✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.*・゚ ボーっとしていたら、玄関の引き戸の音が聞こえてきた。 千秋を出迎えようと、居間に続く扉の前にスタンバっていた。お帰りと言いながら、いつも抱きしめていたから。 いつも勢いよく開く扉が何故だかゆっくりといった感じで開き、可愛らしい格好をした女のコが顔を覗かせる。「た、ただいま……」 その声で千秋だと分かったのだが、ドストライクすぎるその容姿に声はおろか、何もすることが出来ないくらいに力が抜けてしまった。 肩のラインよりも少しだけ長い綺麗な黒髪の上に、ウサギの耳のような紺色のリボンが、可愛らしくひょこひょこと揺れていて、見慣れているはずの顔でさえ別人に見えてしまう理由は、くちびるに淡い桜色がついているせいだろうか。 肌の色が白いからやけにそれが映えて見えて、いつも以上に大きな瞳が潤んでいるように感じた。 小さい頃に読んだ不思議の国のアリスのような格好は、千秋にすごく似合っているせいで、今すぐにでも食べてしまいたい衝動に駆られた。勝手に、千秋アンテナが勃ってしまう始末。「ぁ、あのぅ。ただいま、です」「…………」「とっトリックオアトリート! お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうかも!!」 肩を竦めて、くちびるに人差し指を当てながらてウインクをする千秋がとても色っぽく見えるせいで、無性にドキドキが止らない。俺を悶え殺す気なんだろうか。「もう、驚かせようと思ってせっかく頑張ったのに、リアクションが全然ないのは辛いですよ。穂高さ――」(ああ、なるほどな。ハロウィンの仮装で、わざわざこの格好をしてくれたのか) 俺をビックリさせるべくハロウィンの仮装をした千秋のことを、改めて頭の先から足の先をまじまじと見つめたら、腰に手を当てて、ふわりと短いスカートを揺らし、いつもより可愛らしさが増したくちびるを尖らせながら、上目遣いで見上げてくる。 どうしよう……見ているだけで、堪らなくなってくる。どこから、手を出してあげようか――。 口が開く前に、自動的に両腕が動きかけたときだった。「穂高さん……。鼻血が出てます」 さっきまで怒っていた千秋が、唖然とした顔をして俺に指を差してきたので、鼻の下を手の甲で拭ってみる。 卑猥なことを、アレコレと一気に考えてしまったからだろうか
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