テレビ局で行われたアカデミー賞。 そこで1人の女優が出演女優賞など総なめした。名前は加賀野春美(かがの はる)。美しい容姿とモデルでもあった抜群のスタイルは多くの女性の憧れの的になった。 司会者は「この受賞の喜びを誰に伝えますか?」と聞いた。「そうですね。ファンの皆様、関係者の皆様など多く人に支えられてきましたが、一番の伝えたいのは家族です。事務所の社長である夫・幸村と、まだ産まれて1歳の可愛い娘に、感謝と喜びを伝えたいと思います」 笑顔でトロフィーを持って、そう答えた。周りの大きな拍手が鳴り止まない。 実に短いようで長かった。あの惨劇から、春美は輝かしい幸せを手に入れた。(たしか刑務所にテレビがあると聞いたけど、あの二人は見てくれたのかしら?) 自分を陥れようとした元婚約者とその愛人……いや義理の妹。全て取り返したことで、彼らは刑務所で入ることになった。泣いて謝罪されたが、もう遅い。 だって……これは死から返り咲いた復讐なのだから。 それは加賀野春美が22歳の頃だった。 東京にあるタワーマンション。寝室のベッドの上では、男女が激しく絡み合う。 乱れて生々しいシーツ。散乱した服と捨てたティッシュの山。 荒い息を整えながら神崎涼介(かんざき りょうすけ)がベッドから降りると、こう告げられた。「美優が帰国する。俺達の関係は終わりだ」「……えっ?」 驚いて目を大きく開いたのは加賀野春美(かがの はるみ)。 黒色のストレートロング。長い手足とモデルのような体型と百七十センチの高身長を持った美女だ。 しかし、そんな彼女に追い打ちをかける彼こそが、大手芸能プロダクションの社長。 黒髪とキリッとした眉と二重目が印象的。端正な顔立ちから、周りに『イケメン社長』と言われて、女性からの人気が高かった。「どうして? あなたは、私の婚約者なのに!?」「はっ? 勘違いをするな。お前は、彼女の身代わりに過ぎない。言ったはずだ。戻ってくるまでは婚約者になってやると」 確かに……彼はそう言っていたが。 涼介の出会いはお見合いだった。 春美は赤ん坊の頃に施設の捨てられた孤児。幼い頃はそこも施設で育ってきた。 しかし、子供がデキなかった加賀野の義両親に七歳の頃に引き取られた。義両親は、2人とも優しい人達で本当の娘のように可愛がってくれた。 義父・加賀
Last Updated : 2025-10-05 Read more