目の前に突きつけられた、重厚な質感を放つ招待状。その金色の家紋が、夕暮れの陽光を反射して不気味なほどに輝いている。「……総帥の、誕生パーティー?」 私の震える声に、エリカ様は勝ち誇ったような笑みを深くした。「ええ。天王寺家に関わる政財界の重鎮たちが一堂に会する、一年で最も華やかで、そして最も残酷な社交の場。そこで、わたくしと輝様の婚約についても、正式な発表があるはずでしたのよ。本来であればね」 彼女の視線が、再び私を頭の先からつま先まで、値踏みするように舐めていく。その瞳に宿るのは、明確な蔑みと、それ以上の——揺るぎない自信。「輝様がそこまで仰るのなら、わたくしも無粋なことは致しませんわ。この泥棒猫さんが、どのような覚悟で輝様のお隣にいらっしゃるのか……その『格』というものを、わたくしが直々に拝見して差し上げますわ」「エリカ、いい加減に——」 輝くんがさらに一歩踏み出し、私の前に立ちはだかるようにして遮った。彼の背中から伝わってくる怒気は、もはや抑えきれないほどに膨らんでいる。「栞を君のくだらない遊びに巻き込むな。彼女にそんな場所へ行く義務はない」「あら、逃がして差し上げるつもり? 輝様。愛し合っているのでしょう? 一生を共にすると誓い合ったのでしょう? でしたら、彼女もいつかは通らなければならない道ではありませんか。それとも、わたくしたちの世界の空気に触れた途端に、息が止まってしまうような弱々しい小鳥さんだと、輝様も心の底では分かっていらっしゃるの?」 エリカ様の言葉は、氷の矢のように正確に輝くんの痛いところを突いていく。輝くんの握りしめた拳が、微かに震えているのが見えた。 その光景を見ながら、私の脳内では別の回路がフル稼働していた。「(……っ! これよ、これだわ! 『身分差』の恋における最大の障壁、超名門家のパーティー! 場違いな一般人ヒロインが、豪華絢爛なドレスに身を包んだセレブたちに冷たい視線を浴びせられ、シャンパンをかけられるあの大定番のやつ!! まさか私の人生で、この『獅子の
최신 업데이트 : 2025-12-23 더 보기