All Chapters of 残り火 After Stage ―未来への灯火―: Chapter 181 - Chapter 190

212 Chapters

ふたりきりのクリスマスナイト⑰

*** 千秋の肌が映える色はピンク色と濃い目の青色のどちらだろうかと、仕事の休憩時間中に悩んだ甲斐があった。 船長の鶴の一声のお陰で、あのときポチッとしたのだが――。 セットになっていたパンティが、まさかあんな物だとは知らなかった。なのでTバックの三角の布地の大きさについて、千秋のモノは大丈夫と発言したのは、真っ赤なデタラメなのである。 キャミソールのデザインと色だけを見ていたせいで確認を怠ってしまった手前、無理強いしてまで着せられないと思ったのに、恥じらいながらも着れくれることになったのは嬉しい。(はみ出たらそれはそれで、お触りしやすいだけだしね。ふっ……) 時間がかかると言われたので、ホットワインのお代わりを作るべく、いそいそと台所に立つ。 作りながら、ちょっとしたアイディアを思いついた。自分用と千秋用のホットワインを二種類作って一緒に乾杯し、したたかに酔わせる作戦! 酔った千秋は、際限なくHになる。しかもあの格好でだ! 胸と股間が高鳴ってしまうじゃないか。 作っている最中に現れたら困るので、先に千秋用のを作った。 鍋にかけたホットワインにたらりと蜂蜜を垂らして、彼が呑みやすいように甘めに調整。ワインに混ぜた100%のオレンジジュースの酸味が、湯気と一緒にふわりと鼻に香る。 あまり火にかけるとアルコール分が飛ぶので、ほどほどにせねば。 そんな繊細ともいえる微調整をして次に自分用のを作り、それぞれをお揃いのマグカップに注いでおいた。 「これで準備よし。時間的には、そろそろなんだが」 台所から両手にマグカップを持って移動したら、居間の扉が音を立ててゆっくり開く。「あっ」「ん……。可愛いサンタの登場だね」 目があった途端に、着ている衣装と同じ色になった真っ赤な頬。今すぐに食べてしまいたい、衝動に駆られた。 テーブルにマグカップを置き、恥ずかしそうに居間に入ってきた千秋の手を取る。頭の先から足先まで、しっかりと眺め倒してから。「これは真っ直ぐに被るよりも、ちょっとだけ斜めの方がいいかな」 千秋の頭にあった帽子を手にして、言葉通りにセットしてあげた。
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ふたりきりのクリスマスナイト⑱

(スタイル抜群の、可愛いサンタが舞い降りた)「アリスの衣装のときよりも、スカートが短いせいと中身がアレなので、すっごくスカスカしてます」 スカートの裾を両手で引っ張り、恥ずかしそうに膝頭を擦り合わせて赤面する千秋。「その格好じゃ冷えるだろうと考えて、千秋用のホットワインを作っておいたよ」 細身の肩を抱き寄せてテーブル前に誘い、その場に座らせてから、くっつくように隣に座り込む。「さぁ呑んでごらん。きっと温まる」 横目でちらっと見、その手にマグカップを握らせてやった。 ちょこんと正座をして座るのはいいが、思いっきり太ももが露わになっているので、正直目のやり場に困ってしまう。「ワインの香りとオレンジの香りが漂って、すごく美味しそう。いただきます」 口をつけたのを確認後、俺も自分用のマグカップを手に取り、千秋と同じように香りを堪能してから呑んでみる。「ほどよく甘いから、ぐびぐび呑めちゃいそうですね。これは危ないお酒だなぁ」 ちょっとだけ上目遣いして、何か企んでいるでしょうという表情をありありと浮かべた。 やはり長く一緒にいると、作戦を読まれてしまうのか――。「温めて、アルコール分を飛ばしてあるから大丈夫。俺のせいで風邪を引かせたら、職場に迷惑をかけてしまうからね」 アルコール分をキープしながら温めたのは、内緒にせねば。「それよりも千秋、今年島で作ったチーズが観光客に売れたそうで、試しに買ってみたんだ。食べてごらん」 これ以上のツッコミを避けるべく話題を変えて、切り分けてあったモッツアレラチーズを爪楊枝で刺し、千秋の口元にもっていった。「島の特産になるといいですね。はむっ」 差し出したチーズにかぶりついた姿は、ほわぁんと色気が漂っていて、ごくりと喉を鳴らしてしまうレベルだ。
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ふたりきりのクリスマスナイト⑲

「ん~っ、すっごく美味しいです!! 穂高さんも食べてみてください」 千秋の可愛らしさに目を奪われ、固まったままでいた俺の手から素早く爪楊枝を取り上げると、テーブルにあるチーズ目がけて突き刺し、早く食べろと言わんばかりに、ぐいぐいっとそれを口先に押しつけてきた。(普段以上に強引な千秋、結構いいかもしれない) 慌ててチーズを口に入れた俺を見て、嬉しそうに瞳を煌かせながら、にゅっと顔を寄せてくる。「ねっねっ? すっごく美味しいでしょ?」 千秋の潤んだ瞳に映る俺の顔は、余裕の笑みを浮かべることすら出来ず、どこか困惑に満ちた表情だった。 いつも自分がリードし、そういう雰囲気を作って、流されやすい彼をまんまと押し倒していたのに、酔いはじめた千秋がリードするせいで調子が狂ってしまう。 ここは負けじと、積極的にいかせてもらおうか。 近寄っているのをいいことに、ぎゅっと腰を抱き寄せてみた。「らーめよ、ほらかさん。今は美味しいチーズを堪能してるんらから。俺は食べれません」 言いながら腰に回した腕を掴み、触るなという感じでポイする。 さりげなく拒否られて若干落ち込む俺を尻目に、口元を緩ませてチーズを食べ、ぐびぐびとホットワインを飲み干した。 ペースが早いから、酔い潰れるのも時間の問題だと思うのだが――強気な千秋に、何だか手を出しにくい。「……ホットワインのお陰で、あっつくなってきちゃった。もぉ脱いじゃえ!」 ふらふらっと立ち上がり、まごつく手で大きな白いボタンを外して上着を脱ぎ捨て、その場に放り投げてから、ウエストがゴムで出来ているスカートを大胆にも、足元へと一気に落として脱いでしまった。 炎が揺らめく、キャンドルに照らされる千秋――透け感のある青地のキャミソールから見えるボディラインとTバックが相まって、その艶めかしい姿に、生唾を飲み込むしかない。
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ふたりきりのクリスマスナイト⑳

そんな、いつ暴走してもおかしくない俺を見下しながら、余裕な感じでニッコリと微笑みかけてきた千秋。「ほらかさんも、サンタクロースになってみてくらさい」 帽子をすぽっと脱いで、強引に俺の頭に被せてきた。「やっぱり! ほらかさんは赤い色が似合うから、すっごく素敵れしゅね」「ち、千秋のその格好も、色っぽくて素敵だよ」 酔っぱらった千秋に負けないように大きな声で告げてやると、胡坐をかいた俺の身体に、大胆にもいきなり跨ってきた。 一気に近くなった千秋の身体から漂ってくるフローラルの香りに、クラクラと酔いしれそうになる。 俺を喜ばせようと、この短時間で女装を頑張ってくれたんだな。 綺麗に処理されている二の腕や両足を、しげしげと眺めてみる。本当のところは撫で擦りたいのだが、さっきのように怒られそうなので我慢した。「そんないやらしい目で見つめるなんて、本当にHなサンタさんれすね。俺の下着姿が、そんなに気に入りましたか?」「ん……想像以上だ。堪らなく欲しくなってしまう」「こんな格好をさせて、俺に女になってほしいんれしゅか?」 これこれと見せつけるように、キャミソールの裾を持ち上げ、何とか収まっている前の部分を、わざわざ見せつけてきた。
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ふたりきりのクリスマスナイト㉑

細い腰骨の上で揺らめくフリフリのレースが、更に千秋を色っぽく見せている様子に、後ろがどうなっているのか、ものすごく知りたくなってしまい――思いきって左腕をゆっくりお尻近辺に伸ばし、ちょっとだけ触ってみた。「んもぅ! お触り厳禁れすって」 容赦なくバシッと叩き落として、うんと怖い顔して睨んでくる。なのに俺自身を刺激するように、腰を微妙に動かすのはどうしてなんだ? その格好でそんなことをするなんて、本当辛すぎる……。「ほだかさんっ俺はね、恥を忍んでこの格好をしてるんれしゅ。すっごくすっごーく、恥ずかしいんれしゅからね」「仕方なく着たのは分かってるつもりだ。だけど女になってほしいとか、そういうのじゃないんだよ。ただ、千秋の女装があまりにもツボった結果、女性物の下着を身に着けたところも見たいなっていう願望が、つい出てしまって……」「へえぇ。思った以上にツボったから俺の女装姿を想像して、ついひとりHをしちゃったんれすか」 じと目をしながら痛いことを告げた千秋に、どうにも顔向けし辛くて、顔を背けるしかない。「耳まで真っ赤にして、ほらかさん可愛いれす」 千秋の口撃に眉根を寄せたら、頬に落とされる優しいキス。そしてぎゅっと抱きついてきた。「今の俺の姿を思い出して、またひとりでシちゃうんでしょ?」 ねぇねぇどうなんれすか? と言いながら俺を追い込むように、ぐいぐいと下半身を動かす。「あっあぁっ、もっ、千秋っ…それ以上擦りつけないでくれ。ヤバいって」「何がヤバいんれすか。昼間散々、これで弄んらくせに。何もしていないのに俺のこの格好らけで、ここをこんなに硬くするとか、お仕置きものれすよ!」 立場がいつもと逆転していて、嬉しいやら悲しいやら。でも下半身の事情があるので、このままでいるわけにはいかない。
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ふたりきりのクリスマスナイト㉒

「しょうがないだろ。いつも消極的な千秋が自分から跨ってきて、Tバックの前を見せつけつつ、煽る様に腰を動かすものだから、必然的に反応してしまうわけだし」 言い訳がましいことを口にした俺を、抱きついていた身体を起こして、じっと見つめる。「う~ん、喉が渇いた。いっぱい喋ったせいかな」 俺の言葉をまるで聞いていないような独り言を呟くと、テーブルに置いたままの俺のマグカップを手にし、勢いよくぐびっと呑む。 甘くないのでそこまでは呑まないだろうとそのまま見つめていたのだが、珍しくそのまま美味しそうに呑み続ける千秋。「これ、甘くないれすね。ほらかさんは、この味が美味しいんれしゅか?」 ぐいっと差し出されたマグカップの中身を見たら、残りが三分の一くらいの量になっていた。 酔いやすい彼のことを考え、千秋用のホットワインをギリギリの規定量にしたというのに、俺のを呑んだせいでそれを軽く超えてしまったぞ。「千秋、そんなに呑んで大丈夫かい? 気持ち悪くなっていないだろうか?」「平気れす! 身体が熱くて、ムズムズする感じらけ。そういえばさっきから、気になってることがあるんれすけど」「何だろうか?」 訊ねた俺に千秋は小首を傾げながら腰を少しだけ上げて、いきなりスエットのズボンのポケットに手を突っ込んできた。「俺が動くと、何かがガサガサ動いてるのを太ももに感じたんれす」「あっ、それは――」(しまった。千秋の変わりように、その存在をすっかり忘れていた……)「何れすか『らぶ☆らぶローション(媚薬入り)』って。こんなの俺に使おうと思って、隠し持っていたんれすか?」 小さいパッケージのそれを、うりうりと突き出されて困り果てるしかない。今回注文した荷物の中に紛れ込んでいた、試供品のローションだったりする。
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ふたりきりのクリスマスナイト㉓

この間、寝室で見られてしまった恥ずかしいコトといい今日のコレといい、穴があったら入りたい気分だ。 じぃっと見つめてくる視線に堪えきれず、俯きながら重たい口を開く。「……使おうと思って持っていた。千秋が気持ち良さそうにする顔が見たかったからね」 正直に答えると手にしていたそれを素直に返してくれたのだが、それだけじゃなく――。「だったら早く使って、好きなだけ見ればいいれしょ。ほらほら!」 ちょっとだけ不機嫌顔をしていそいそ俺から離れるなり、四つん這いのポーズをとる。 そのお陰で、見たいと思っていたお尻が見放題。大きめのレースで大事な部分が上手いこと隠れてはいるものの、綺麗なカーブを描いたお尻のラインはそのままに、とっているポーズが刺激的過ぎて、まじまじと見ることが逆に出来なかった。(――おかしい。千秋の裸は見慣れているはずなのに、目の前であんな格好されただけで、ドキドキして見られなくなるなんて)「ほらかさんっ、早くしないとお仕置きが倍になりますよ」「わ、分かった……」 千秋のお仕置きがどんなものなのかは不明だが、さっさと手を出さないことには、大変な目に遭いそうだ。「いきなり、コレ使っていいのかい?」 ローションの入った小袋を見せつけたら、こくこくと首を縦に何度も振った。「俺のムズムズをとってほしいから。いっぱい使ってくらさいね」 言いながら、誘うように可愛いお尻を上下させる。それを見ながら口でローションの袋を千切り、たらりと指先に垂らした。途端にバラの香りが辺りに漂う。「千秋、挿れるよ」 一応声をかけてから、レース状になっている紐を横にズラして、蕾の入口にまんべんなく塗りつけた。「ちょっ、下着をそのままなんて……」「恥ずかしいのを我慢してまで履いているのを、わざわざ脱がせるのは悪いからね。それに……」 ずるっと人差し指を挿れながら、抱え込むように千秋の身体を抱きしめる。「ぁあっ、ほらかさんっ」 蝶々結びになっているキャミソールの肩紐をするっと解き、片胸を露わにして頂にやわやわと触れてあげた。
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ふたりきりのクリスマスナイト㉔

「中も外も、すごく熱くなっているね。どうしたら、千秋のムズムズがとれるだろうか?」 下半身を責めている指を一本増やし、感じる部分目がけて音が鳴るように擦りあげた。「好きっ……っ…あっ…んっ、んんっ…! はぁっ…これしゅきっ…んっ…んっ」「激しいのがいいのかい?」 好きと言うだけあって自ら腰を動かし、とろんとした表情を浮かべる。「ぁ……っ…ひゃんっ…あっ…もっと…もっと激しく…んあっ! んっ」「昼間もシたのに、媚薬が効いているのかな。ここはどう?」 千秋の脇の下から伸ばしていた手で、頂をきゅっと摘んでみた。「んうううっ…しゅき…しゅきなの…ぉ…っ、あっ」 摘んだ瞬間、蕾に挿れてる指を締めあげるせいで、俺自身が勝手に感じてしまった。(ヤバい。この感じは、先にイカされてしまいそうだ)「もぉ我慢できなぃっ。ほらかさん、早くムズムズとってよ!」 首を何度か横に振ると身体を起こし、小さな布地から飛び出ている、大きく育った自身を右手で掴み取り、ゆるゆると扱きだした。「ち、千秋……?」 信じられない光景に、肌に触れていた両手を引っ込める。すると自由になった身体を横たえさせ、くるりと仰向けになり大きく股を開くと、わざとらしく俺に見せつけてきた。「早くっ……。ほらかさんので俺を満たして。いつもより激しく愛してほしい」 掠れた声で告げられた求める千秋の言葉に、理性という名で止められている頭のネジが一気に吹き飛んだ。 素早く上下のスウェットを脱ぎ捨て千秋の身体に覆いかぶさり、荒い息を繰り返すくちびるを塞いでやる。「んぁっ……ぁっ!」 激しく愛する――それはいつもしていることだが、淫らになっている千秋にそれが通用するだろうか?
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ふたりきりのクリスマスナイト㉕

絡める舌を逃がさないと言わんばかりに、自分から積極的に絡めてきて、ちゅぅっと吸い上げられる。「ああっ、ちあ、き……感じさせすぎ」「らって、ほらかさんが欲しくてたまらないんらもん」 瞳を細めて俺の顔を両手で掴み、強引に胸元へと導いて強く抱きしめてきた。千秋の早い鼓動が、耳に心地よく聞こえる。俺も同じくらい早いだろうな。「ほらかさんにこうしてぎゅっとされると、愛されてるなって感じる」「たくさん抱いているのに飽きがないのは、そのお陰なのかもしれないね」「俺の中の熱を、ほらかさんにあげる。熱くて熱くて、蕩けそうなやつ」 どこか切なげに語る千秋から身体を起こして片方の膝を肩にかけて、レース状の紐を退け、自身をぐっと入口に押し込んだ。「うぁっ、またそのままシちゃうの?」「脱がせる時間も惜しいくらい、早く挿れたかったから。背中、痛くないかい?」 フローリングの床の上に千秋を横たわらせて、このまま行為を続行するのは辛いことだと分かってはいたのだが、どうにも我慢ができなかった。「ふふっ。ベッドに移動する暇があるなら、その分たくさん貫いて欲しい」 肩にかけた足を使って、俺の身体を引き寄せるべく、ぐいっと力を入れる。「おっきいの、早くちょうだい。奥深くに……」「あまり馴らしていないから、強引に挿れると辛いかもしれないよ?」「初めてほらかさんに咬まれた、肩口の痛みよりもきっと平気らよ。むしろその強引さに、愛おしさが募っていくからいいの」 ふわりと柔らかく微笑んだ顔を見ながら、奥を目指すべく腰を使って分け挿る。「ぁっ…ほらかさんっ…入ってる…っ…あっ…もっと……もっと…っ…」「ん、もう少し、力を抜いてくれ」「うっ……っ…んっ…んんっ…気持ちい…っ…あぁっ」 喘いだ千秋が腰を押しつけたお陰で、根元まで挿入できたが――包み込まれる熱や時折ヒクつく振動で、すぐには動けそうにない。「んッ……ほらかさんのぴくぴくしてる。伝わってくるよ」「千秋に、どうしようもなく感じさせらている。参った……」「昼間もいっぱいシたのに、俺の中で感じてるの?」「君がこんな格好して、腰を振って誘ってくれたからね。挿れる前から感じていたよ」 千秋の両肩に手を置き、身体が動かないように固定してから突き上げるように動かしはじめた。「んんっ! なか…っ…こすれ…っ…ぁあっ」「
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クリスマスナイト次の日

*** 明るい光をまぶたの裏に感じて、渋々目を開けた。カーテンの隙間から漏れた光が部屋に差し込んでいるのを確認してから、壁掛け時計に視線を移す。(うわっ、もう午前十時過ぎじゃないか。穂高さんは――あれ!?) Hした次の日の俺はまったく使えない、ぐうたら亭主になってしまうので、いつもなら彼が先に起きて、ご飯を作らせたり洗濯をしてもらったり……。 それなのに、隣で寝たままでいる穂高さん。ちょっとだけ眉根を寄せていて、辛い夢でも見ているのかと勘ぐってしまいそうな感じだ。 起こさないようにそっとベッドから抜け出て居間に移動してみたら、昨夜の惨状がそのままになっていた。 テーブルの上を片付けてから床に落ちてるゴミを拾って、汚れたフローリングを拭かなきゃな。 そんなことを考えて、足元にあるゴミを拾ってみたのだが――。「らぶ☆らぶローション(媚薬入り)って……。穂高さん、こんなの使ったの!?」 サンタのミニスカ衣装が寒いだろうと、気を遣ってホットワインを作ってくれたのはしっかりと覚えている。それが妙に口当たりがよくて、酔わせる気が満々だなっていうのが、手に取るように分かったのだけれど。 ……途中から、記憶が曖昧なんだよな。だって――。 ローションが入っていた包みに視線を落としながら、頬を赤くするしかない。 コレを口で開けるときの穂高さんの顔が、どこか切羽詰まった表情だった。俺を見ながら荒々しく封を切り、にじり寄ってきてから、ぎゅっと抱きしめてきたっけ。 ただ抱きしめられただけなのに、どうにかなってしまいそうな快感がぞくぞくっと身体を駆け巡っていったのを、しっかりと覚えている。 あとは――。(駄目だ。どうにも口に出せないような卑猥な内容だけしか、頭に浮かんでこない……) 酔うと堪らなくHになると穂高さんに言われていたのに、分かっていながらどうして注意しなかったんだ俺!! ひとしきり深く反省しつつ、テーブルの上の食器を片付けてから掃除機をかけて、フローリングの床を丁寧に水拭きした。 あともう少しで終わるというところで、後ろから大きなものに抱きつかれてしまう。「っ、穂高さん……。もう少しで終わるんですから、離れてくださいよ」 離れてと言ったのに、ぎゅっと更に腕の力を入れるなんて。「おはよ、千秋。昨日の後片付けを、ひとりでさせてしまってゴメン」
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