私は本物の令嬢と初恋の人だった!?~彼女は死より恐ろしい復讐で返り咲く~의 모든 챕터: 챕터 41 - 챕터 50

53 챕터

第41話

「あの人って、最近SNSで話題になった新人モデルだよね?」「えっ? 星野美優と知り合いなの?」「彼女達も参加するの? えっ~激戦じゃん」 ひそひそと内緒話をされる。オーディション以外は注目を浴びたくなかったので、余計に困ってしまった。 今回は普通のオーディションと違って、形式。あまり悪目立ちをしてしまうと、色々と疑われてしまう。 他人のふりがしたいと思っていると、眉間にシワを寄せて血相を変えた涼介が、こちらに向かってくる。そして春美に腕を強く握り締めた。「どうして、勝手に居なくなったんだ!?」「キャアッ!? 痛い」「お前が居なくなって、俺がどれだけ探したと思っているんだ!? それなのに、美優を陥れようとするとは」「はっ? 何を言っているのよ? とにかく離して」「いいから、帰るぞ!? ここは、お前のような人間が来るところではない」 何を思ったか、春美を無理やり連れ去ろうとする。必死に抵抗するが、強く握り締められているため外せない。 そうしたら幸村が、涼介の腕を掴んだ。「離してもらおうか? 彼女は、ウチの大切な事務所の子だ」 しかし涼介の表情がピクッと変わる。ギロッと幸村を睨みつけてきた。「はっ? 春美は、お前のところの子じゃない。それに俺の元婚約者だ」 何を言っているのか、自分でも分かっているのだろうか? 元婚約者なら、もう他人。 仕事も辞めているので、とやかく言われる筋合いはないはずだ。「元婚約者なら、なおさら関係ないだろう。それに退職もしているし、契約自体はウチのモデルで間違いはない」「はっ? 何だと!?」 涼介は幸村に掴みかかる。しかし幸村は冷静だった。それに慌てたのは星野美優だった。 春美に騒ぎを起こさせる気だったのに、涼介の方が騒ぎを起こしてしまった。しかも春美を元婚約者だと言ってしまう。これでは、自分の立場が悪くなってしまう。「涼介さん。もうやめて。皆が見ているわ」「うるさい」 怒りのあまり、腕を掴んでいた星野美優を振り払ってしまった。彼女は咄嗟に大げさに転んだ。そして目尻に涙を溜めながら、「ううっ……酷いわ。涼介さん」と、言いながら泣き出した。 それにハッと我に返った涼介は、慌てて星野美優を抱き締める。「美優、すまない。怪我はないか?」「美優はいいの……我慢すればいいだけだから。でも、こんなところ
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第42話

「幸村社長って、紳士的よね。下手な言い訳をせずに、すぐに謝罪をするなんて」「と、いうか突き飛ばしたのは神崎社長よね? なんで幸村社長が謝るの?」「そうよね。神崎社長って、星野美優さんと噂があったわよね? えっ? 二股?」「二股なら、別れて当然よね。それなのにつきまとって、怒鳴り散らすなんて」 紳士的で大人の対応をする幸村に対して、傲慢で暴力的な態度を見せていた涼介に批判が集まり始める。それもそうだろう、彼らは大人なのだから。 顔を赤くして慌てた涼介は星野美優に「俺が外で待っている」とだけ残して、会場の外に出てしまった。 それには星野美優もあんぐりと口を開いた。まさか自分を庇うどころか逃げてしまうとは。 そうしたら騒ぎに駆けつけたスタッフが声をかけてきた。「あの~大丈夫ですか? もうすぐ始まるのですが……何か問題でも?」「ああ、何も問題ない。始めてくれ」 それに対して幸村はニコッと微笑んで答えた。そして春美の方を見る。「大丈夫。君は何も気にせずに、やってごらん。私は外に出て待っているから」 いつものように励ましてから立ち去って行った。どうなるかと思ったが、幸村のお陰で、これ以上騒ぎにならずに済んだ。 ドキドキしながら司会者の説明を聞いていたら、急に星野美優が春美に近づいてくる。 嫌な予感がして後ろの一歩下がると、彼女は、ギロッと怖い顔で睨んできた。「調子に乗らないことね? あんたなんか、涼介さんと星野家の力を借りれば、簡単に潰せるんだから」 あの純粋で天真爛漫だと言われている彼女は、何処に行ったのだろうか? 今、傍に居るのは羊の皮を被ったオオカミみたいだ。「そう? でも、あなたこそ調子に乗らないで。私は奪い取られた分を取り戻したいだけよ」「はっ?」 そうしたらスクリーンに画面が映し出される。書かれた文字は『自分を美しく魅せる』だった。 司会者が口を開いた。「今回は自己紹介だけで、次の審査までには、それぞれ自分が思うCM映像を個人製作して下さい。良かった作品をそのままCMとして起用します。ちなみに予算は、提示したまでとします」 今回のオーディションは個人製作らしい。決められた予算で、CMを作ることに。つまりは、応募者のセンスが試させられるらしい。(しかし変ね? 形式なら、そんな大がかりにしなくてもいいのに) 予算が出る
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第43話

 その後。春美と幸村は高級ホテルのレストランで食事をする。景色が一望できる窓際側に案内された。 前菜などを食べながら、今回出された審査課題のことについて意見を聞いた。そうしたら、やはり予算についておかしいと言ってくれた。 自分の考えが間違いではないと分かって、少し安心する。「これは、合格させる気がないようにも取れるな。低予算で高クオリティを求めるとは。形式なら、そこまでやるのは変だ」「そうですよね!? やっぱり」「まあ、あの様子なら神崎社長が、何かしら糸をひいている可能性があるだろうな。そうなると、厄介だな。もし星野美優を合格させるつもりなら、それ以上の作品を製作しないと勝ち目がないだろう」 ため息を交じりに言う幸村に春美も頭を抱える。 そうでもなくても、演技は未経験。それに決まった予算となると、かなり限られてくる。「どのようなCMにしたいか、案とかある?」「いえ……まったく。そもそも、どのようにしたらいいのか分かりません」 CMとか、あまり意識してこなかった。何となく流れてきたのを見て、欲しかったら購入していたぐらいだ。春美にとったら、そんな感じだった。「本来のCMは短い時間にインパクトを残すかが重視されている。印象とか、これ何処に売っているのだろう? とか視聴者に思わせるのが大事。例えば」 そう言いながら、分かりやすいように別のCMを例にさせて教えてくれた。幸村は、さすが社長なだけあって詳しい。「そうだな……私が女性だったら、こんなCMだったら欲しくなるだろう」 1つか2つイメージする案を出してくれた。「あ~いいですね。でしたら、こうした方が良くないですか? 私なら気になるかも」 2人で案を詰めていく。幸村は話上手だ。 さり気なく参考になることを言ったりしてくれる。それに否定とかせずに、それに適したアイデアを一緒になって考えてくれた。 楽しい。そのせいか話は弾んでいく。しかし何だか鋭い視線を感じた。 そうしたら、幸村は何かに気づいたようだ。「チラッと右後ろの壁側の方を見て。神崎社長が居る」「えっ?」 春美は驚きながら、恐る恐る言われた方向をチラッと見る。そうしたら、確かに涼介が居た。しかも一人で。 慌てて幸村の方に視線を移した。「これは、どういうことでしょうか?」 どうして彼が1人で、こんなところに居るのだろう
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第44話

「お前・事務所の社長と2人で食事に行くなんて、普通ならありえないぞ!?」 そう言ってきた。それを聞いた瞬間「はっ?」と思った。 自分は星野美優と何度も2人きりで食事とかデートを重ねているのにもかかわらず。「何を言っているか分からないわ。私と幸村社長とは何もないし、お祝いをしてくれただけよ。打ち合わせも兼ねて」「噓を言うな!? だったら、何であんなに嬉しそうに笑っているんだ? あの男が下心を持っているのが分からないのか?」 怒鳴りつけてくるが、まるで涼介自身のことを言っているように聞こえる。その言葉には、春美はカチンとくる。「勝手なことを言わないで。幸村社長は、あなたと違って誠実な人よ。それに、何で居るのよ? 私達をつけてきたの?」「お前が勝手に居なくなっただけではなく、浮気をしているからだ。それを辞めさせるのは、当然だろう」「あなたは、私の元婚約者だよね? だったら、私が誰と会うかなんて、関係ないじゃない」「関係あるだろう。お前は俺の女なんだから」「はっ? なおさら意味が分からない」 どうして別れたのに、自分の女になるのだろうか? 勝手に婚約破棄しておいて、強情にもまだ関係を続けようとしてくる。前世でもそうだった。「いいから離して。何度も言うけど、あなたは星野美優さんが居るでしょう? そんなことしていないで、彼女のところに行ったら?」「言っただろう!? 彼女は恩人だ。大切にするのは当然だろう」 また、これだ。彼女の噓を信じているくせに、それを自分に押し付けようとしてくる。「あなたが、そう思いたいのなら、勝手にそうすればいいじゃない。私まで巻き込まないで」「何だと?」「もう、いいでしょ? 幸村社長が待っているから」 そう言い、手を振り払う。だが、まだ納得が出来ない涼介は、すぐに腕を掴むと壁際に押し込まれた。   嫌がる春美だったが、腕を押さえつけながらキスをしてこようとする。「ちょっと……やめて」「こんなことをするのは、どうせ嫉妬しているからだろう? 俺が美優とばかり一緒に居るから。だったら、もう一度分からせてやる。お前は俺の女だって」「違うったら……離して」 無理やりキスをして、首筋まで移動してくる。必死に抵抗するが、、びくともしない。 こんな場所で行為をしようとする涼介は異常だ。 泣きそうになっていると、それを
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第45話

「これ以上、彼女につきまとうのなら、こちらにも考えがある。警察や弁護士に相談しないといけないだろう。困るのなら今後一切、彼女につきまとうな」 それだけ言うと、幸村は春美を連れて、その場を去った。涼介は悔しさのあまり壁を殴っていたが、追ってこなかった。 そのままレストランから出て、エレベーターに乗り込む。「あの、すみませんでした。ご迷惑をおかけしまして」 2人きりのエレベーターの中で、春美は幸村に頭を下げた。まさか、こんな場所まで追いかけてくるとは思ってもみなかった。星野美優が傍に居たのに。 それに、社長である幸村まで嫌な思いをさせるなんて。すると幸村は、こちらを見るとクスッと笑った。「アレでは別れたいと思っても仕方がない。自分の価値を上げ過ぎて、人の道から外れているのだからね」「えっ? ……はい」 彼の発言に思わず返答してしまった。大いに踏み外しているからだ。そうしたら、思わず春美はフフッと笑ってしまった。「フフッ……確かにそうですね」 そう言うと、幸村はニコッと微笑んだ。「君は笑った方がいいね。笑顔やよく似合う」「えっ?」 幸村の言葉にドキッと心臓が高鳴った。笑顔が似合うなんて男性に言われたことがなかったからだ。 そうしたらエレベーターのドアが開いた。幸村は手を差し出して、「さあ、行こうか? 追いかけてくる前に」 そう言って、春美の手を握ってくるではないか。思わず驚いて何も言えなかったが、手を握られたことは嫌だとは思わなかった。 涼介に腕を掴まれた時は抵抗するぐらいに嫌だったのに。これは、どうしてだろうか? そのままホテルから出ると、車に乗り込む。春美の実家まで送ってくれた。帰り際にメッセージを送っておいたから実家の外で義母が心配そうに待っていた。 車から出ると、義母が「どうだったの?」と聞いてきた。「う~ん。自己紹介は大丈夫だったよ。でも、まだ審査があって。それが良かったら合格なんだ」「そうなの? 色々と難しいのね」 芸能関係の仕事が分からない義母は不思議そうに首を傾げる。そうしたら幸村が車から降りてきた。「こんばんは、娘さんを無事に送り届けました。また迎えに行くことがあると思いますが、よろしくお願いします」「まあ、幸村社長さん。娘が、ありがとうございました。あの~良かったら、お茶でも飲んで行って下さい」「いえ
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第46話

 その後も幸村と何度か話し合いをする。義母のせいで内心ドキドキして目を合わせるのも大変だったが、何とか絵コンテまで作ることが出来た。 場所などで困っていると、顔の広い義父が知り合いの会社に頼んでくれて、一日だけ工場を無料で貸してくれることになった。イベント会社やアパートまで名乗りを上げた。 どうやら義父は、いろんな人から相談を受けることもあって、アドバイスなど力を貸していたらしい。 そのお陰もあり、低コストで撮影がすることが出来た。感謝しかない。 そして2回目のオーディション翌日。 春美は幸村と一緒に会場に乗り込んだ。とりあえず、やれることはやった。 会場では、それぞれ自分が演じた映像を順番に流した。チラッと見ると、星野美優は自信満々な表情をして、こちらを見ていた。 低予算で、大したものは出来ないと思っているのだろう。順番からして、春美が先に見せることになった。 テーマの『自分を美しく魅せる』 映像に春美は、町工場で働く女性。いつも汗水たらして機械をいじったり、重い機材を運んだりしていた。時に上司に怒られて泣くことも。 しかし仕事が終わった彼女は、古いアパートの洗面台で、顔を洗い、身支度を始める。 いつもよりお洒落をして、普段しないメイクをする。その化粧品は、お気に入りのブランド。小汚い恰好ではなくて、とびっきりお洒落をした自分に生まれ変わる。 そして大好きな恋人に会いに行く。これが、自分にとって1番美しく魅せることだ。 映像が終わったら春美は、こう伝えた。「この作品はメッセージ性のあるように意識して作りました。今の世代は女性もバリバリに働きます。それでもお洒落がしたい。お気に入りのメイクをして大好きな人と一緒に過ごしたい。それが自分を一番美しく魅せるのだと。短い時間にギュッと詰め込みました」 それを見た審査員と他の参加者達は思わず拍手を送ってくれた。「なんかいいわね、この作品。自分らしさが出ていて」「お気に入りの化粧品で綺麗になる姿が、よく伝わってきたわ」「こういうCMなら、私も欲しくなっちゃうかも」 思った以上に高評価みたいだ。審査員も眉間にシワを寄せていた。まさか、ここまでやってくるとは思わなかったのかもしれない。 これなら逆転チャンスがあるかも、と春美は期待を寄せる。 しかし、それを見た星野美優は、急に泣き出した。
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第47話

 確かに秘書として働いていたが、出勤に使うICカードは、退職した時に返却。それ以前に一度も行っていない。星野美優が噓をついている。 この様子だと、涼介も知らなかったようで、まんまと彼女に騙されているようだ。「だったら、会社の監視カメラでも何でも調べてみなさいよ!? 私は、辞めてから一度も行っていないから記録に残っていないはずよ」「そんなの調べなくても明白だろう。お前は美優に嫉妬している。純粋な美優が噓なんて、つくはずもない」 彼女のことを信じ切っている涼介は監視カメラを確認する気はないようだ。 そうしたら星野美優は、また泣きながら春美を見る。「加賀野さん。もう辞めようよ……美優が悪かったの。加賀野さんを追い出す形になっちゃったから恨んで、盗んだのよね? それに美優……知っているの。このオーディションだって、本当は形式だけで加賀野さんが合格することになっていること」「えっ?」「そこまでして美優を陥れようとするなんて思わなかった。芸能界まで入って、悪行を染めてまでやらなくても……美優が辞めるから。だから……許して」 涙をポタポタと流しながら、床に肘をつけて泣いてきた。これには、さすがに周りも星野美優の方に同情がいく。「酷い……そこまでして星野さんを恨むなんて」「彼女が可哀想。そんな奴が芸能界なんかに居てほしくない」「ここまで追い込む必要があるの? 盗作までするなんて、こんなの不合格よ」「形式って……私達まで利用しようとしたの? 最低」 立場が一気に逆転した。これでは、浮気の件で、逆恨みをして星野美優に八つ当たりのように嫌がらせをしたことになってしまう。 最初だけでもイメージが悪いのに。それに、形式オーディションも、このために用意をしたの? 多分だが形式オーディションは涼介がやり、盗作呼ばわりは星野美優が絡んでいるのだろう。それとも全て星野美優の策略?(どうしよう……これでは、何を言っても言い訳に聞こえる) 自分がやっていないと言っても、その証拠が無い。涼介が監視カメラを確かめてくれないと分からない状況。 それに形式オーディションがあったのも事実。事務所は関係ないと証明しないと。 その時だった。口を開いたのは幸村だった。「おや? おかしいね~色々と矛盾が生まれている」「……幸村社長?」 幸村は、春美の横まで歩いて行く。「ま
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第48話

「それに、これを考えたのは私。でも、君は加賀野さんが盗んだと言っている。証拠の監視カメラで調べられるのに、それすら拒否。と、ういうことは、確かな証拠がない。それなのに、彼女の言葉だけで判断するのは、いささかおかしくないか? そこまで言うのなら、きちんと証拠をあげているのが筋ってものだ」「……分かった。監視カメラを調べればいいのだろう」 冷静沈着な幸村の発言にムキになった涼介は会社に電話をかけようとする。しかし、それを止めたのは星野美優だった。これ以上調べられたら一巻の終わり。「待って。もういいよ。そこまでしなくても」「だって……」「美優が悪かったの。それでいいじゃない? 美優が全ての責任を取って、今回のオーディションは辞退するから。そうすれば……皆の気が済むでしょ? いいの。美憂は、こういうこと慣れているから」 目尻に涙を溜めながら、今にも泣きそうな表情をする星野美優。さすが女優。こういう演技は得意のようだ。 これでは被害者相手に責任を取らせたように見えてしまう。「可哀想」と同情を買ってしまったら、それを責めた人が悪者扱いされる。非道な人間だと。 周りは、同情な目を向けてきた。「……美優。そんなことを言うなよ。お前は悪くないのに」「もういいの。美優が全て悪い。昔からそう言われ、施設で育ってきたし。それで加賀野さんの気が済むのなら、美優は我慢する」 そう言いながら春美の方を見る。「……加賀野さん。ごめんなさい。美優は辞退するね」 また、その手で行くのか。しかし、春美もそれに黙っていなかった。これに流されたら、また前世のようになる。「辞退するのは構わないけど。せっかくなら、あなたのCM映像を見てみたいわ。それからでも遅くはないわ」「はっ? 春美……お前、こんな時でも、非道なことを言うのか!? 美優が傷ついているのに」 春美の発言に怒鳴りつける涼介は、非道扱いしてくる。「誰も非道なことは言っていないわ。それに、せっかく製作したのでしょ? だったら皆の前で披露して、どちらか素晴らしいか平等に、はっきりさせた方がいいじゃない? このままだと私に濡れ衣を着せたみたいで気分が悪いわ」「そうだね。このままだと不平等だ。私達の誤解を解くためにも公平に見よう」 春美をだけではなく、幸村もはっきりとそう言ってくれた。それには、周りが納得する。「え
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第49話

 そう。星野美優は、下働きみたいな仕事はやりたがらないで有名。あれだけ、やりたくないと涼介に泣きついて変更させてきた。 スタッフや共演者の噂などは広まりやすいから、こういう時に裏目に出たりする。 春美も、そこを把握しているから言えたのだ。「こんなに華やかで派手なことが好きなあなたが、私みたいな地味なCMを撮るとは初耳だわ。私が秘書をやっていた時も散々嫌がっていたのに。それに、私のところは、かなり予算が削られたわ。周りの協力のお陰で無料貸し出してくれたから何とかなったけど。これについて審査員に異議申し立てるわ。これは不公平じゃないの?」 そう言いながら畳み掛けるように言った。審査員達が真っ青な表情になる。「それは……」 その表情に幸村は、見逃さなかった。「それの証拠はここにあるよ。契約書だ。これらを含めて、弁護士と警察の相談させてもらう」「あの……それだけは」「だって、ここまで騒ぎになったのなら仕方がないだろう? こちらも低予算で苦労して撮影したのに、盗作呼ばわりされて迷惑した。名誉毀損として訴えることになるだろう。暴言も吐かれたし。そうなると、監視カメラと、契約の仕方について詳しく聞くことになるが……?」 ニコッと微笑む幸村を見て、審査員達は震え上がる。「も、申し訳ありませんでした。これは……」「もう、やめて!」 その言葉を遮ったのは星野美優だった。「うえ~ん。だって~似ていたんだもん。だから間違えただけなのに。美優……ワザとじゃないのに」 ポタポタと子供のように泣いて、外に飛び出してしまった。 一体、何に対して間違えたのだろうか? その説明もなく、ただ誤解だと言って、逃げ出してしまうとは。「そ、そうだ。美優はワザとではなかったんだ!? そんな小さな誤解で、そこまでやることはないだろう? お前はどうして、そこまで心が狭いんだ!?」 焦って逆ギレしてくる涼介を見て、春美は「はっ?」と思った。「私の心が狭い? 悪気がなかったら人の作品を盗んだとか、平気で噓をついてもいいってこと? それに対して謝罪もないのは、どういうことよ?」「……ぐっ……」「あんたの事務所にも捜査の対象になると思うわ。監視カメラのことで」 何も言い返せなくなった涼介は、そのまま星野美優を追いかけて外に出て行ってしまった。周りは、シーンと静まり返る。逃げたっ
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第50話

「何を言っているんだ!?」「……もう、いいの。美優は、そういう地球のもとで生まれたんだよ。結局は1人ぽっち。誰も愛してくれないの。何で……いつも上手くやれないのだろう? バカだからかな?」 星野美優は目尻に涙を流しながら、、悲劇のヒロインのように訴えかけた。それは涼介の胸にえぐる。 大切な恩人だった彼女を深く傷つけるなんて。 確かに、彼女は人に誤解されやすい。純粋で思ったことをつい口に出してしまうからだ。(俺は……なんてことを。美優が誤解されやすいと知っておきながら疑うなんて) ギュッと彼女を抱き締める。「……ごめん、美優。俺が間違っていた」「……美優こそ、ごめんなさい。ちゃんと確かめずに言ったから。加賀野さんにも悪いことしちゃった。ちゃんと謝りたかったな」「……それは」 あれだけ怒らしてしまった。謝罪したところで受け入れるとは思えない。(春美のことに対しても、もし誤解だったとしたら……) 涼介の胸がチクリと痛み、後悔する。「涼介さん。このままだと、美優……後悔する。最後に謝る機会がほしい」「そんなことを言うな。ちゃんと謝る機会を作ってやる」「本当? 嬉しい……なら、お願いがあるの」 星野美優は目を潤ませながら何かを伝える。その内容に涼介は目を大きく見開いた。「そんな役を……彼女に!?」「ええ、そんな大役を彼女のために用意したと分かれば、考え直してくれると思うの。私も謝る機会がもらえるし、丁度いいと思って」 しかし、涼介の顔は渋る。ドラマでは重要な役。素人の春美が務まるわけがないと思ったからだ。「そんな……大役。彼女には無理だろう?」「ううん、そんなことないわ。加賀野さんなら、きっとやってくれるはず。美優は彼女を信じるわ。それに美優のせいで、傷つけちゃったし、どうしてもお詫びがしたいの」「……美優。君は、どれだけ優しいんだ。分かった。そうしよう」 涼介は、星野美優が親切で役を用意したいのだと勘違いする。 彼女はそれを聞いた瞬間、心の中でニヤリと笑う。(そうだ。優しい美優が謝罪出来る場が必要だ。誤解だと分かれば和解が出来る。それに、彼女の将来のためにも春美の芸能界進出は阻止しないと。失敗してくれた方が丁度いい) 涼介は焦っていた。これ以上、春美を芸能界でやらせておくのは危険だ。星野美優が危害を加えることもだが、なに
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