カメラは、全国のネットに繋がっているわ。ちなみに、それを流してくれているのは、私の義両親よ。近くで様子を伺っているわ。もしかしたら、すでに警察の通報してくれたかもね? もう……終わりよ。星野美優」 実は大暴れをするか、後で捏造するのを防ぐために春美は加賀野家の義両親に頼んでおいた。もちろん、星野家にも許可をもらっている。 だから、いくら騒いだところで世間はそれを見ている。まぎれもない真実を。「……そんな」 星野美優はショックで崩れ落ちる。勢いが削がれたのだろう。星野美優だけではない涼介と中森京香も崩れ落ちていた。 その時だった。遠くの方から、パトカーのサイレン音が鳴り響いた。救急車も。どうやら義両親が呼んでくれたようだ。 しばらくして、警察官が到着。自信喪失した星野美優と涼介、中森京香は逮捕された。 パトカーに連れて行かれる。そし
けして忘れることも、許すことは一生出来ない。自分過去を振り返る春美。 今日のように鮮明に覚えている。瞬間記憶能力(カメラアイ)を持つ春美にとって、忘れることも出来ない記憶なのだ。「……春美。本当に悪かった」「謝らないで、気持ち悪い。私は許す気はない。それに、もう婚約破棄だって終わっている。あなたに残っているのは……後悔と罪を犯した代償よ!」 絶対に償わせる。それが死ぬよりも恐ろしい復讐なのだから。「……どういう意味だ?」 驚く涼介に春美はフフッと笑った。「今回の件も含めて、あなたを告訴するわ。お腹の子を許可なく、無理やりおろされたこと。暴行罪と名誉棄損。それだけではないわ。星野美優、中森京香。あんた達も告訴する。そうそう、あなたが過去に起こした事故もすでに調査済みよ。警察に連絡したら逮捕は間違いないわね。生きて出られるとは思わないことね?」 星野美優と中森京香は特に罪は重い。誘拐と人身売買まで手に染めようとした。 それに事故も引き起こして、人をひき殺している。殺人容疑で逮捕が出来る。偽装罪と不正行為。どれを取っても許されるはずはない。 ショックと後悔で崩れ落ちるように座り込む涼介と違って、星野美優は肩を震わせて怒りをあらわにしていた。 その時だった。急に星野美優は駆け出して、キッチンの方に向かっていく。 驚く一同だったが、星野美優は構わずにキッチンから包丁を取り出した。「ちょっと、何をする気!?」「うるさい、うるさい。どうして美優の邪魔ばかりするの? あんたさえ、居なかったら星野家は私のモノだったのに」 興奮状態の彼女は包丁をこちらに向けてくる。このままでは危険だ。「私のモノって……最初からあなたのモノではなかったはずよ!? あんた達、親子が、勝手に奪い取ろうとしていただけじゃない」「違うの。絶対に違う。全部美優のモノなの。星野家も、神崎芸能プロダクションから女優の名誉まで全てが美優のために用意されるべきなの!?」 ダンダンと何度も足踏みをしながら、訴えかけてくる星野美優。 何を言っているのだろうか? これでは駄々をこねている幼児のようだ。散々甘やかされて、自分の腕を思い通りにしてきたのだろう。 それが無理だと分かると癇癪を起こしていた。「……とにかく、包丁をおろして。危ないから」 春美は慌てて止めようとするが、星野