あの伝説の魔術師アストラル・ファルコナーの多重魔法を簡単に操っていたのだぞ? そして魔法でミスリル製の盾を貫通させ、山を吹き飛ばすほどの偉大な魔術師アストラル・ファルコナーを超えるかもしれん。団長は、レイニーの秘めたる可能性に、興奮を隠しきれないでいた。「あの……これから訓練に参加してみませんか?」 レイニーの応対がフレンドリーだったので、団長はレイニーに興味を持ち、その能力をさらに引き出してあげたいと思い、誘っていた。彼は、すっかりレイニーが王子だということを忘れていた。「え? わっ、無理だよっ。俺、体力ないしぃ……軍の訓練についていけるわけないよぅ〜」 レイニーは誘われてすごく嬉しかったが、可愛く体力がないアピールをした。なぜなら、軍の訓練のイメージが過酷で厳しく、体力づくりがメインだと思っていて、現に目の前で兵士たちが練習場を走らされていたからだ。 体力づくりや厳しい訓練は避けたいが、魔法の訓練には興味があった。そう、「未知なる魔法の探求がしたい」「でも、面倒で疲れる体力づくりはしたくない」とレイニーは考えていた。 団長はそれを聞いて、「軍人なのに何を言ってるんだ?」と思ったが……すぐに思い出した。「このお方は、この王国の王子様だった」ということを。(そうだ、王子様を軍の訓練に誘って、参加させるのはまずい……誘うこともまずいだろう。視察、見学ならば……)団長は、内心で冷や汗をかきながら、言葉を選び直した。 魔術師団長のガードナーは、すっかりレイニーの魅力に引き込まれていていた。「魔法の常識を理解できると思いますがね。参加と言っても見学ですがどうでしょうか?」 団長は残念そうな表情で改めて誘ってきた。このままレイニー様を放っておくと、あまりにも魔法の常識を知らなすぎて危険だし、その並外れた能力の高さに目をつけられ、他者に利用されるかもしれないと考えたのだ。 レイニーは見学なら大歓迎だ、見学といいつつ魔法の練習になったら参加しちゃおうと思っていた。レイニーの顔には、悪戯っぽい笑みが浮かんだ。「うん。見学なら参加しようかなっ。楽しそうだね〜♪」 ガードナーは、レイニー様を訓練場に案内する決意を固めた。彼の態度は一変し、レイニー様に対する敬意と畏敬の念がはっきりと表れていた。その厳格な表情には、決意と忠誠が宿っていた。「レイニー様、どうぞ
Terakhir Diperbarui : 2025-10-22 Baca selengkapnya