All Chapters of 捨てる旦那あれば拾うホテル王あり~身籠もったら幸せが待っていました~: Chapter 41

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最終章 三日月は満ちて満月になる 11

「パパー、おかえりしゃい」「ただいまー、みちかー」出迎えた娘を悠将さんが抱き上げる。「李依もただいま」「おかえりなさい」空いた手で私を抱き寄せ、悠将さんはキスをした。「調子はどうだ?」「順調ですよ」今、私のお腹は大きく膨れている。二人目を妊娠していた。リビングに向かいながら、後ろから着いてくる運転手をちらり。彼の手には例のごとく、大量の箱と紙袋が持たれている。「……また、買ったんですが」「……いいだろ、別に」よくない! とかツッコミたい。最初は広い家だと思っていたが、今では悠将さんの買ってきた子供用品と私の服で溢れそうだ。「ほら、満華。お土産だぞー」「わーい!」ぴょんぴょん跳びはねる満華の横で、にこにこ笑いながら悠将さんが買ってきたものを開けていく。それは、この家の下見に来たあの日、見た幻そのものだった。……ああ、幸せだな。可愛い娘がいて、素敵な旦那様がいる。それに、もうすぐ二人目も。悠将さんは約束どおり、私を幸せにしてくれた。私も悠将さんも幸せにできていたらいいな。「うわーっ、おひめしゃまだー!」悠将さんが取り出したのは、フリルたっぷりのワンピース……というよりも、もはやドレスだった。「だろー、パパは約束を守るからな」悠将さんは得意げだが、そういえば今回、日本を立つ前にお姫様もののアニメを満華と一緒に観ていて、満華もお姫様になりたいとかねだられていたな……。「あとはティアラに……ネックレスに……イヤリングに……」「……ちょっと待ってください」次々に取り出されたそれらに、とうとうツッコミを入れた。「もしかしてそれって、本物とか言いませんよね?」「ん?ダイヤとプラチナで作ってもらったが?」「ああ……」それを聞いて崩れ落ちてしまったが、仕方ない。子供のおもちゃに本物を買ってくる人がどこにいる?ここにいるんだけど。「イミテーションでいいんですよ、イミテーションで」それでも子供のおもちゃと思えない、高級なものが出てきそうだが。「なんだ、李依も欲しかったのか?心配するな、お揃いで作ってある」悠将さんが新たに開けた箱の中から、同じデザインのネックレスが出てきた。「僕のタイピンも作ったんだ」さらに同じモチーフのタイピンが取り出される。「男の子はなにがいいのかわからなかったん
last updateLast Updated : 2025-10-31
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