言葉を発した瞬間、背筋がすっと伸びるのを感じた。遠くでチャイムが鳴ったような気がしたが、誰も振り返らない。 「……佐倉美月先輩が自ら命を絶った、あの事件」 まるで音すら遠ざけられたような、ぴんと張り詰めた空間だった。全員の視線が俺に注がれているのを感じた。 「……あれは、ただの自殺ではなかった。すべては、あの日――推理部に、佐倉先輩の妹である佐倉優衣さんが、訪れたことから始まりました。佐倉先輩が残したというノートの暗号を手がかりに、僕たちは理科室を捜索しました」 思い出す。埃をかぶった棚の隅、何気なく置かれていたそれ。 「そして見つけました。理科室の隅にあった、青い蛇の置物。その中には、屋上の鍵と、二つのメモが入っていました。そこには、佐倉美月先輩が、何らかの秘密を知ってしまい、事件に巻き込まれた末に何者かに殺された――そう思わせる暗号が残されていました」 その瞬間、屋上の空気が少し変わった。誰もが、真実に足を踏み入れたという空気を感じ取っていた。 「僕たちは、その犯人を追いました。断片的な証拠、関係者の証言、わずかな違和感から、新聞部の部室に辿りつきました。そこで見つけたのは佐倉先輩が綾野先輩に殺されたとされる、証拠を」 俺はポケットから一枚の写真を取り出す。 生徒会室で、綾野先輩が佐倉先輩に屋上の鍵を手渡す決定的瞬間。続けて、USBメモリに入った音声データ――『殺してあげる、美月』を取り出し澪に渡す。 澪がその音声データを持ってきたノートパソコンで流すと、推理部と如月先輩を除いた全員が驚愕の表情を浮かべる。 「僕たちは、専門家に解析を依頼しました。その結果、この写真の光景と音声データは、どちらも本物であると鑑定されました。 つまり、写真の人物は確かに綾野先輩であり、音声の声もまた、紛れもなく彼のものだったと」 そう言い終えたそのときだった。それまで沈黙を守っていた綾野先輩が、まるで何かをはじき飛ばすように立ち上がった。 「……あり得ないっ……!そんなの……偽物だ。作り物に決まってる。僕は――そんなこと、言ってない……!」 その声は、かすれながらも鋭く、綾野先輩の叫びが、風を裂くように屋上に響き渡った。その声はひどく生々しく、そしてどこか恐怖にも似ていた。 次の瞬間、空気が止まったかのような静寂が落ち、誰も言葉を
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