All Chapters of 残り火 After Stage ―未来への灯火―: Chapter 161 - Chapter 170

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ドキドキハラハラのハロウィンナイト⑦

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.*・゚ ボーっとしていたら、玄関の引き戸の音が聞こえてきた。 千秋を出迎えようと、居間に続く扉の前にスタンバっていた。お帰りと言いながら、いつも抱きしめていたから。 いつも勢いよく開く扉が何故だかゆっくりといった感じで開き、可愛らしい格好をした女のコが顔を覗かせる。「た、ただいま……」 その声で千秋だと分かったのだが、ドストライクすぎるその容姿に声はおろか、何もすることが出来ないくらいに力が抜けてしまった。 肩のラインよりも少しだけ長い綺麗な黒髪の上に、ウサギの耳のような紺色のリボンが、可愛らしくひょこひょこと揺れていて、見慣れているはずの顔でさえ別人に見えてしまう理由は、くちびるに淡い桜色がついているせいだろうか。 肌の色が白いからやけにそれが映えて見えて、いつも以上に大きな瞳が潤んでいるように感じた。 小さい頃に読んだ不思議の国のアリスのような格好は、千秋にすごく似合っているせいで、今すぐにでも食べてしまいたい衝動に駆られた。勝手に、千秋アンテナが勃ってしまう始末。「ぁ、あのぅ。ただいま、です」「…………」「とっトリックオアトリート! お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうかも!!」 肩を竦めて、くちびるに人差し指を当てながらてウインクをする千秋がとても色っぽく見えるせいで、無性にドキドキが止らない。俺を悶え殺す気なんだろうか。「もう、驚かせようと思ってせっかく頑張ったのに、リアクションが全然ないのは辛いですよ。穂高さ――」(ああ、なるほどな。ハロウィンの仮装で、わざわざこの格好をしてくれたのか) 俺をビックリさせるべくハロウィンの仮装をした千秋のことを、改めて頭の先から足の先をまじまじと見つめたら、腰に手を当てて、ふわりと短いスカートを揺らし、いつもより可愛らしさが増したくちびるを尖らせながら、上目遣いで見上げてくる。 どうしよう……見ているだけで、堪らなくなってくる。どこから、手を出してあげようか――。 口が開く前に、自動的に両腕が動きかけたときだった。「穂高さん……。鼻血が出てます」 さっきまで怒っていた千秋が、唖然とした顔をして俺に指を差してきたので、鼻の下を手の甲で拭ってみる。 卑猥なことを、アレコレと一気に考えてしまったからだろうか
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ドキドキハラハラのハロウィンナイト⑧

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ 情けないことにさっきまで、千秋の膝の上でお世話になっていた。 可憐な女装姿を目の当たりにしたせいか無駄に興奮したため、鼻血がなかなか止まらずにいた俺を介抱すべく、額に冷えピタを貼り付けられ、片鼻にティッシュを突っ込んだ状態で、膝枕をしてもらったんだ。 あ、一応補足しておくが、膝枕を強請ったわけではない。千秋自ら「ここに頭を乗せてください」って提案してきたから、それに従ったまでなので、あしからず!「大丈夫? 穂高さん。なかなか鼻血が止まりませんね。ティッシュ変えますよ」 こんな風に介抱されたら、止まるものも止まらないだろう。たまにしてもらえる、膝枕の高級版といったところか。 下から見上げる千秋の姿はこれまた違う愛らしさがあって、胸がドキドキしてしまう。鼻血さえ出ていなければ、お腹に顔を押しつけて、ぎゅっとしてしまうだろうな。(それが出来ないならば、せめてお尻くらい触っても……)「穂高さんの鼻血、どうして止まらないんだろう。もしかして、病気だったりして……」 その声に動きかけた右手に拳を作って、そっと元に戻した。 こんなことをしたら余計に鼻血が止まらないだろうから、もっと心配させてしまう……。我慢せねば。「千秋、済まない。せっかく俺を喜ばせようとそんな可愛い恰好をしてくれたのに、こんなことになってしまって」 思った以上に沈んだ声で告げてしまった言葉を聞き、一瞬だけ微妙な表情を浮かべた千秋だったが、口元に手をやり、すぐさま微笑みかけてきた。 いつもはしない、その女性らしい仕草に思わず目を奪われてしまう。「まさか穂高さんが鼻血を出すなんて、思いもしませんでしたよ。そんなに、この格好が良かったですか?」「ん……。ばっちりとしか言えないな。しかも格好だけじゃなく、所々に女性らしさを感じる。いつの間に、そんな仕草を習得したんだい?」 四六時中いたわけじゃないが一緒に暮らしていて、全然そんな素振りを見せなかったと思う。千秋は、いつも通りの千秋だった。「種明かしをしちゃうと本当はこの格好じゃなく、ドラキュラ伯爵の衣装を注文していたんですよ。それなのに届いたのがこの衣装だったので、どうしようってなっちゃって……」「へぇ、そうだったのか」「仕方なく女装をすることに
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ドキドキハラハラのハロウィンナイト⑨

✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ 穂高さんは嬉しそうな表情をしながら、両手をテーブルに向かって合わせた。「ご馳走様でした。千秋が食べさせてくれたお陰で、とても美味しく戴くことが出来た」「それは良かったです」「お礼に、俺が食べさせてあげよう。こっちを向いてごらん」 自分で食べようとテーブルに向き合った途端に、告げられてしまった言葉。これって――。「いえいえ、とんでもない! 穂高さんには晩ご飯を作ってもらっただけじゃなく、俺のせいで鼻血が止まらなくなったりして、お疲れでしょうから。自分のことは自分でしますので」 用意されていたスプーンを手にしようとしたら、脱兎のごとくそれを奪い取る。「穂高さん……っ!」 声を荒げて呼んだのに、しれっとした顔をして胡坐をかき、左手でここに座れとジェスチャーしてきた。俺の気持ちをスルーする技に、いつものごとくなす術がない。(お休みだった今日一日、一緒にいられなかったストレスが、こういう弊害で表れるとは――) 仕方なくスカートの裾を押さえながら、横向きに座ってあげる。この方が、食べさせやすいよね。 観念して座った俺の頭を撫でてから、持っていたスプーンで炒飯を掬ったけれど。「ああ、そうか……」 ひとりで何かを納得して掬ったものを半分の量にしてから、俺の口に運んできた。「今の千秋は、可愛い女のコだからね。いつもより、一口が小さいだろう?」 俺としてはいつも通り食べようと思っていたのに、こういう細やかな気遣いが穂高さんらしくて、呆れ果てるやら尊敬するやら……。「ありがとうございます」 両端の髪の毛を両手で押さえながら、スプーンにぱくっとかぶりついてみた。冷めていても美味しい穂高さんが作ってくれた炒飯に、自然と頬が緩んでしまう。「とっても美味しいです、穂高さん」 口の中のものを飲み込んでから満面の笑みを浮かべて告げると、辛そうな顔をして眉根を寄せた。「……ぃ」 ぼそっと告げられた台詞は、はっきりと聞こえたものじゃなかったけれど、なんとなく想像ついてしまった。だから――。「わ、わたしを食べるのは、食後にしなきゃ。途中でお腹が空いちゃうでしょ?」 自分の身体を両手で抱きしめて、上目遣いで見つめながら告げてみせたら、瞬く間に真っ赤になる穂高さんの頬。もしかし
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ドキドキハラハラのハロウィンナイト⑩

✽.。.:*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ ✽.。.*・゚ 途中から落ち着いていられなかった。目をぎらつかせた穂高さんが、食事が終わった途端に襲ってくると思ったから。 洗い物をきちんと片付けないとメイドの仕事が終わらないということを口走り、食べ終わった瞬間に食器を手にして、逃げるようにその場を離れた。 お陰で襲われることなく、食器を洗うことが出来ているけれど――背後で静かにしている穂高さんのことも、若干気になるな……。 ガサガサという紙が擦れるような謎の音を聞きながら、泡まみれの食器をお湯で丁寧に流していった。 お皿があと二枚で洗い物が終わるというときに、背中に感じた軽い衝撃とぬくもり。「千秋、待ちくたびれた」「もうすぐ終わりますよ。ほら」 両手にお皿を持って見せたら、急かすように穂高さんの二の腕が身体に巻きついてくる。「トリックオアトリート!!」 愛おしそうに頬擦りしながら告げられた低音ボイスが、柔らかく耳に沁み込んできた。「洗い物を頑張った千秋には、甘いお菓子をプレゼントしよう。受け取ってくれ」 まだ終わっていないというのに強引に顔を近づけてきて、くちびるを重ねる。間を置かずに滑り込んできた、丸くて甘いものは――。「んんっ! これって、マスカット味のチョコレート!?」「ふっ。千秋にトリックオアトリートって言われたとき用に、こっそりと準備しておいたんだ。いたずら回避のために、ね」 両想いになってから穂高さんの家に行くことが増えたときに、一緒に食べた思い出のチョコレートだったりする。当時は穂高さんがホストの仕事を始めた関係で、すっごく不安になりながら食べたけど、今は純粋に幸せを感じつつ食べることが出来るな。「ありがとう、穂高さん。久しぶりに食べたせいか、すごく美味しいです」 お皿洗いもあと一枚。早く終わらせてあげないと――。 そう考えて手早く泡を流そうとしたら、しゅるしゅるという衣擦れの音がすぐ傍でした。「……穂高さん、俺の仕事はまだ終わってませんよ」「まるで、プレゼントについたリボンを解く気分だな」 言いながら、ひらひらエプロンの紐を勝手に解いていくなんて。 俺が逃げられないのをいいことに、ハアハア息を荒くして左手をスカートの中に入り込ませてきた。右手はファスナーをゆっくりと下していく。 指先が
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ふたりきりのクリスマスナイト

11月中旬、シベリアからの寒気の影響で海が大時化となり、漁の仕事が3日ぶりに休みとなったので千秋を抱くことが出来た。本当は毎日だって抱きたいというのに、それを許さない自分の仕事がたまに憎らしく思えるときがある。 しかし夏場に比べたら冬は悪天候が多いので、暖をとりながら千秋とイチャイチャ出来るのが嬉しい。 その反面、実はヤバいと思うこともあり――最近の千秋の色気が、半端ないのである。 ハロウィンで女装してからだろうか。ふとした表情が、えらく垂涎ものでゾクッとさせられ、それだけでイカされるなんて……。 しかもHする前にたまーに桜色のリップを付けているときがあり、可愛いその姿を見せつけて、見事に俺を翻弄する。 流し目しながら艶のあるくちびるで、「穂高さん、まだー?」 なぁんて言われただけで、すぐに達せる自信がある!(今日はギリギリ、千秋をドライでイカせてからイったけど、だんだんと俺自身の余裕が削がれている) こんなに抱き合っていれば、倦怠期みたいなものが来てもおかしくない。バリエーションがあるとはいえ、結局ヤることは同じ。なのに飽きが来ないのは、千秋がいろんな表情を魅せてくれるから――。 隣で静かに寝息を立てている愛おしいぬくもりに、視線を飛ばす。 俺の方を向いて横になり、肩までしっかりと布団に包まれている様は可愛くて仕方がない。出来ることなら、手を出したいくらいだ。 現在、どうやったらウエットでイカせられるのか研究中だからこそ、いろんなことに励んでしまったせいで、疲れきってしまった千秋は死んだように寝ているのである。 三回戦後、浴室に移動してからも、外の嵐を理由に盛大にヤってしまった。 快感を引きずったままでいる千秋の身体を抱き寄せて、立ったまま後ろから秘部にゆっくりと、指を何本か挿れただけだったのに――。「ぅあっ! いきなりっ…ぬ、抜いて! んっ、だめぇっ」 ローションや俺のでぬるぬるになっているそこは、滑りが大変よろしいので、その感覚を確かめるようになぞってあげた。「やめっ……なか、をそんなにっ…擦らない、でっ」「どうしてだい? こんなに感じているというのに」 目の前にある壁に両手をつき、息を切らす千秋の耳元にくちびるを寄せて笑いながら告げてみる。反対の手は喉元に触れながら、なめらかな肌を堪能するように、敏感な部分へと下ろし
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ふたりきりのクリスマスナイト②

*** よくよく考えたら俺は千秋に、食べ物ばかりをあげている。美味しそうに甘味物を食べる、可愛らしい千秋を見ているだけで、食べたくなってしまうせいだが――。 顎に手を当てながら、スマホで検索している商品に視線を落とした。現在、漁の休憩中。揺れる船の中で、何を贈ろうか検討していた。「難しい顔しながら、なぁに鼻の下伸ばしとるんじゃ? どーせおめぇのことだ、おとーとのことでも考えていたんだべ?」 タバコを咥えた船長がずばりと指摘してきたので、一応顔を引き締め、にっこりと微笑んでみせた。果たして、誤魔化しの笑みになっているであろうか。「さすがは船長。俺の顔を見ただけで当ててしまうとは」「なぁに言っとるんだか。褒めても、何もやらんからな」 ガハハと豪快に笑いながら美味しそうにタバコを吸い、ふわりと煙を燻らす。こういう姿を見ると、無性にタバコが吸いたくなってしまうときがあった。「それよか、さっきから携帯いじって、調べ物か?」「はい。千秋に贈るクリスマスプレゼントは、何がいいかと思いまして」「そんなに迷うことでもないべ。井上から貰ったものなら、どんなものでも喜ぶだろうさ」「……いい加減なこと、俺はできません」 ばこんっ!! 言った途端に、頭をぱーで叩いてきた。容赦しない人だから、痛いの何の……。「アホんだら! おめぇがおとーとから、そこらへんに落ちてるゴミを手渡されても、喜んで受け取るだろうよ」「ゴミはさすがに、ちょっと……」「それでも、受け取るじゃろ?」 船内に響き渡る様に怒鳴られ、慌ててこくこくと頷く。「好きなヤツから貰える物は、どんなものでも嬉しいもんじゃ。難しく考えるだけ無駄だべや」 そんなことを言ったのに、15分ほど休憩時間を伸ばしてくれた船長。お蔭で迷いが吹っ切れて、気軽にとある商品をポチッてしまった。 果たして当日、うまく渡せるであろうか。それだけが心配だったりする。
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ふたりきりのクリスマスナイト③

*** 職場で仕事をしながらちょっとだけ咳払いをしたら、隣の席のおじさんに顔を覗き込まれてしまった。「紺野くん、いつもより顔が赤いけど大丈夫? 今の咳も、風邪からくるものかもよ?」 年末を控えた忙しい時期。誰かが風邪を引いて、他の職員さんにうつしたら大変なことになるのが容易に想像ついたので、早退させてもらうことにした。(朝から少しだけ喉が腫れていたから、それ用の飴を舐めて、すぐに治したんだけどな) お先に失礼しますと大きな声で告げて、事務所を出た足で診療所に行き、風邪薬を貰って自宅に帰って来たんだけど――。「…………」「…………」 目の前の状況を、なんて説明すればいいのか――昼間のこの時間帯、いつもなら穂高さんが寝ている頃だと思ったので、なるべく静かに家の中に入ったのは当然の行動だった。 そう――物音を立てなかったからこそ、耳にはっきりと聞こえてしまった。『はっ……ぁあ、ンンっ』 聞き覚えのある艶っぽい声に、心臓がバクバクする。(――もしかして、穂高さんが誰かと浮気しているのか!?) 恐るおそる扉を静かに開けてみた瞬間、俺の目に映ったものは、寝室でベッドに腰かけて自慰をしている、愛しい恋人の姿だった。「……ち、千秋っ!?」「ぁ、あわわ……」 目が合ったときはお互い状況が飲み込めず、声を出すことができなかったけれど、把握した途端にふたりして赤面するしかなかったのである。
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ふたりきりのクリスマスナイト④

耳まで真っ赤になった穂高さんに対し、俺はマスクを装着しているので、困惑しながら赤くなっている顔を見られることはないのだけれど。 ――見つめる視線の先は、どうにも隠せない……。 そんな俺の視線に気がつき、足元にあった下着と一緒にスエットのズボンを慌てて履いた穂高さん。しかし大きくなっているモノは、ズボンを履いても隠せるわけがない。「参ったな――」(俺も参ってます。まさか穂高さんが、こんなことをしているなんて) 途方に暮れて立ち尽くす背中を向けた彼に、何て声をかけたらいいんだろう。 見られた側は恥ずかしいものがあるだろうし、見ちゃった方は見てはいけないモノを見てしまった罪悪感に近い感情があって、どうにも居たたまれないんだ。 それにお互い、仕事の関係ですれ違っているから、溜まってしまうのも分かるだけに、何やってるんだよなんていう文句は言えない。「……千秋。そのマスク姿は風邪引いて、早退してきたのかい?」 顔だけ動かしてちょっとだけ振り返り、俺をチラッと見る。恥ずかしさの中に心配しているような感じが、声色から伝わってきた。「ぅ、うん。軽いうちに治した方がいいって、職場のおじさんに言われてしまったんです。診療所に寄って、風邪薬を貰って来ました」
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ふたりきりのクリスマスナイト⑤

(そして願うことなら穂高さんがイった後に、帰ってきたかった……) どうして、このタイミングで帰ってきちゃったんだろ。俺ってば、超最悪じゃないか――。 無言のまま、肩を落としながら着ていたコートを脱ぎ、ハンガーにかける。その間も穂高さんは動かずに、じっと俺の様子を窺っていた。「熱は?」「微熱程度なんですけど喉が少し腫れているから、もしかすると上がるかもしれないって、周防先生に言われました」 手早くネクタイを外して、上着と一緒にハンガーにかけて穂高さんを見たら、俺の視線をすっと避けて、何もないあらぬ方向を見る。 この態度はさっきのことを、間違いなく気にしているよね。本当にタイミングが悪かったとしか言いようがない。「熱が上がらないように、精のつくものを食べないといけないね。買い物に行ってくる」 俺の後ろを素早く通り過ぎようとしたところを引き止めるべく、左腕にぎゅっと縋りついた。「待って、……行かないで!」「千秋?」「そのまま、行かせるわけにはいかないよ」 言いながら俯き、チラチラと穂高さんの下半身に視線を送る。「うっ、ほ、放っておけば、何とかなるから大丈夫だ。千秋は早く、横にならなければ。ほら」 心底バツの悪そうな顔して、掴んだ俺の手を外しにかかった。
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ふたりきりのクリスマスナイト⑥

「変なワガママ言わないでくれ。千秋は病人なんだから、大人しく――」「穂高さんの下半身が大人しくならないと、安心して寝ていられないよ!」 簡単に外されてしまった両手を握りしめ、じろりと上目遣いで穂高さんの顔を睨んでみせた。「さすがに、病人には手を出せない。早く直さないと千秋の職場に迷惑がかかるわけだし、それくらいの配慮はするさ」 たじたじしながら告げられる言葉は、まったくもって正論なんだけど、俺の気持ちがどうしてもそれを許さない。 だって恋人が目の前であんなことをしているのを見て、何もせずにそのまま、買い物に行かせられるわけがない。(――病人だって、できることはあるんだからな!) マスクを顎の下に移動させながら、穂高さんの目の前にぴったりと立ち塞がり、意味ありげにゆっくりと首を動かして横を向いてみた。 つられるように、俺の視線の先を追った彼をちゃっかりと横目で確認してから、音を出さないようにしゃがみ込む。 ただしゃがむだけじゃなく、両手で素早くスエットを掴み、下着ごと一気に引き下ろしてやった。「ゲッ!!」 大きくなったアレが一瞬引っかかって、その衝撃に穂高さんが顔を歪ませたけど、ごめんねすべく先端をぱくっと咥えて、舌を絡めてあげる。 ちゅっちゅと音をたてて軽く吸ってから、裏筋を包み込むように舌をあてがって、上下に大きくスライドした。
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