そう。星野美優は、下働きみたいな仕事はやりたがらないで有名。あれだけ、やりたくないと涼介に泣きついて無理やり変更させてきた。 スタッフや共演者の噂などは広まりやすいから、こういう時に裏目に出たりする。 春美も、そこを把握しているから言えたのだ。「こんなに華やかで派手なことが好きなあなたが、私みたいな地味なCMを撮るとは初耳だわ。私が秘書をやっていた時も散々嫌がっていたのに。それに、私のところは、かなり予算が削られたわ。周りの協力のお陰で無料貸し出してくれたから何とかなったけど。これについて審査員に異議申し立てるわ。これは不公平じゃないの?」 そう言いながら畳みかけるように言った。審査員達が真っ青な表情になる。「それは……」 その表情に幸村は、見逃さなかった。「それの証拠はここにあるよ。契約書だ。これらを含めて、弁護士と警察の相談させてもらう」「あの……それだけは」「だって、ここまで騒ぎになったのなら仕方がないだろう? こちらも低予算で苦労して撮影したのに、盗作呼ばわりされて迷惑した。名誉毀損として訴えることになるだろう。暴言も吐かれたし。そうなると、監視カメラと、契約の仕方について詳しく聞くことになるが……?」 ニコッと微笑む幸村を見て、審査員達は震え上がる。「も、申し訳ありませんでした。これは……」「もう、やめて!」 その言葉を遮ったのは星野美優だった。「うえ~ん。だって~似ていたんだもん。だから間違えただけなのに。美優……ワザとじゃないのに」 ポタポタと子供のように泣いて、外に飛び出してしまった。 一体、何に対して間違えたのだろうか? その説明もなく、ただ誤解だと言って、逃げ出してしまうとは。「そ、そうだ。美優はワザとではなかったんだ!? そんな小さな誤解で、そこまでやることはないだろう? お前はどうして、そこまで心が狭いんだ!?」 焦って逆ギレしてくる涼介を見て、春美は「はっ?」と思った。「私の心が狭い? 悪気がなかったら人の作品を盗んだとか、平気で噓をついてもいいってこと? それに対して謝罪もないのは、どういうことよ?」「……ぐっ……」「あんたの事務所にも捜査の対象になると思うわ。監視カメラのことで。もちろん、その覚悟があって言ったのよね?」 何も言い返せなくなった涼介は、そのまま星野美優を追いかけて外に出て行っ
Last Updated : 2025-11-03 Read more