ユリアンの話を私は呆然と聞いていた。ああ……でもそうなのかもしれない。ユリアンの母親が『聖女』と呼ばれた存在なら、彼が神聖魔法を使えるのは当然だ。だから彼は浄化の魔法を使えたのだ。「ユリアン……だとしたら、尚更貴方は私といては駄目よ……」何故なら私とユリアンでは両極端な存在なのだから。「フィーネ? 何故、そんなことを言うんだい? 私には王位継承権は無いから城に戻る必要だって無いんだよ? それに彼らは私がここにいることすら知らないのだから」「違うわ。私は大罪を犯した罪人なのよ? それだけじゃないわ。私は……この地に眠る死者達を土の中から蘇らせ、あの城に入れたのよ! 城の者が誰一人として逃げ出せないように見張りをさせ、そして城中の宝を……集めさせたのよ……」私は声を震わせながらユリアンに語った。「フィーネ。何故、城の宝を死者達に集めさせたんだい?」ユリアンが静かな声で尋ねる。「元々……あの城は私の復讐が終った後は……燃やそうと思っていたのよ……。私もあの城と一緒に命を終わらせようと決めていたわ。だけど、城の宝まで駄目にしてしまうのは勿体無いでしょう? だから死者達に集めさせて領民達に配って来るように命じたのよ……。領主が突然いなくなってしまえば、領民達を困らせてしまうことになるでしょう? 彼等には何の罪も無いのだから……」するとユリアンが笑みを浮かべて私を見た。「やっぱり……フィーネ。貴女は優しい方だ……」「優しい? 私の何所が優しいと言うの? 狼たちを操って、アドラー城に住む人々を彼らの餌食にしたのよ? しかも……叔父家族とジークハルトは……生きたまま狼の餌になったわ。私が命じたから……」「狼たちは、自分の本能で行動したんだ。彼等にはただ目の前の人々を、たんなる餌としてしか見ていなかった。……ただ、それだけのことだよ」「ユ、ユリアン……」するとユリアンの手が伸びてきて、気付けば私は彼に抱きしめられていた。「フィーネ。私はこの城に来て、貴女を初めて見た時からその儚げな美しさに惹かれていた。けれど、貴女には婚約者がいた……だから自分の気持を封じ込めて、あのまま城に仕えようと決めたんだ。母を亡くした後のノイヴァンシュタイン家では私の居場所は無いに等しかったから……」そしてユリアンはさらに強く抱きしめてきた。「フィーネ、私と一緒に行安
최신 업데이트 : 2025-12-23 더 보기