その裏にどんな事情があるのか?昭彦と揉めたのか?それとも別の計画や思惑があるのか?湊は考え込み、椅子の背にもたれ、小声で命じた。「その会社の株主構成、資本金、主な事業内容を調べろ。分かったらすぐに知らせろ。ただし、気づかれないように」「はい、社長」全ては計画通り、着実に進んでいた。夜。静奈は自宅の机に向かい、リリーから送られてきたファイルを凝視していた。眉間に皺が寄る。フォルダには、リリーと良平の「親密」な写真や動画が詰まっていた。自宅の寝室でのものもあれば、ホテルのスイートでのものもある。おぞましい映像と不快な音が、静かな部屋に響き渡り、耳障りだ。静奈はマウスを素早く動かし、詳細を見るのは避けた。ただ、良平の顔がはっきり映っていること、離婚してリリーと結婚すると誓っている言葉を確認しただけだ。これだけで、美咲の心理的防衛線を突破するには十分だ。だが、最後の一押しが必要だ。彼女は汚らわしいものを見るようにフォルダを閉じた。そしてリリーに追加で一百万円を送金した。精神的苦痛への慰謝料として。リリーがそういう「仕事」だとは分かっているが、あんな老いぼれ相手に媚びを売らなければならないと思うと、複雑な同情を禁じ得なかった。金稼ぎも楽じゃない。送金を終えると、リリーにメッセージを送った。【次のステップへ】時間はあまりない。良平を彼にふさわしい檻の中へ送るため、ペースを上げなければ。数日後。沙彩は退勤途中に、良平からの電話を受けた。迷った末に出る。「沙彩、今夜帰ってこい。ビッグニュースがあるんだ!」良平の声は久しぶりに弾んでいた。沙彩は驚き、携帯を握りしめ、複雑な心境になった。あの修羅場以来、父とは絶縁状態で、連絡も取っていなかった。一人ホテル住まいで、かつての家を避けていた。何度も縁を切ろうと考えた。だが母は獄中にあり、この街での肉親は父しかいないと思うと、心が揺らぐ。もしかしたら、父は母の裏切りに傷つき、一時的に魔が差しただけかもしれない。男は若くて綺麗な女に弱いものだ。あの女と切れれば、やり直せるかもしれない。家庭のために、何もなかったことにして、母には黙っていてもいい。母が出所したら、また家族で暮らせる。「ビッグニ
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