「そういうワケですので、暫くお休みをいただくことになります。大変、申し訳ございません。お気遣いありがとうございます」 電話の相手――船長にしっかりとお礼を告げる。『いいだ、いいだ! 普段から離れて暮らしてんだからよ。たまぁには、おとーと孝行せにゃならんって。だからっておめぇ、はっちゃきこいて頑張るんじゃねぇぞ。ぜってぇ失敗するからよ!』 ガハハという豪快な大笑いの後、勝手に電話が切られてしまった。 お蔭で暗く沈んでいた気持ちが、ちょっとだけ浮上する。明るく接してくれた船長の機転に、感謝しなければならないな。 自然と上がった口角の端をそのままにテーブルにスマホを置き、ベッドで横になっている千秋の顔色を窺ってみた。 毎晩2、3回くらいだろうか。悲鳴に近い声を夜中にあげながら飛び起きて、息を切らしている姿があった。そんな風に寝ている状態だから熟睡できていないのが、俺の目から見ても明らかだった。 今までのストレスや畑中君に襲われたことがフラッシュバックとなり、蘇っているのだろう。 いつまで続くか分からないそれに付き合うべく、船長に電話したワケなのだが――。「代われるものなら代わってやりたいのに。何もできない自分が不甲斐なさ過ぎて、言葉にならない」 しくしく痛む胸を抱えつつ、跪いて千秋の頭を撫でてあげた。 熟睡できていないのに無理して大学に行こうとする彼を、恋人の権限をここぞとばかりに振りかざて強引に何とか引き止め、顔色が悪いのを改善すべく昼間に横になってもらっている。 しっかり休んでいるのを確認すべく、俺の添い寝付きなのはオマケなんだと称しておこうか。『……あの、穂高さん。そんなにじっと見つめられると、寝るに寝られないんですけど』「すごいね、千秋。背中を向けているというのに、見つめているのが分かるなんて」『……それだけじゃなく。その……腰に何か当たっていて。……少し離れてほしいかなって』 壁を正面にして寝ている千秋がちらりと振り返り、恨めしそうな顔して俺を見る。 それはしょうがないんだ。だって千秋が傍にいるだけで、クララが勃ってしまうんだから――。「そんな顔をしないでくれ。俺だって千秋が全快するまで必死に我慢しているんだが、反射的な生理現象だと捉えてくれたら助かる。とにかく千秋も頑張って、しっかり寝なければならない!」 正直、適当過
Last Updated : 2025-12-03 Read more