「みんなーエリゼを、お父さんのところへ帰してくるから、ちょっと大人しくしててね」 俺は、いまだに繋いでいたセラフィーナの柔らかい手を名残惜しくも離し、彼女の瞳をじっと見つめて「任せたよ」と目で伝えた。天使と悪魔、そして一癖ある従者たちが同じ部屋で大人しくしていられるか、正直に言えば不安しかない。中でも一番の心配の種は、間違いなく不機嫌を隠そうともしないリリスだ。内心で小さく溜息をつきながら、俺はエリゼの小さな手を握り直した。 視界が揺らぎ、次の瞬間には軍の練習場を見下ろす観覧席へと降り立っていた。普段から無人の場所を選んだおかげで、誰かに転移を見られる心配はない。まだ夕刻の熱気が残る練習場では、遠くで騎士たちの掛け声が微かに響いていた。「エリゼ、今日はありがとね! 助かったよ~♪」 階段状になった石の座席に腰を下ろし、俺は隣に座るエリゼへ向き直ってお礼を言った。死線を越えた直後のせいか、どこか平穏なこの場所が不思議なほど穏やかに感じる。「楽しかったね! なんだか数日間くらい、ずっと一緒に冒険をしていたみたいだよねっ」 エリゼは頬を紅潮させ、興奮を抑えきれない様子で身を乗り出してきた。つい数時間前の恐ろしい光景や強大な敵の気配さえ、彼女にとっては俺と一緒に駆け抜けた、輝かしい物語の一部になっているようだった。その屈託のない笑顔を見ていると、俺の心まで温かいもので満たされていく。「また、一緒に冒険しようね」 俺の言葉に、エリゼは何度も何度も、嬉しそうに頷いてくれた。「あ、お父さんとか……他の人には内緒だからね! ダンジョンに入ったのがバレたら、エリゼもお父さんに怒られちゃうよね」 俺は念を押すように彼女の顔を覗き込んだ。エリゼがセリオスさんから許されていたのは、あくまで勝手知ったる道での「山での冒険ごっこ」だ。道から外れないようにとあれほど言われていたのに、実際は禁足地のダンジョンに潜っていたなんて知れたら、彼女の外出禁止は免れないだろう。「あぁ……うん。二人だけの秘密だよね!」 エリゼは少しだけ顔を強張らせながらも、共
ปรับปรุงล่าสุด : 2026-01-06 อ่านเพิ่มเติม