星野総一郎の妻で、加賀野春美の本当の母親・星野智美(ほしの ともみ)は、春美にそっくり。それが世に知られたら、自分がニセモノだとバレてしまう。 自分の身元を調べられたら、一巻の終わり。「どうにかしないと……」 星野美優は、歯を食いしばりながら考える。しばらくすると、スマホを取り出して涼介に電話をかけた。『どうした?』「涼介さ~ん。どうしよう。えぐっ……加賀野さんが美優を陥れようとしているの」 星野美優は、すぐさま得意の泣きの演技をする。電話なので声だけで、目は涙一粒も流れていない。『どういうことだ?』「あのね……さっきモデルをやっている友達から電話があったの。加賀野さん。モデルの仕事を始めたみたいで。そうしたら他のモデル達に変な噂を流しているって。星野美優は男癖が悪い性悪女だとか。自分がモデルになって有名になったら潰すとか。美優怖くて……そうなったら芸能界なんて居られない」『春美がモデルとして芸能界だと!?』 涼介は知らなかった。あれから仕事を辞めて無職のはずだ。なのに、反省して謝罪するどころか芸能界に踏み入れようとしていたとは。(何処の事務所に入ったんだ? それよりも、そこまでして美優を陥れようとしているだと?) 芸能界にやっていくには何処かの事務所に入るのが通常だ。しかもモデル。 春美は確かにモデルをやっていくだけの美貌とスタイルを持っている。それは理解していたが、彼女は芸能界には興味がなかったはず。 そう思っていた涼介は驚く。『だ、大丈夫だ。あんな女が厳しい芸能界で生き残れるはずがない』「でもでも、加賀野さんって、凄く美人だし。スタイルが良くて、美優なんかが太刀打ちなんか出来ないよ。ひっく……怖いよ~涼介さん」 星野美優は泣き真似をしながら涼介の心を揺さぶった。これだけ言えば、動くしかないだろう。 結局のところ涼介は芸能プロダクションの社長だ。彼が動けば状況も変わる。それに、もし春美に未練があったとしても愛しているのは自分。 星野美優は、それだけの自信があった。そのために婚約破棄までしてくれたのだ。『……分かった。俺がどうにかしよう』(ほら、やっぱり) 彼の反応に星野美優の口元が上がった。思った通りに返事があった。「でもね……そうしたら友達がこう言ったの。『美優と競わせて、どっちが上かハッキリさせた方がいいって。
Last Updated : 2025-11-01 Read more