All Chapters of 私が本物だった!?~死に戻った彼女は死より恐ろしい復讐で返り咲く~: Chapter 31 - Chapter 40

58 Chapters

第31話

 そう。星野美優は、下働きみたいな仕事はやりたがらないで有名。あれだけ、やりたくないと涼介に泣きついて無理やり変更させてきた。 スタッフや共演者の噂などは広まりやすいから、こういう時に裏目に出たりする。 春美も、そこを把握しているから言えたのだ。「こんなに華やかで派手なことが好きなあなたが、私みたいな地味なCMを撮るとは初耳だわ。私が秘書をやっていた時も散々嫌がっていたのに。それに、私のところは、かなり予算が削られたわ。周りの協力のお陰で無料貸し出してくれたから何とかなったけど。これについて審査員に異議申し立てるわ。これは不公平じゃないの?」 そう言いながら畳みかけるように言った。審査員達が真っ青な表情になる。「それは……」 その表情に幸村は、見逃さなかった。「それの証拠はここにあるよ。契約書だ。これらを含めて、弁護士と警察の相談させてもらう」「あの……それだけは」「だって、ここまで騒ぎになったのなら仕方がないだろう? こちらも低予算で苦労して撮影したのに、盗作呼ばわりされて迷惑した。名誉毀損として訴えることになるだろう。暴言も吐かれたし。そうなると、監視カメラと、契約の仕方について詳しく聞くことになるが……?」 ニコッと微笑む幸村を見て、審査員達は震え上がる。「も、申し訳ありませんでした。これは……」「もう、やめて!」 その言葉を遮ったのは星野美優だった。「うえ~ん。だって~似ていたんだもん。だから間違えただけなのに。美優……ワザとじゃないのに」 ポタポタと子供のように泣いて、外に飛び出してしまった。 一体、何に対して間違えたのだろうか? その説明もなく、ただ誤解だと言って、逃げ出してしまうとは。「そ、そうだ。美優はワザとではなかったんだ!? そんな小さな誤解で、そこまでやることはないだろう? お前はどうして、そこまで心が狭いんだ!?」 焦って逆ギレしてくる涼介を見て、春美は「はっ?」と思った。「私の心が狭い? 悪気がなかったら人の作品を盗んだとか、平気で噓をついてもいいってこと? それに対して謝罪もないのは、どういうことよ?」「……ぐっ……」「あんたの事務所にも捜査の対象になると思うわ。監視カメラのことで。もちろん、その覚悟があって言ったのよね?」 何も言い返せなくなった涼介は、そのまま星野美優を追いかけて外に出て行っ
last updateLast Updated : 2025-11-03
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第32話

「何を言っているんだ!?」「……もう、いいの。美優は、そういう地球のもとで生まれたんだよ。結局は1人ぽっち。誰も愛してくれないの。何で……いつも上手くやれないのだろう? 救いようがないバカだから。このバカ、バカ」 星野美優は自分の頬をペチペチと叩く。悲劇のヒロインのように訴えかけた。それは涼介の胸をえぐる。 大切な恩人だった彼女を深く傷つけるなんて。 確かに、彼女は人に誤解されやすい。純粋で思ったことをつい口に出してしまうからだ。(俺は……なんてことを。美優が誤解されやすいと知っておきながら疑うなんて……最低だ) 涼介は星野美優をギュッと抱き締めた。「……ごめん、美優。俺が間違っていた」「……美優こそ、ごめんなさい。ちゃんと確かめずに言ったから。加賀野さんにも悪いことしちゃった。ちゃんと謝りたい」「……それは」 あれだけ怒らしてしまった。謝罪したところで受け入れるとは思えない。(春美のことに対しても、もし誤解だったとしたら……) 涼介の胸がチクリと痛み、後悔する。「涼介さん。このままだと、美優……後悔する。最後に謝る機会がほしい」「そんなことを言うな。ちゃんと謝る機会を作ってやる」「本当? 嬉しい……なら、お願いがあるの」 星野美優は目を潤ませながら何かを伝える。その内容に涼介は目を大きく見開いた。「そんな役を……彼女に!?」「ええ、そんな大役を彼女のために用意したと分かれば、考え直してくれると思うの。私も謝る機会がもらえるし、丁度いいと思って」 しかし、涼介の顔は渋る。ドラマでは重要な役。素人の春美が務まるわけがないと思ったからだ。「そんな……大役。彼女には無理だろう? それに何かされたら」「ううん、そんなことないわ。加賀野さんなら、きっとやってくれるはず。美優は彼女を信じるわ。それに美優のせいで、傷つけちゃったし。どうしてもお詫びがしたいの」「……美優。君は、どれだけ優しいんだ。分かった。そうしよう」 涼介は、星野美優が親切で役を用意したいのだと勘違いする。 彼女はそれを聞いた瞬間、嬉しさに涼介に抱きつく。だが、隠れてニヤリと笑った。(そうだ。優しい美優が謝罪出来る場が必要だ。誤解だと分かれば和解が出来る。それに、彼女の将来のためにも春美の芸能界進出は阻止しないと。失敗してくれた方が丁度いい) 涼介は焦っていた
last updateLast Updated : 2025-11-03
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第33話・ドラマでも敵対心

「内容は医療もの。しかも、君の役はお金と権力しか目がないエリート医師・本田麗奈(ほんだ れいな)。問題なのは、そのメインヒロインが星野美優らしい」 幸村が眉間にシワを寄せながら言いながら台本を渡してくる。春美は、その台本を受け取るとパラパラと読んでいく。「何よ……これ!?」 星野美優は、松久梓(まつひさ あずさ)。彼女は新人医師だが、院長の娘でお嬢様ヒロイン。 主人公で、ある理由でトラウマを持っている天才医師と一緒に奮闘しながら、活躍するストーリー。 しかし問題なのは、春美がその2人と医療のことで何度も衝突する。利益しか手術したがらない本田麗奈は、患者を差別する。 真っ直ぐで患者のことを1番に考える松久梓は、それを否定。本田麗奈は、そんな彼女が気にいらなくて、嫌がらせをしては嫌味を吐く。 どう見ても、春美は悪役医師役だ。「どうして、この役を私に?」「向こうの話だと神崎社長と星野美優さんの希望と言っていた。前回のことで反省して、是非この役をやってほしいと決まっていた役者を変更してまで用意したらしい。期待の新人モデルは演技も優れているから使ってほしいと言って」「私は演技なんて未経験ですよ!?」 またもや別に方法で自分を陥れる気らしい。演技すら未経験の春美が、そんな大役をやるには無理がある。しかも悪役なら余計に。「それが手だろう。向こうは君の演技力をよく知らない。それなのに難しい役を押しつけるってことは、失敗を狙っているのだろう。連続ドラマとかは、役者のスケジュールに合わせないといけないから、早めにオファーを出す。演技の経験者ならまだしも、急に大きな大役を素人に変更することは、ほとんどない。それこそ事務所のゴリ押しではない限り。恥をかかせれば、芸能界としては致命的と考えたのかもしれないな」 もし下手な演技でも見せたら、視聴者から大根役者だと叩かれる。知名度が低い春美にとったら致命的。「上手くやれても悪役として知名度が上がる。そうなると、視聴者から厳しい意見が目立つようになる。あの女医がムカつくとか、役柄として見るから。その後も、その役柄がまとわりついてくる。逆に下手だと、それはそれでバッシングになるだろうな」 幸村の意見に、春美はどちらにしても損するように出来ていると。。 確かに、視聴者は役柄として見る。いい役や当たり役だと「あの役者は誰?
last updateLast Updated : 2025-11-03
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第34話

 その表情に、幸村はため息を吐いたが、すぐにニコッと笑った。「分かった。そのように報告しよう。しかし悪役をやるのなら、主役を食ってしまうほどの演技力を見せつけないといけない。そうすれば影の主役は君になるだろう」「はい、分かっています」「だったら。まずは役作りからだな。役の気持ちに近づけるように、私も力を貸そう。そうだな……どこまで役のイメージを固めているんだ?」「あ、はい……それは」 春美がその役をやりたいと言ったら、幸村も社長として力を貸してくれると言ってくれた。そのお陰で役作りの話し合いが出来た。 そこで春美は、あるお願いをした。より医療の様子を掴むためにも現場を見たいと。 病院での様子は治療や付き添いなので行ったぐらいで、詳しくは知らない。衛生面や個人情報などがあるため、むやみに出入りは出来ない。 監修として医師や関係者を呼んで、撮影など指導してくれることはあるが、それだけだとリアルな雰囲気が掴み切れない。 幸村の知り合いが病院の院長をしているらしく、頼んでくれた。そのお陰で、本物の医療現場を見学することが出来た。春美は役作りに奮闘する。 限られた時間で、医師の普段の動きと緊急外来が来た時の対応を覚える。手術の時の手順から、知識。 手術の現場はモニター画面だったが、血や生々して吐きそうになった。(これを医師や看護師なのね。凄い) 表情を変えずに、黙々と手術のやっている姿はカッコいいなと思った。 そのお陰で、よりリアルな芝居が出来るような気がしてきた。後は本田麗奈の性格を掴むだけだ。現場で働いている看護師や関係者などに聞き込みをして固めていく。 実際に居た嫌な医師や裏話などは大変参考になった。 そしてドラマのクランクインの日。 撮影現場にあるテレビ局に着くと、控え室に案内されて、用意された衣装に着替える。 そしてヘアメイクさんに、本田麗奈に合うようにメイクをしてもらう。彼女はきつい感じにしないといけないので少し目元や唇を濃いめに。 既に医療現場のセットが出来上がっていた。まるで、本物の病院の一部を見ているようだ。「本田麗奈役の加賀野春美さんがクランクインしました」「加賀野春美です、よろしくお願いします」 スタッフに自己紹介されて、春美は深々と頭を下げて挨拶する。他の俳優とスタッフ達は大きな拍手をしてくれた。 しかしセ
last updateLast Updated : 2025-11-04
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第35話

『……話は、それだけ?』「はっ?」『そもそも私がどうして? 私は権力とお金があれば、どうでもいいわ。、それよりも、あなたが、どのように活躍してくれるか楽しみにしているわ。松久梓さん』 春美は、本田麗奈として彼女に接した。 啞然とする涼介と星野美優だったが、春美は気にせずにニコッと勝ち誇った顔で微笑んだ。「か、加賀野さん……?」 そうしたら、スタッフが春美と星野美優の名前を呼んだ。どうやら順番が回ってきたようだ。『あら? 呼ばれているわ。フフッ……そろそろ私の出番かしら?』「あ、あの……」 春美は、颯爽とした雰囲気でセットの方に向かう。その凛とした姿は本田麗奈そのものだった。 その後の撮影も順調に続く。回を重ねるほど、春美の演技力が輝き出した。 特に手術シーンに関しては、リアルさと迫力があるように心がける。本田麗奈はプライドが高いエリート医師。 なので手術する時も自信を溢れる感じにしたかった。 それに本田麗奈のキャラを崩さないように、撮影の間も彼女になり続ける。これは、星野美優と涼介対策でもあった。 もし何か因縁をつけてきたとしても演技で返すことで、役が抜けないせいだと周りに思わせられるからだ。実際に、「加賀野さん、お疲れ様です。お茶をどうぞ……あっ」 そう言いながら小走りで走ってくる。そしてワザと、お茶が入った紙コップをこちらにかけようとしてきた。サッと避けると、そのまま大げさに倒れ込む星野美優。 本来なら、泣きながら春美がワザと転ばしたように見せたかったのだろう。 しかし本田麗奈としての春美は、フフッと笑う。『何をやっているの? どんくさいわね。これで医者とか笑えるわ』「えっ……? でも、あなたが……ワザと」『何? 私のせいにでもする気? これだから若い子は。どんくさいのは、あんたのせいでしょ?』「そ、そんな……うえ~ん」 そうしたら、慌てて涼介が庇い始める。「おい、春美。お前は、美優に何をやっているんだ!? 彼女に謝れ」『あら、あんたの男? 松久さん。あなた、医者の仕事もろくに出来ないのに、男遊びは、しっかり学習しているのね?』「はっ? 何を言っているんだ!?」『私は言ったはずよ? 『この世界は遊びではない。お荷物はいらない』って』 シーンと静まり返る。しかし、その言葉がドラマに出てくる台詞だと周りの方が気
last updateLast Updated : 2025-11-04
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第36話

 仕方がないだろう。星野美優は、自分の好きな役柄しかやりたがらない。 そういうのは、どれも似てくるせいか、どれも同じに見えてくる。少しでもバリエーションを変えてやらないと、最初は注目を浴びても、視聴者にはすぐに飽きてしまう。 それに星野美優はゴリ押し感が強い。どの作品にも出演やメインばかりさせていると、実力より悪目立ちになることはある。 春美は完全に主役達を食ってしまっていた。 それに対して激怒しているのは、他でもなく星野美優だった。自分の部屋で、怒りのあまり近くにあった花瓶を投げつけて割ってしまう。「あの女……許せない。何処まで美優の邪魔をすれば気が済むの!?」 本来だったら完全勝利だったはずだ。 母の結託をして加賀野春美を追い出すはずだった。星野家も義父・星野総一郎は、自分の言いなり。後継者として手に入る。 しかし春美が芸能界として目立てば、彼らの耳や目に入るかもしれない。(どうにかして潰さないと) 慌ててスマホを手に取ると、何処かに電話をかけた。『はい、どうしたの? 美優ちゃん。そっちから電話をくれるなんて珍しいね? もう僕に会いたくなっちゃった?』「冗談を言わないで。ねぇ、麻斗(あさと)。美優のお願い聞いてくれる?」『なに? どうしたの?』 星野美優が電話をかけたのはドラマの主役で、天才男性医師役の人気俳優・高橋麻斗(たかはし あさと)。 実は二人は、前からセフレ関係だった。 女好きの麻斗とは、お互いに割り切った関係で、海外に居た時も続いていた。「あなたって、加賀野春美のこと、美人だと言っていたわよね? だったら、誘惑をしてくれない?」『えっ~確かに美人だねとは言ったよ。すげぇ~スタイルにいいし。でも、どうして誘惑なんてしろと言うの?』 高橋麻斗は、それを聞くとクスクスと笑う。「理由なんて、どうでもいいのよ。あの女が消えてくれたら。で、やるの? やらないの?」『えっ~? どうしようかなぁ~美優ちゃんが、また僕の相手してくれるならいいよ。最近呼んでくれないし』「……仕方がないわね。上手くやってくれたら、ご褒美をあげるわ」『本当? やった~それなら僕、頑張っちゃおうかな』 吞気に言ってくる高橋麻斗の態度に、星野美優はイラつきながらも単純だと思った。 高橋麻斗は表では爽やかでフェミニスト。甘いマスクと硬派が売りの人
last updateLast Updated : 2025-11-06
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第37話

 しかし、それを見た涼介は自分への当てつけだと勘違いしてくる。「春美。芸能界で男漁りとは、どういうことだ?」「……離して」「いくら婚約破棄をしたからって、好き勝手に男と遊び過ぎだろう!? スキャンダル女優でもなりたいのか?」 お手洗いに行っていた春美を見つけると腕を掴んで、そんなことを言ってきた。振り払おうとするが、グッと強く握るため取れない。『……離してって言っているのが、聞こえなかった? それに、スキャンダルのことをしているのは、あなたじゃない』 あえて本田麗奈の口調で強めに言った。ビクッと涼介は一瞬動揺をするが、それでも離そうとしなかった。「俺がだと? 春美。どうしたんだ? まるで別人のようだぞ?」 別人? 確かにそうかもしれない。『そうよ。私は、まったくの別人。あなたの知っている元婚約者は、もう何処にも居ないのよ』 彼が知っている加賀野春美は、前世で殺されて死んでいる。 今は、生まれ変わった別の自分。「そんなはずはない。いいから、さっさと、この業界から出ていけ。俺の両親もお前に戻ってきてほしいと言っている。形だけなら婚約者のままにしてやるから」「はっ? 寝言は夢の中で言ってくれる? 星野美優が居るのに、何を言っているの?」「別にずっとではない。一時的でいいんだ」 焦ったように言ってくる涼介。両親から何か言われたのかもしれない。だが、春美の心は、既に終わっていることだ。 腕を思いっきり振り払う。今度は何とか取ることが出来た。 しかし諦め切れない涼介は、再度腕を使うと人気のないところに連れていく。そしてドンッと壁に押さえつけてくる。「いい加減にワガママを言うのはやめろ。お前は、何が不満なんだ? 今までだって、散々俺が相手してきてやっただろう?」 ここに及んで、まだ自分を軽率に扱ってくる。そんなの不満しかないだろう。「いい加減にするのは、あなたの方よ! 私をバカにしないで。そもそもあなたの愛人になる気もないわ」 前世では、すがりついたせいで酷い目に遭ってきたのだ。「何だと!?」 ムキになった涼介は春美に手を上げようとしてきた。「痛い……」「絶対に許さん。お前は俺のものだ。俺だけの」 どう言いながらギュッと抱き締めてくる。ここまでムキになってくるとは。 涼介の意外な行動に驚いたが、だからと言って愛人になる気もな
last updateLast Updated : 2025-11-06
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第38話

 こちらの忠告を完全に無視してくる。それどころか煽ってきた。しかし高橋麻斗は、驚きもせずに、また春美に抱きついてきた。「もうせっかくだから、熱いスキャンダル写真とか撮ってもらう? 何ならキスとか」 高橋麻斗は調子に乗って、さらに過激な発言をしてきた目が合うと、口元がニヤリと上がった 避けてきたのに、まさかこんな形で撮られるとは。どうにかしないと、そう思ったら今度は星野美優が顔を出した。「キャアッ!? 声がするから来てみたら。高橋君と加賀野さんって、付き合っていたんですか~?」 大声で叫ぶものだから他のスタッフまで来だした。言い逃れない状況を作る気だろう。 これも星野美優が仕組んだこと。しかし、そうなるのは想定内だ。(涼介がここまで怒るのは驚いたけど……そんなのはどうでもいいわ。どーせ、この茶番は長く続かないから) 春美はクスッと笑った。もうその手は打ってある。 星野美優は、その顔に驚いた。『もういいかしら? 私は忙しいのだけど』 春美はスッと背筋を伸ばすと手を白衣のポケットに入れて、サッと歩き出した。カメラマンは焦って、思わず後ろに下がった。 本田麗奈の役柄に演じながら、チラッと星野美優の前で足を止めた。「あ、あの……」『失礼。あ、松久梓さん、次は私がオペの執刀医をやるわ。あなたに負けてはいられないから』「えっ?」 急な態度に、まったく反応が出来ない星野美優を無視して、そのまま去っていく。 周りは「役が抜け落ちないせいか?」と啞然としていたが、星野美優と涼介は悔しそうな顔をしていた。 だが、これはあくまでもこの状況を誤魔化すため。本当の意味の春美からの返り討ちは、しばらく経ってから行われた。 それは、週刊誌を同じ日に販売した週刊誌で明らかになる。 その後に、幸村に頼んで発売を早めてもらった週刊誌には、何枚かのスキャンダル写真が載っていた。『星野美優。華やかな女優人生には、男の影はかかせない? 裏の顔』 神崎社長だけではなく、高橋麻斗と寄り添ってマンションに入っていく姿とキスしているツーショット写真。他にもプロデューサーと、著名人とのスキャンダルまで。 文章は、たくさんのセフレが居たことや海外での派手な生活が暴露されていた。これは、前世で義母が突き止めたことを参考にした。 もちろん、それだけでは済ませない。動画も撮らせて
last updateLast Updated : 2025-11-06
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第39話

「美優のお腹の中に!? それに……俺の初恋?」「ええ、そうよ。あなたの子よ! 美優は初恋の人なの。あなたが、そう言ったのよ!?」 星野美優は自分が妊娠していると言ってきたのだ。しかし、涼介の中は初恋の言葉の方に反応する。彼の胸がズキッと傷んだ。(これは……どちらの痛みなんだ?) 確かに彼女は初恋であり、恩人。誰よりも大事にしないといけないと思ってきた。(しかし、何だろうか? この違和感は?) まるで、しこりが残るような感覚。星野美優は、それでも涼介の腕を握り締める。だが、彼は、それを振り払った。「……とにかく、今回は誰の子か分からない。子供はおろさせる」「えっ? 涼介さん」「子供なんて、また作ればいい。今度は俺の子を」 それだけ言うと、何処かに電話をする。しばらくするとボディーガードの男達が入ってきた。「彼女を連れていけ。お腹の子を中絶させろ」 ボディーガードの男達は嫌がる星野美優を掴んで連れて行ってしまう。「いやああっ~やめて。美優が悪かったわ。涼介さん……助けて」 泣き叫ぶ星野美優を黙って見つめていた。そして居なくなったのを確かめると、ドンッとデスクを思いっきり叩いた。 こんなはずではなかった。初恋の人を手に入れて、幸せになるはずだった。そして加賀野春美は、あくまでも愛人として。「どいつもこいつも……俺のことを裏切りやがって」 どうにかするしかない。このままだと株価どころか、評判が落ちてしまう。「とにかく美優を大人しくさせて……それから」 何故だか涼介の頭の中は春美のことでいっぱいだった。 その頃、車に無理やり乗せられ身動きが取れない星野美優は、ギリッと歯を食いしばっていた。 こうなったのも全部、加賀野春美のせいだと。 妊娠したのは本当だ。しかし、いろんな男と寝てきたので誰の子か分からない。 本当だったら涼介の子として産ませる計画だったのに。そうなれば神崎家の財産は自分のものになるはずだった。 計画と、これだけの侮辱されたことが許せない。(あの女……覚えておきなさいよ。絶対に仕返しをしてやる) しかし、別のところで新たなことが起き出していた。 その頃、星野家では美優の義父で春美の実父・総一郎(そういちろう)が、2人の出演しているドラマを観て衝撃を受けていた。 春美が、あまりにも妻である智美(ともみ)の若い頃
last updateLast Updated : 2025-11-07
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第40話

 幸村が練習相手とは、恋人役を買って出るってことだろうか?「そう。独身の私なら丁度いいだろう。恋人のように、これから振る舞うことも出来るし、いい練習相手にはなるのではないか?」「えっ? でも恋人役ですよ!? ご迷惑になるのでは」 いくらなんでも社長である彼に失礼ではないだろうか? しかも春美は少しずつではあるが、幸村に惹かれていた。春美本人は自覚はないが、想像しただけでも心臓がドキドキと弾けそうだった。「全然迷惑ではないよ。むしろおじさんで悪いぐらいだ」「で、でも……もし他の人に誤解されたら。それに、もし本気になってしまったら?」 自分でも何を言っているのか分からなくなる春美。思わない申し出に、内心パニックになってしまった。 しかし幸村は、ニコッと微笑んでくる。「それは光栄なことだ」と、言いながら。 嫌ではないのだろうか? 「それに、その方が丁度いい。もしのことも考えて」「えっ?」「ううん、こちらのこと。難しく考えないで、君は私を恋愛相手として見ればいい。それが、これからの役作りに、きっと役に立つはずだ」「は……はい」 幸村の真意は分からなかったが、練習相手として、いつの間にか決まってしまった。 その後、本当に恋人のように振る舞ってくれる幸村。 もともと紳士的ではあったが、春美に対して特別な女性のように肩を抱き寄せたりする。 いつものように心配だからと付き添ってくれて、ケータリングの弁当が出ると春美に好きそうなおかずを分けてくれた。 それ以外でも、まだまだ暑いと思ったら携帯用の扇風機をかけてくれて、優しい眼差しで話しかけてくれる。 涼介みたいに自分勝手で待つだけの恋愛とは違い、愛されている感覚がした。また幸村は常に落ち着いていて、大人の余裕と優雅さを感じる。 春美の話もうんうんと静かに聞きながら、適切なアドバイスもくれる。自然と、、ドキドキして夢中になってしまうほどに。 それに対して面白くないのは涼介と星野美優だった。特に涼介は、2人の仲睦まじいところを見せられて、嫉妬心が芽生えていく。 ずっと自分の後ろを必死に追いかけてきて、機嫌を取ってきたはずなのに。今では見向きもされない。(俺に……嫉妬心を抱かせたいのか? いい度胸だな!?) そう思いながらも胸の辺りがギュッと掴まれたような感覚がした。チラッと、もう一度見ると幸
last updateLast Updated : 2025-11-07
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