私は本物の令嬢と初恋の人だった!?~彼女は死より恐ろしい復讐で返り咲く~의 모든 챕터: 챕터 31 - 챕터 40

53 챕터

第31話

「美優!? 春美、何をしているんだ!?」 涼介は慌てて星野美優のところに向かうと、起こした「加賀野さん。ごめんなさい……美優が居るから、事務所を辞めたんだよね? 加賀野さんは、涼介さんにとって必要な人なの。美優が事務所を辞めるから、だから戻ってきて」 名演技と言わんばかりに涙を流して謝罪をしてきた。「はっ?」と思ったが、それに一番反応したのは涼介だった。「春美。これは,さすがにやり過ぎだぞ!?」 いつものように星野美優の方を庇ってきた。芸能プロダクションの社長のくせに、演技にも気づかないなんて。確かに彼女は人を騙す演技は上手いが。「私は急に寄ってきたから軽く押し返しただけよ。倒れるほど押していないわ」「だったら何故、美優が倒れるんだ!?」「知らないわ。彼女に直接聞いてみたら? ただ関節が弱いじゃない?」 食ってかかる涼介に春美は、バッサリと言い返した。ワザと転んだに過ぎないのに、騒がないでほしい。 その態度に涼介はキレてきた。「もういい。お前がそこまで意地悪とは見損なったぞ!? そんなに俺の会社に嫌なら、もう止めない。後悔して二度と戻ってきたいと言っても、知らないからな!?」 自分が、いつ後悔すると言うのだろうか? 辞めたいから、辞めただけなのに。勝手に言ってくる彼らに呆れ返ってしまう。「涼介さん。もういいの……美優が悪いだから。、もう~美優のバカ、バカ。死んでしまえ」 そう言いながら自分の頭をポカポカと叩き出した。 そんな弱い叩き方をしても、大して痛くもないだろう。涼介の両親と義両親は啞然としていた。 それでも彼女のことを純粋だと思っている涼介は必死に止める。「やめろ。自分を傷つけるな。美優は何も悪くない。そんなことを思うな!?」 泣き出す星野美優を抱き締めて慰めていた。なんて馬鹿げた猿芝居だろうか。 付き合いきれないと思った春美は、ため息を吐いた。「……もういい? あなた達の猿芝居には付き合いきれないわ。涼介。自分の言ったこと忘れないでね? もう私が辞めたことに対しては口出ししないで」「……春美?」「じゃあ、気分が悪いから、私は先に家に帰っているわ。ご馳走様」 春美はそれだけを言うと、さっさとその場を後にする。これ以上関わりたくなかった。「は、春美!? おい」 涼介は慌てて春美の名を呼んでいたが、それを無視
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第32話

 細身なのに、鍛えあがった涼介にとって、身長が高い割には平均体重もない春美を抱えるぐらい簡単だった。 ジタバタするが、まったく歯が立たない。エレベーターを待っていた他の客は驚いて、こちらを見ていたが気にする様子もなく、そのまま進んでいく。 ツインのスイートルームに入ると、強引にベッドの上に投げ落とした。「キャアッ」 ドサッと落ちると、涼介は覆い被さってきた。(まさか、こんな状況で、私を抱く気!? 冗談じゃない。なんのために退職して、離れたのか分からなくなるじゃない) そう思った春美は逃げるために起き上がろうとが、ドンッと押し倒されてしまう。「や、やめて。お願い」 必死に抵抗する。上着を脱がされてしまったが、春美は平手打ちをしようと手を挙げた。 しかし、その時だった。上着のポケットから手錠を出しと、ガチャッと春美の両腕に手錠をかけられてしまった。「えっ?」 まさか両腕に手錠をかけられるなんて思わなかったために一瞬啞然とする。取ろうとするが、鍵がないと外せないために身動きが取れなくなってしまった。「外して!? どうしてこんなことを……?」 涼介はベッドから降りると棚からハサミを取り出してくる。そして、また覆い被さってくるとジョキ、ジョキとハサミでノースリーブのワンピースを切り刻んできた。「ちょっと、やめて」 春美は叫ぶが、涼介は無視して、どんどん切り刻んでいく。ワンピースだけではなく、レースパット付きキャミソールと下着まで。そのせいで、あっという間に全裸にされてしまった。「どうして、こんなことをするのよ!?」「そんなのは決まっているだろう!? お前を逃げられなくするためだ」「ど、どうして? あなたは、星野美優さんが居るじゃない!?」 理由を聞くと、彼はそう叫んだ。怒りを隠し切れないようだった。 そもそも、こんなことをする理由が分からない。さっきだって、星野美優を庇って、二度と会社に戻ってこなくてもいいと言ったばかりではないか?「うるさい。お前は俺のものなんだ」 そう言いながら春美の手を上に挙がると、首筋に無理やりキスをしてくる。「やあっ……やめてってば。あなたは、彼女が大切なんでしょ? こんなことをしたら彼女が悲しむわ。結婚だってするくせに」 目尻に涙を溜めながら必死に訴えかけるが、涼介はやめずに唇を塞いでくる。胸を弄
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第33話

 これはチャンスだ。「出たら? あなたの大切な彼女かもしれないわよ?」「……」 涼介は無言で眉間にシワを寄せながらもベッドから降りて、ズボンのポケットの中からスマホを取り出した。どうせ星野美優からの呼び出しだろう。いつもそうだ。 春美を追いかけてきたから今頃、嫉妬に狂っているだろう。何とかして呼び出そうとするはずだ。涼介が、そんな彼女を放っておくわけがない。 しかし見たと思ったら、操作して隣のベッドの上に放り投げた。そして、また春美の上に覆い被さってくる。「電源は切った。これで誰にも邪魔されない」 噓でしょう? 涼介はスマホの電源を切ってしまった。「美優さんではなかったの? そんなことしたら、彼女は連絡が繋がらなく、困るじゃない?」「……後でフォローするからいい」「で、でも……今頃、泣いているかも。早く行ってあげて」 何とかして星野美優に意識を向かわせようとする。涼介はピクッと反応するが、そのまま春美の足を開かせると挿入してきた。「な、何で……あっ……あなたは彼女のことを……愛しているのに」「……行ったら。お前が、また逃げる」 そう言いながら腰を動かしてきた。「どうして? んっ……ダメ……抜いて」「……もういいから、黙れ」 逃げるって……どういうことだろうか?? 彼は自分が逃げたら困るのだろうか? 涼介は春美を激しく何度も抱いた。その際に、必死に春美に求めてくる。「春美……春美。くっ……出る。孕め、孕め、孕め!」「これで、お前は俺の女だ……誰にも渡さない」「もう何処にも行くな。俺の傍に居ろ。離れるなんて許さない」 これだけ聞いたら、実は自分のことを愛してくれていると勘違いしてしまうほどだ。 彼が何を考えていることが分からない。言っている事とやっている事が、あまりにも矛盾している。頭と心の中が、まったく嚙み合っていない。 本人自身が分かっていないのだろうか?「ごめんなさい……あっ……いやっ……謝りますから……彼女に謝るから許して」「ダメだ。俺の子を産むまで許さない」 涼介は容赦なく突き上げる。絶頂になるまで彼はやめようとしなかった。 ちゃんと謝ると言っているにもかかわらず。 翌日の朝。 ベッドの上で、目を開けると春美は涼介に抱かれた状態で眠っていた。起きようとすると、ギュッと握りしめて離してくれない。 春
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第34話

 必死に抵抗するが、彼は気にすることなく部屋に設置されている浴室に向かっていく。 そこでも涼介は春美を激しく求めてきた。嫌だと言っているのに丁重に洗われて、身体がガクガクになるまで抱き潰そうとしてくる。(分かんない。彼の本心が) 唯一分かったのは身体を動かさなくさせることで、部屋から出られないようにしているのだと。現に今はベッドの上から起き上がることもままならない。 あれからバスタオルに巻かれて、ベッドまで運ばれる。 しかし涼介の方がスマホで何かを確認した後、慌て始めた。チラッと見えたスマホの画面に星野美優からのメッセージが。 そこには、あれから腹痛で倒れて病院に運ばれたと書かれていた。「このまま仕事に向かわないといけない。ホテルには頼んで宿泊を延ばしてもらうから、君は、そのまま大人しく寝ていろ」「そんな……」「いいか? 絶対に部屋の中に居ろよ? さもないと、一生手錠に繋がられたままだからな!?」 それだけ言い残すと、急いで部屋から出て行ってしまった。星野美優のところだろう。 春美は、何とか身体を動かそうとする。 冗談ではない。どうして、大人しく監禁みたいにされないといけないのだろうか。 手錠があるため普通に起き上がるのも苦労する。それでも必死に起き上がってベッドから降りようとするが、そのまま転倒してしまった。「くっ……何とか助けを呼ばないと」 重い腰を耐えながら起き上がった。 電話をしてフロントのスタッフを呼ぶべきか? だが、この格好を見られるのは抵抗がある。警察とか呼ばれたら騒ぎになるし、人の目がある。 義母にも散々心配と不安にさせているので、これ以上迷惑をかけたくない。着信がたくさん来ていた。相当心配しているのだろう。 そう思うと、誰にかけたらいいか分からず頭を抱える。 そうしたらスマホから突然、着信音が鳴り響いた。スマホは春美の近くに落ちていた手さげバッグの中に入っている。 手錠がかけた両腕で何とか使って、カバンの中からスマホを取り出す。だが、間に合わずに着信音が止まってしまった。「……そんな」 春美は絶望する。画像を見てみると幸村芸能プロダクションの幸村社長からだった。芸能界の仕事についての連絡かもしれない。仕事関係だったら出たい。 ついでに助けを求めたら……と思った。 しかし、いざやろうと思うとハッと我に
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第35話・モデルデビューは波乱の始まり

 幸村は、そう言いながら春美をギュッと抱き締めてくれた。ふわっとあたたかくて、いい香りがする。幸村はすぐにバスローブを見つけると、肩にかけて包んでくれた。「腕のいい鍵屋を呼んだから、すぐに手錠を外してくれるよ」「……はい」 幸村の低くて落ち着いた声は、優しく春美の心を溶かしてくれる。ずっと強張った状態だったため、涙が溢れて止まらなかった。 その間もずっと抱き締めてくれて、よしよしと背中を撫でてくれた。お陰で少し落ち着き、無事に手錠を外してもらうことが出来た。 その後は、幸村が用意してくれた服と下着に着替える。 上手く歩けないため幸村にお姫様抱っこしたままの状態で、フロント向かった。そのままチェックアウトしてもらうと、ホテルを出て行く。 幸村が運転する車で、家まで送ってくれることに。「少し落ち着いたみたいだね?」「はい。色々と迷惑をかけて、申し訳ありませんでした」「しかし、驚いたよ。あの神崎社長が、あんなことをするなんて。彼は星野美優に乗り換えたのではなかったのか?」「……それは。……私にも分かりません」 涼介があそこまでやるとは。いくら身動き取れないようにするためだとしても、これはやり過ぎだ。前世といい、どうしてそこまで自分に拘るのか分からない。「もしかして、彼は君に未練があるのではないか?」「そ、そんなことは絶対にありません。だって、彼の初恋は星野美優だし」「でも……そこまでするのは、相当な執着だよ? まるで自分のものにする気みたいな」「……それは」 幸村の言葉に、グッと黙り込む。彼は自分を所有物だと思っている。離れることすら許されない。「これは私に個人的な意見だけど、君達の関係は曖昧だと思っている。彼は君のことを、まだ恋人か何かと思っている可能性がある。手錠まで付けるとしたら、相当だ。きちんと終わらせない限りは、彼は君に執着するだろう」「困ります、それは。だって、私はあの男に復讐したいのに、まだ恋人だなんて」 考えただけでも、恐ろしい。ぶるぶると身体が震えてしまう春美。 そうしたら幸村は信号で止まると、震える春美の腕を握ってきた。震えが止まった。「君のその過激な反応。どうも彼女に寝取られてだけではなさそうだね? 他にも強い執念を感じる。何かあった?」「…………」 鋭い幸村の言葉に息が詰まる。彼の眼差しが春美の心の
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第36話

 涼介のこともある。これから、どう説明をしたらいいか分からない。それよりも、涼介は、この状態に気づいたのだろうか? 今頃、怒り狂っている可能性がある。(怖い……) あの時の恐怖とショックを思い出し、またぶるぶると震え上がる。(幸村社長に触れてくれると、震えが止まったのに) 幸村の手まで、あたたかくて安心が出来た。涼介みたいにゴツゴツした大きな手と違い、彼はしなやかだった。同じ大きさでも白く美しい。 涼介のことを考えると怒りと苦しみで眠れなくなるので、幸村のことだけ考えることにする。そうしないと、どうにかなりそうだった。 ギュッと自分の手を握り締めて、目をつぶりながら唱える。(大丈夫。幸村社長が、そう言ったんだから。大丈夫) 春美は疲れていたせいか、そのまま深い眠りについた。義両親に、きちんと説明したのは夕方になってからだった。 義父も早めに帰ってきており、説明したら怒りで身体を震わせていた。「大事な娘に、こんなことをするなんて。神崎家に苦情を言った方がいい」「待って。それはやめて」「どうしてだ? 監禁なんて犯罪だぞ?」「彼をこれ以上怒らせることはしないで。その矛盾先がお義父さんとお義母さんに行ったら困るから」 刺激して、また何をしてくるか分からない。監禁だって、前世とは違う方法でやってきたのだから。「……しかし」「私は無事だったし、大丈夫だから。心配しないで」 不安にさせないように、春美は笑顔を見せる。復讐は違う方法で、自分でけりをつけるつもりだ。そうしないと終わらないだろう。 それから1日が経った頃だった。その夜に、幸村から電話があった。体調の心配をしてくれただけではなく、モデルとしての仕事を取ってきてくれた。「えっ? 私を雑誌のモデルとしてですか?」『ああ、こんな時で悪いけど。1人モデルの子が急にキャンセルになってね。身長とか、イメージ的にピッタリなんだ。明日撮影があるのだけど、来れそう?』「はい。大丈夫です」 これはチャンスかもしれない。これで正式に認められて、モデルとしてデビューが来たら、復讐への次の一歩になる。 それに、ここで塞ぎ込んでいても仕方がない。せっかく過去に戻ってきたのに。『分かった。では、明日九時に私が直接迎えに行くよ。最初だし、きちんとサポートが出来た方がいいだろうから』「ありがとうございま
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第37話

 春美は深々と頭を下げる。そうしたらカメラマンの人が春美をジロジロと見てくる。 そして明るい表情になる。。「お~確かにイメージにピッタリだ。今回はパンツやミニスカート。ロングブーツを中心だったから背が高いくて足の細い子の方が良かったんだよ」「大丈夫そうですか?」「ああ、問題ない。スタイルもいいし、全体のバランスもいい。この子は、磨き方に寄ったら化けそうだ」 幸村が尋ねると、カメラマンは問題ないと答えた。どうやら合格みたいだ。「着替えてきて」と言われたので控え室に向かう。 用意された服は、ワインレッドのブラウスと白色のサイドベルテッドパンツ。百七十センチある春美が着ると足の長さが強調されて、より見栄えが良くなる。プロのヘアメイクに髪をいじられ、メイクもされる。完成した時に、春美は鏡を見ると衝撃を受けた。「これが……私?」 プロがメイクをすると、ここまで違うものなのだろうか?  肌は艶々で透明感がある。唇もぷるぷるで、さらにキリッとした目元まで綺麗に仕上げてくれた。ヘアメイクの人も興奮して絶賛してくれた。 そうしたら幸村がノックをして控え室に入ってくる。見違えるほど良くなった春美を見て、幸村は目を大きく見開いた。「……どうですか? 似合いませんか?」「いや……あまりにも綺麗だったから、驚いてしまった。すまない」「えっ?」 まさか幸村の口から綺麗だと言われるとは思わなかったので、春美はドキッと心臓が高鳴った。「……本当ですか?」「ああ、とても綺麗だ。さあ、これから撮影が始まる。行こうか?」 そう言うと、幸村はニコッと微笑みながら手を差し伸べてくれた。春美は戸惑いながら、その手を受け取る。するとギュッと握られて、引き寄せられる。 春美は驚いてしまったが、幸村はニコニコしながら、まったく気にしていない様子だった。ドキドキしてしまう。 そして撮影の前に立つ。だが、本来の自分は撮影に慣れていない素人。いくら綺麗な格好をして、プロのカメラマンに撮られるとしても。 身体がガチガチにして、どうしたらいいか分からなくなる。あまりに硬直のために、カメラマンがため息を吐く。「緊張しなくても大丈夫だよ。リラックスして」「は、はい」 そう言われても、どうリラックスしたらいいのだろうか? 一生懸命ポーズを取るとするが、どこか不自然で硬い。口元も
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第38話

「君の役は人気モデル。そう思いながらやると緊張が和らぐはずだ。それに、特技を活かすことも一つの手。先輩達の動作、表情、ポーズなどを盗み、真似ることも上手くなる秘訣だよ」「盗んで……真似る?」「そう。ただ盗むだけではいけない。どういう動きがいいのか、またどうしたら見栄えするのか。先輩達はそれを瞬時に判断する。それを見極めるのも、演技力では必要なことだよ」「先輩達の動き……」 幸村の言葉に反応するように、ジッと先輩達の動きを観察する春美。その一点を見つめる目は鋭かった。 その後に、もう一度カメラマンの前に立った。 目をつぶり、さっきの光景を1つ1つ頭に思い浮かべる。はっきりと映し出された撮影風景。 先輩達は、どのように撮影をしていたか。幸村が言っていた演じるとは。(私は人気モデル。多くのファンから支援されているプロのモデル) 何度も自分に言い聞かした。 加賀野春美だと思うと緊張してしまう。自分が違う人間だと思わないと。 スッと目を開けた春美の姿勢は真っ直に。そして他のモデル達をイメージしながら、ポーズを取っていく。 その姿はさっきと違い、自然な動きに変わっていく。「いいね~その動き。そのまま」 バシャッ、バシャッと写真を撮っていく。その変わりように、周りも驚いていた。 幸村もクスッと笑っていた。 その後の撮影も上手くすることが出来た。そして無事に終わる。「いや~良かったよ。見違えるほどに上手くなっている」「本当ですか? ありがとうございます」「これからも期待しているよ。頑張って」 そう言って、カメラマンが褒めてくれた。最初はどうなるかと思ったが、色々と勉強になった。ただ撮影してもらうのとは違うということが分かった。スタジオを出ると春美は幸村が運転している車に乗り込む。「今日は、ありがとうございました。お陰様で上手く撮影が来ました」「フフッ……これは君の才能だよ。私はあくまでもアドバイスをしただけだ」「ですが……」「君に必要なのは自信だ。これから、たくさん日の目を見るだろう」 幸村の言葉に心の奥が熱くなる感じがした。ドキッと心臓が高鳴る。この気持ちは、何だろうか? そして雑誌の発売日を迎える。発売すると、その雑誌はSNSで話題になった。 20代向けの女性ファッション雑誌だったが、突然現れた新人モデルに注目が集まる。
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第39話

「あのね……さっきモデルをやっている友達から電話があったの。加賀野さん。モデルの仕事を始めたみたいで。そうしたら他のモデル達に変な噂を流しているって。星野美優は男癖が悪い性悪女だとか。自分がモデルになって有名になったら潰すとか。美優怖くて……そうなったら芸能界なんて居られない」『春美が!? 大丈夫だ。あんな女が厳しい芸能界で生き残れるはずがない』「でもでも、加賀野さんって、凄く美人だし。スタイルが良くて、美優なんかが太刀打ちなんか出来ないよ。ひっく……怖いよ~涼介さん」 泣き真似をしながら涼介の心を揺さぶった。これだけ言えば、動くしかないだろう。 結局のところ涼介は芸能プロダクションの社長だ。彼が動けば状況も変わる。それに、春美に未練があったとしても愛しているのは自分。 星野美優は、それだけの自信があった。そのために婚約破棄までしてくれたのだ。『……分かった。俺がどうにかしよう』(ほら、やっぱり) 彼の反応に星野美優の口元が上がった。思った通りに返事があった。「でもね……そうしたら友達がこう言ったの。『美優と競わせて、どっちが上かハッキリさせた方がいいって。そうしないと、急に新人が辞めたら、美優の方に悪いイメージがつくって』って。どう思う? 美優は自信がないから無理だと言ったのだけど~」 あくまでも友人の発言だと言って、涼介を誘導する。 競わせることはデメリットになりそうだが逆に利用の、し甲斐がある。世間のイメージを利用するのだ。『美優と……競わせる?』 その時に涼介は閃いた。あれから涼介は怒り心頭だった。捕まえたはずの春美が、戻ったら消えていた。スタッフに聞くと、既にチェックアウトして帰ったと。 どうやら鍵屋を呼んだらしい。その時に、背の高い茶髪の男性が迎えに来られたと言われる。その時にフッと幸村のことを思い浮かんだ。(あの野郎……俺の女をさらって行きやがって) どうにか春美を取り戻したいと思っていた矢先に星野美優から電話があった。 春美が芸能界入りするのにも気に食わないのに、大切な初恋の人・星野美優に危害を加えることだったとは。眉間にシワが寄るぐらい腹を立てる涼介。『心配しなくても、俺があの女を芸能界から追い出す』「涼介さん……嬉しい。それでね、これも友達が言っていたのだけど」 星野美優の言葉に衝撃を受ける。だが、いい考
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第40話

 特に星野美優の時に使われていた手口だ。 たくさんのオーディションを勝ち抜いた大型新人。話題のドラマに、自ら応募など。それだけで期待も高まる。それを涼介が陰でプロデューサーと掛け合い、合格させていた。「……しかし、これには少し気になる点があってね」「気になる点ですか?」 不思議がると、幸村はオーディションの現在の応募リストを見せる。「これを送られてきたんだけど。ここ。応募に星野美優って書いてある」「えっ?」 慌てて見てみると、確かに彼女の名前が記されていた。形式オーディションなのに。(もともとやっていたオーディションに私が割り込んだから? いや……でも、このブランドは、確か彼女はやっていないはず) 記憶の中から過去を振り返ってみる。星野美優が選んだのは違う化粧品ブランド。このオーディションは確かにやっていたが、彼女は参加していなかった。 だとしたら、この歪みは何だろうか?「応募リストをあらかじめに見せることも本来なら禁止だ。そこの化粧品ブランドは、それでも君に応募してほしいと申し込んできた。私は……これは罠のような気がするんだ」「罠……?」 幸村の言葉に動揺するが、可能性は高いと思った。 そう考えた方が納得するからだ。あのプライドの高く、ずる賢い星野美優が形式オーディションを受けるとは思えない。 それなら自分が受かるように圧をかけるだろう。涼介と星野家の権力を使って。涼介も、その辺を調べていないというのもおかしい。 彼は星野美優のためなら何でもする男だ。絶対にふりになることはしないだろう。 参加しない方が無難だろうか? だが、逆に言えば復讐のチャンスかもしれない。(もし、これで合格したら、星野美優と涼介にぎゃふんと言わせることが出来る) 本来なら断わるべきだろう。それは春美も分かってはいる。でも、それでも彼女に悔しい思いをさせたくて仕方がなかった。涼介に面目丸つぶれになる。「何か裏があるような気がする。どうする? 私の方から断わっておこうか?」「いえ……問題ありません。そのオーディションは私が受けます」「大丈夫か?」「はい。何かしてきたら、返り討ちにしてやります」 不安がないわけではない。もしかしたら涼介にも会う可能性があるから怖いが、それでも避けてばかりではいられない。 きっと星野美優から接触してくるはずだ。潰す
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