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第12話(3)

「……そのつもりだったが、やっぱり、あんたは嫌いだ」「俺だって、ヤクザのオンナになってぬくぬくと生きている男は嫌いだ。だが――たまらなく抱きたいんだ。お前を」 和彦が目を見開いた次の瞬間、鷹津の大きな手が後頭部にかかり、ぶつけるような勢いで唇を塞がれた。「んんっ」 和彦は必死で顔を背けようとしたが、鷹津に後ろ髪を鷲掴まれ、唇に噛みつかれる。そのまま、もつれるようにして隣の部屋に引きずり込まれ、突き飛ばされた。 簡素な作りのベッドに倒れ込んだ拍子に、鉄製のパイプと床が擦れ、不快な音を立てる。確実に階下に響いただろうが、鷹津は気にかける様子はない。その理由を、ネクタイを解きながら鷹津本人が口にした。「こんな汚いマンションだから、新しい住人が入らないんだ。下の階なんて、角部屋に一世帯入っているだけだ。つまり、近所迷惑なんて気にしなくていいというわけだ」 ワイシャツを脱ぎ捨てた鷹津が、和彦の上に馬乗りになってくる。薄笑いを浮かべた鷹津を睨みつけはしたものの、コートを脱がされ始めると、たまらず和彦は顔を背け、体を強張らせる。 長袖のTシャツをゆっくりと捲り上げられ、剥き出しとなった脇腹を撫でられてから、パンツと下着を手荒に引き下ろされて、脱がされた。粗雑な男らしくない手つきで靴下まで脱がされてしまうと、Tシャツ一枚という自分の姿が、ひどく心細くなる。和彦はぐっと奥歯を噛み締めていた。 スラックスのベルトを外す金属音が聞こえ、衣擦れの音に続いて、床に何かが落ちる重々しい音がした。 ふいに鷹津にのしかかられ、重みに息が詰まる。続いて、首筋に熱く濡れた感触が這わされた。「うっ……」 鷹津の舌だとすぐにわかった。首筋に、獣のような息遣いがかかるからだ。不快さと嫌悪感から、必死に唇を引き結ぶが、鷹津は和彦のそんな反応を楽しんでいた。「気持ち悪くてたまらない、って顔だな」 和彦の顔を覗き込んできて、鷹津が嬉しそうに囁いてくる。嫌悪感を隠そうとしない和彦の反応が、かえって鷹津を興奮させているのだ。「……あんたに触られると、吐
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第12話(4)

 賢吾の話では、四十歳だという鷹津だが、見事な体だった。賢吾のように威圧的で肉感的ともいえる体とは、また違う。三田村のように鍛え上げているわけでも、千尋のように生来のしなやかな筋肉に覆われているわけでもない。 余分な筋肉を削ぎ落とし、強靭な体としてコントロールしているようだ。普段の、嫌悪感を抱かせる言動や、自分の格好に無頓着に見える姿からは想像もつかない、引き締まった体つきだ。 和彦は唇を手の甲で拭ってから声をかけた。「――……続ける気がないなら、ぼくは帰るからな」「そう焦るな。すぐに、嫌というほど抱いてやる」 口元に薄い笑みを浮かべての鷹津の言葉に、カッと体を熱くした和彦は起き上がる。本当に帰ろうかと思ったのだが、ベッドに戻ってきた鷹津に再びのしかかられていた。 貪るような口づけを与えられながら片手を掴まれて、頭上に押し付けられる。指先に当たったのは、ベッドヘッドのパイプだった。ふいに、和彦の耳に金属音が届き、続いて、手首に冷たい感触が触れた。 あっという間だった。もう片方の手も掴まれて頭上に押し付けられたかと思うと、同じく手首に冷たい感触が触れる。両手を頭上で留められていた。「まさか、これ――」 唇を離されて和彦が呟くと、鷹津はニッと笑った。「手錠だ。このほうが、雰囲気が出るだろ。ヤクザの組長のオンナを、悪徳刑事が拘束して、嬲るんだ」 和彦は両手を動かすが、途端に手首に冷たく硬い感触――手錠が食い込む。パイプと手錠がぶつかり、不快な音を立てた。 動揺する和彦の体を、悠然と鷹津が撫で回す。「俺に、じっくりとお前の体を味わわせろ。さっきみたいに押し退けられそうになると、気分が削がれる」 長嶺組の人間に拉致され、道具を使って辱められたときの記憶が蘇る。和彦は体を強張らせ、総毛立つ。冷や汗すら出てきたが、鷹津は和彦の変化を知りながら、気にした様子もなく行為を再開した。 胸元をベロリと舐められ、あえてそうしているのか、濡れた音を立てながら肌を吸われる。そのたびに不精ひげのざらついた感触が触れて、痛いほどだ。 脇腹に噛みつかれた和彦は、小さく声を洩らし
last updateÚltima atualização : 2026-01-08
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第12話(5)

 もう片方の突起には指がかかり、きつく摘まれ引っ張られる。交互に同じ愛撫を与えられ、胸の突起は鮮やかに赤く色づいた。その色合いに満足したように目を細めた鷹津は、次にどの場所を攻めるか、すでに決めているようだった。「ううっ」 片足を抱え上げられて、唾液で濡れた指に内奥の入り口を撫でられた途端、和彦は声を洩らして腰を揺する。頭上では、パイプと手錠がぶつかる音がした。「何人も男を咥え込んでいるくせに、どうしてこう、貞淑そうな形をしてるんだろうな。お前のここは――」 そんなことを言いながら、鷹津が内奥に指を挿入してくる。ここに、この男の指を受け入れるのは三度目だ。すでにもう鷹津は要領はわかっているらしく、一気に指を付け根まで突き入れてくると、官能を呼び起こそうとするかのように巧みに指を蠢かす。さすがに声を堪えられなかった。「ああっ、あっ、あっ、あっ……」 繊細な襞と粘膜を擦り上げられたかと思うと、内奥を大胆に掻き回され、こじ開けられる。感じる部分をまさぐられるたびに、和彦は体を波打たせるようにして反応していた。 自分でもどうしようもなく、鷹津の指を締め付けて、息を弾ませる。鷹津は興奮した様子で、そんな和彦を見下ろす。「色づいて、いやらしくなってきた。中も柔らかくなってきたな」 顔を近づけてきた鷹津に唇を塞がれそうになったが、寸前のところで和彦は睨みつけ、顔を背ける。鷹津は無理強いはしなかった。その必要がなかったのだ。 内奥から指が引き抜かれ、すぐに熱く硬い感触が擦りつけられた。指で綻ばされた内奥の入り口は、ゆっくりと押し広げられ、否応なく鷹津の欲望を呑み込まされる。 不快で、嫌悪感すら抱いている男に、自分は今、貫かれているのだと思った瞬間、和彦は目も眩むような高ぶりを覚えた。抱えられた片足の爪先を突っ張らせて腰を揺すると、唇だけの笑みを浮かべた鷹津が動く。「んあっ」 狭い内奥で、鷹津の逞しいものが蠢いているのがわかる。両足を抱え上げられ、果敢に腰を使われるたびに強い刺激が生まれて、腰から背筋へと駆け上がっていた。 これ以上なく深く繋がる頃には、和彦は息を喘がせ、体を熱くして肌
last updateÚltima atualização : 2026-01-08
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第12話(6)

「お前のここも、溶けかけてるな。中は……トロトロだ。柔らかいくせに、俺が動くたびに、きついぐらい締め付けてきて、吸い付いてくる。こうやって、誰にでも媚びるんだろうな。――ムカつくほど、俺好みの体だ」 あごを掴まれて、鷹津に唇を吸われる。和彦は押し寄せてくる肉の愉悦に呻きながら、それでも半ば意地のように顔を背ける。鷹津は楽しそうに声を洩らして笑った。「俺を利用する気なら、もう少し素直になれよ。ヤクザに聞かせているような喘ぎ声を、俺にも聞かせろ。扱い次第じゃ、俺はいい番犬になってやるぜ」「……番犬にしては、あんたは、物騒だ」「ヤクザを飼ってるお前が言うな」 和彦の胸元に何度となく唇を押し当てた鷹津が体を起こし、大きく腰を使い始める。内奥から欲望が出し入れされ、その様子を鷹津は、熱っぽい眼差しで見つめていた。羞恥に身を焼かれそうになりながら和彦は、両手を頭上で拘束され、下肢は男に支配された格好で身悶える。「あっ、ああっ、いっ……、はあっ、あっ、あうっ……」「中が、ビクビクと震えているぞ。お前も、気持ちよくてたまらないか?」 和彦が唇を噛むと、鷹津は大きく息を吐き出した。「まあ、いい。まずは、俺だ。――今度は、中に出してやる」 嫌だと言うことすらできなかった。和彦の体は、中から強く男に愛されることに歓喜し、精を受け止めることを待ち望んでいる。長嶺組の男たちによって、たっぷり快感を与えられ続けてきた弊害ともいえるかもしれない。 求めてくる男を、和彦は拒めないのだ。 張り詰めた鷹津の欲望が内奥深くで爆ぜて、熱い精を大量に吐き出す。和彦は深い吐息をこぼしながら腰を震わせ、従順に精を受ける。 快感で、鷹津に屈服させられた瞬間だった。嫌悪感や拒絶感すら、官能を増す媚薬となり、こんな男の脈打つ欲望も、吐き出された精も、愛しいと感じてしまう。 その証拠に――。 荒い呼吸を繰り返し、全身から汗を滴らせながら、鷹津が乱暴に覆い被さってくる。噛み付くように唇を吸われると、そうすることが当然のように濃厚
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第12話(7)

** 歯止めを失ったように、和彦は鷹津と何度となく口づけを交わす。それだけでなく、離れていることが不自然だといわんばかりに体を繋げていた。 鷹津は貪欲だった。自分の欲望のままに和彦を振り回し、もう無理だと訴えようが、強引な愛撫で快感を引きずり出し、己の欲望を打ち込んでくる。絶えず鷹津に求められているような状態で、睡眠を取ったのかどうか、和彦自身、わからなくなっていた。 鷹津の汗と唾液と精が、体中に滲み込んだようだと、体を横向きにした和彦は、ぼんやりと考える。このとき、ベッドに投げ出した自分の腕が目に入り、片手で手首を撫でる。すぐに外された手錠だが、それまでにさんざん引っ張ったりしたため、しっかり赤い跡が残っていた。 鼻先を掠めていた煙草の煙がいつの間にか消え、背後から逞しい腕に抱き締められる。肩先に不精ひげの生えたあごが擦りつけられてから、唇が押し当てられた。 腕の中の〈オンナ〉は自分のものだと、その行為が物語っている。和彦は少しだけ、鷹津の態度が気に障った。「――……組長が、あんたのことをよくサソリに例えるんだ」 和彦がぽつりと洩らすと、あごに手がかかる。上体を捻るようにして振り返った途端、鷹津に唇を塞がれた。煙草の苦みが残る舌が口腔に差し込まれ、和彦のほうから柔らかく吸ってやる。 微かに濡れた音を立てて唇を離すと、改めて鷹津の顔を見つめる。ただ獣のように求め合う行為を繰り返しているうちに、いつの間にか鷹津の髪は乱れ、オールバックにしていた前髪も落ちている。髪型を変えるだけで、いくらか胡散臭さが薄まって見えた。「昔からそうだ。蛇蝎の蛇とサソリ、嫌われ者同士だと言っていた」「……そんなことを話すなんて、意外に仲がいいんじゃないか」「気色の悪いことを言うな。――あの男は、クズの親玉だ。そして俺は、かつての悪徳刑事。もっとも、悪党ぶりじゃ、あいつが上だ。俺は、あいつにハメられてマヌケぶりを晒したんだからな」 賢吾と鷹津の間に何があったのか、和彦はよく知らない。鷹津は賢吾にハメられて、暴力団担当刑事から、交番勤務の警官としてどこかに飛ばされたが、何年
last updateÚltima atualização : 2026-01-08
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第12話(8)

 なのに今、和彦と鷹津はこうして肌を重ねて、睦言めいた会話を交わしている。 唇を吸い合い、差し出した舌を緩く絡め合ってから、鷹津にきつく舌を吸われる。和彦の胸の奥で、消えることを許されない情欲の火がじわじわと大きくなる。「長嶺組は、でかい組だ。潰すのは容易じゃない。だが、長嶺賢吾という男の面子を潰すことは可能だ。昔と違って、今はあいつの側には、大事なオンナがいるしな」「そのオンナと寝てるだろ、こうして。……ぼくに組長を裏切れとでも、囁く気か?」「あの男を裏切れるか? それこそ、蛇みたいに執念深くて、怖い男だぞ。サソリが可愛く思えるほどだ」 これは鷹津なりの冗談だろうかと思いながら、鷹津と唇を触れ合わせる。飢えた獣のように、すぐに鷹津は唇と舌を貪ってくる。 やはり、キスが上手いと思う。荒々しいくせに、口腔をまさぐる舌の動きは巧みで、感じる部分に舌先を擦りつけ、肉欲を高める。それに、和彦が鷹津を嫌っているというのも関係しているだろう。嫌っている男を受け入れているという事実が、被虐的な刺激を生むのだ。「――長嶺の力は、この先十年は絶頂期が続くだろう。あれだけの支配力とカリスマ性を持つ男だ。刑事一人が足掻いたところで、髪の毛一本傷つけられない」 だが、と鷹津は言葉を続け、和彦の両足の間に片手を差し込んできた。何人もの男に愛されてきた条件反射として、言われもしないうちに和彦は片足をわずかに上げ、鷹津の手を奥に迎え入れる。「あっ……」 鷹津が触れてきたのは、和彦の柔らかな膨らみだった。感触を確かめるように指が蠢かされ、やや強く揉みしだかれる。ビクビクと腰が震えるのを抑えられなかった。「長嶺のオンナは、繊細だ。柔らかくて感じやすくて、脆い。傷つけるのも簡単だ」 和彦の唇を吸いながら鷹津は囁き、片手で柔らかな膨らみをまさぐる。弱みを探り当てられて指で弄られると、小さく悲鳴を上げてしまう。「痛、いっ……。乱暴に、するなっ」「だったら教えてくれ。どうされるのがいいんだ。お前が気持ちいいようにしてやる」 和彦の弱みをわざと
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第12話(9)

「お前はいろいろと都合がいい。ヤクザじゃないし、表向きは真っ当な医者だ。俺がお前と接触を持つ分には、刑事として冒す危険は少ない。それに、長嶺にとってお前は、金も手間も、愛情すらかけている大事で可愛いオンナだ。そのオンナを、俺に抱かせたということは――少なくとも俺を、利用する気はあるってことだ」 熱い吐息をこぼした和彦は、おずおずと自らの下肢に片手を伸ばし、柔らかな膨らみを執拗に攻める鷹津の手の上に重ねる。わずかに力を込めると、その通りに鷹津の手に力が入り、柔らかな膨らみを刺激する。 和彦は、自分が好きな愛され方を、鷹津の手を通して自らに施す。それは自慰のようでもあるが、愛撫を施すのは鷹津の手だ。倒錯した感覚に襲われ、感じてしまう。「長嶺に利用されてやるが、俺もあいつを利用する。今度は、あいつの特別なオンナと繋がっているんだ。……長嶺に従うとなったらムカつくが、お前の番犬になら、なってやる。お前の側にいて、蛇の首に食らいつく機会をうかがうのもおもしろいだろ。どうせ俺は、警察の中じゃ出世の芽もないしな。だったら、儲けが多くて、おもしろい事態に首を突っ込むほうがいい」「……つまり、長嶺組に対する嫌がらせはやめるということか」「俺は嫌がらせなんてした覚えはないぜ。ただ、長嶺のオンナに横恋慕して、口説いていただけだ」 悪びれない鷹津を睨みつけた和彦だが、巧みな口づけを与えられながら、柔らかな膨らみへの手荒い愛撫を受けると、鷹津の腕にすがりつかずにはいられなかった。この瞬間、鷹津の目の色が変わるのがわかった。 うつ伏せにされた和彦は腰を抱え上げられ、蕩けきった内奥の入り口を逞しい欲望で押し広げられる。「ああっ――」 サソリの針を打ち込まれているのだという想像は、ひどく和彦を高ぶらせ、鷹津の欲望をきつく締め付ける。すると鷹津の手に、反り返って濡れそぼったものを掴まれ、扱かれていた。「んあっ、あっ、いっ、いぃ……」 腰を突き上げられ、鷹津のものをすべて内奥に呑み込む。サソリの毒――ではなく、すでに注ぎ込まれている鷹津の精に塗れた襞と粘膜が妖しく蠢きながら、擦り上げ
last updateÚltima atualização : 2026-01-09
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第12話(10)

** 鷹津の寝息を確認した和彦は、自分もこのまま眠りたい衝動をなんとか堪え、ベッドから抜け出す。ずっと鷹津の高い体温に包まれていたため、肌を撫でた外気の冷たさに身震いしてから、床に落ちた服を慌てて拾い上げる。 Tシャツを着込んだところで、眠ったとばかり思った鷹津の腕が腰に回され、引き寄せられた。腕を掴まれた和彦は、鷹津の裸の胸の上に倒れ込む。「どこに行くんだ。一応俺は、お前をこの部屋に軟禁しているつもりなんだが」「……もう朝だぞ。あんた、仕事行かなくていいのか」 眠そうに半ば目を閉じながら、それでも鷹津はニヤリと笑う。「心配しなくても、お前が気を失っている間に、今日は休むと連絡を入れておいた」 いつの間に、と和彦は絶句する。まったく気づかなかった。 鷹津の手がTシャツの下に入り込み、素肌を撫で上げられる。「それでお前は、服を着てどこに行くつもりだ」「水を飲もうと思ったんだ。それに、さすがにお腹が空いた。どうせ冷蔵庫の中に、ロクなものが入ってないんだろ」 ようやくしっかりと目を開けた鷹津が、少し考える素振りを見せてから言った。「もう少ししたら、何か買いに行く。それとも、近所のファミレスまで、食いに行くか?」「冗談だろ。どれだけあんたに好き勝手されたと思ってるんだ。体を起こすのすら、息が切れるんだ」「なら、決まりだ。俺が食い物を買ってきてやる」 鷹津の両腕が体に巻きつき、しっかりと抱き締められる。和彦は、見ようによっては魅力的とも表現できる鷹津の顔を見下ろしながら、不精ひげの生えた頬からあごにかけて撫でてやる。「……言っておくが、ぼくはあんたが嫌いだからな」 和彦の言葉を、鷹津は鼻先で笑った。「お互い様だな。俺も、ヤクザのオンナなんてものは見下している」「それを聞いて安心した」 後頭部に大きな手がかかり、引き寄せられるまま鷹津と唇を重ねる。誘い込まれる形で、和彦は男の熱い口腔に舌を差し込み、痛いほど吸ってもらう。和彦も鷹津の上唇と下唇を交互に吸ってから、
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第12話(11)

「だが、皮肉なもんだな。そんな俺たちでも、体の相性は抜群にいい。俺は、お前の体は好きだぜ。抱いていて、最高に楽しめるし、感じる」「あんたがそうだからといって、ぼくも同じだと考えるな。――あんたは、そこそこ、だ」「ほお、そこそこ、か」 鷹津にベッドに押し付けられ、唇と舌を貪られながら、下肢に荒々しい愛撫を施される。 苦痛ではなく、快感を与えられ続けているが、さすがに体力の限界が近い。本当に自分の足でベッドから出られなくなる危惧さえ抱き、和彦は必死に身を捩り、鷹津も本気でなかったこともあり、なんとかベッドから転がり出る。「ぼくは喉が渇いているんだっ」 和彦が声を荒らげると、ニヤニヤと笑いながら鷹津が手を振る。「冷蔵庫にボトルが入っている。水を飲んだらベッドに戻ってこい。俺がメシを買いに行っている間、お前に手錠をかけておく」 手早くパンツを穿いた和彦は、鷹津に頷いて見せた。「……ああ、わかった」 キッチンに行き、冷蔵庫からボトルを取り出すと、水をグラスに注ぐ。冷たい水を一気に飲み干してから、もう一杯飲む。 あまりにだるくて、ダイニングのイスに腰掛けたかったが、そうのんびりとできる余裕はない。和彦にはやることがあった。 足音を殺して玄関に向かい、そっとチェーンを外してから、ドアの鍵を開ける。それだけだ。 隣の部屋に戻ると、鷹津は仰向けで目を閉じていた。和彦はベッドの端に腰掛け、そんな鷹津の顔を覗き込む。「どうした?」「シャワーを浴びたい」「……オンナってのは、けっこう手がかかるもんなんだな」 本気で殴ってやろうかと思ったが、和彦はぐっと我慢する。「体がベタベタして気持ち悪いんだ」「シャワーを浴びたところで、またすぐ同じ状態になるだろ」「それでもいい。気持ちの問題だ」 ようやく目を開けた鷹津が、じっと見つめてくる。わずかに心臓の鼓動が速くなるのを感じながら、和彦も見つめ返す。 鷹津は億劫そうにダイニングのほうを指で示した。「バスルームはわかるだ
last updateÚltima atualização : 2026-01-09
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第12話(12)

** 組員たちによって鷹津の部屋から連れ出された和彦は、まるで貴重品のように丁寧に扱われた。車の運転はいつも以上に慎重で、半ば抱えられるようにして自分の部屋に送り届けられる。 しかもその部屋は、和彦の帰りを待っていたようにしっかりと暖められ、バスタブにはたっぷりの湯が張られている。食事まで用意されている徹底ぶりで、なんとなくだが、賢吾の気遣いを感じた。 組員が帰って一人となった和彦は、眠気と疲れでぼんやりとしながらも、食事を済ませてから、時間をかけて湯に浸かる。 最初に鷹津に触れられて、精で汚されたときは、とにかく体をきれいにしようと必死だったが、今日は違った。ひととおり体を洗いはしたものの、執拗に肌を擦るまではしない。 この変化はなんだろうかと、ふと和彦は考える。鷹津に対する気持ちの変化――は素直に認めがたい。あの男は嫌な男で、やはり嫌いだ。 多分、疲れきっているせいだろうと、半ば強引に納得しておくことにした。 バスルームから出て、歯を磨き、髪を乾かし、そこまで済ませてやっと、ベッドに潜り込む気になる。なるべくなら安定剤を使いたくないと思っていたが、その必要はなかった。 何も考えられないほど、猛烈に眠い。 倒れるようにベッドに入った和彦は、手足を伸ばしたところまでは記憶があったが、あとはもう、一気に深い眠りへと引きずり込まれる。 どれだけ眠っていたか、もちろんわからない。ただ、ふと目を覚ましたとき、カーテンを開けたままの大きな窓から、きれいな夕焼けが見えた。 もう夕方なのかと思いながら、再び目を閉じようとした和彦だが、あることに気づく。一人でベッドに潜り込んだはずなのに、当然のように自分の隣で眠っている人物がいた。 まるで子供のように無邪気な寝顔を披露しているのは、千尋だ。 この部屋で、千尋と同じベッドで眠ることは珍しくないため、一瞬異変に気づかなかった。「どうして……」 推測するまでもなく、和彦が熟睡しているところに、こっそりと部屋を訪れた千尋が、悪戯っ子のようにベッドに潜り込んできたのだろう。なぜ、千尋まで熟睡しているのかまでは、
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