実家に着くと、義母・加賀野夏穂が出迎えてくれた。久しぶりに帰宅したので喜んでくれる。丁度、義父も有給休暇の消化のために休みだった。 春美は、早速2人にロケットペンダントのことを問い詰めた。本当にあるのかと。「あなた、どうしてそれを」「事情は後で、ちゃんと話すわ。それよりもあるのか、ないのをはっきりとさせたいの」 そう言うと、義母は不安そうな表情で義父の方をチラッと見る。義父は義母の肩を抱きながら、「隠してもいずれバレることだ。春美を信じよう」と優しい口調で説得してくれた。 しばらくリビングのソファーに座って、お茶を飲みながら待っていると義母が小さな箱を持ってきた。受け取って蓋を開けてみると、確かにロケットペンダントが入っていた。 電話越しで聞いただけだけど、同じものなら中身の実母と幼い頃の自分の写真が貼ってあるだろう。春美はガタガタと震える手でロケットペンダントの蓋を開けた。 そうしたら本当に若い女性と赤ん坊が写っている写真が貼ってあった。女性は確かに春美だと見間違えるほど、そっくりだった。 髪型が肩ぐらいで、少し実母の方が大人っぽい雰囲気。「施設の園長先生から大きくなって母親のことを聞いてきた時に、渡してほしいと言われていたの。捨てられたあなたの籠の中に一緒に入っていたらしいわ」「……間違いないわ。あれは事実だったのね」 これでやっと、あの夢が本物だったと実感することが出来た。自分は過去からタイムループしてきたのだと。『彼女の名前は星野智美(ほしの ともみ)という星野グループの奥様よ。ごめんなさい、なかなか渡せなかったの。あなたが私達に笑顔を向けられるたびに。本当の娘として育ってきたから、それを見せたら実の母親を恋しくなるのではないかと思って。奪われる気がして……勝手な嫉妬で隠してしまったわ』「……お義母さん」『……でも、それが間違いだったのかもしれない。星野グループが載っている雑誌を読んだ時に、気づいたの。若い頃の写真だったけど、社長夫人の顔があまりにも、あなたに似ていたのよ』 過去で、義母が口に出した事と同じ事を言っていた。酷く後悔をして自分を責めていた。 しかし義母が悪いわけではない。こうなってしまったのも必然的だったのかもしれない。 春美は義母をギュッと抱き締める。「違うわ……お義母さんが悪いわけではない。それに私
최신 업데이트 : 2025-11-01 더 보기