頬を、頭を、撫でる温もりを感じて、ふと目を開く。カーテンから差し込む光の眩しさと、それを背に私のすぐ横で微笑む鴇お兄ちゃんの顔。手を伸ばして、鴇お兄ちゃんの首に抱き付いて。「おはよう、鴇お兄ちゃん」微笑みながら言った。すると鴇お兄ちゃんも幸せそうに目を細めて、「あぁ、おはよう。美鈴」と答えてくれた。どちらからともなくキスを交わして、幸せな微睡みを堪能する。「鴇お兄ちゃん。パジャマ、着せてくれたんだ?」「上だけな。俺も下だけ履いてる。抱き合ってるから寒くはないだろ?」「うん。寒くはないけど…」「?、どうした?」微睡みの雰囲気を壊してしまうから、言うのを躊躇ってしまうんだけど…。うん。気になるから覚悟を決めて聞いてしまおう。「鴇お兄ちゃん。ここ、どこ?」「ホテル」「うふふ。さくっと返事が返ってきたけど、私の求めた答えじゃない気がするのー。えーっと、ラブがつく方の?」「いや?普通のホテルだが?」うん。それは何となく想像はついてた。けど一応確かめたの。ラブではないほう、なんだよね。うん。気付いてたよ。でもね、鴇お兄ちゃん。「めっちゃ高そうっ!」両手で顔を覆う。まさかの高級ホテルっ!ベッドがデカいっ!シーツの質が違うっ!部屋が広いっ!しかも天蓋がついてるっ!「高そうって、お前、気にするのはそこなのか?」「むっ…。だって、私は鴇お兄ちゃんと一緒にいられればどこだっていいもの」すりっと鴇お兄ちゃんの肩に額を擦り付ける。「……あんまり可愛いこと言うな。我慢出来なくなる」「昨日あれだけしたのにっ!?」「あれだけって。二回だけだろ?」「じゅ、十分でしょ?」「いや。正直言って足りない」鴇お兄ちゃんの腕が私の体を抱き寄せる。はわわわっ!?な、何か話を逸らさないとっ!じゃないと、鴇お兄ちゃんが暴走しちゃうっ!昨日が初めてだったんだし、これ以上は流石にきついっ。って言うか、そうだよ。思い出した。「はいっ、鴇お兄ちゃんっ」元気に挙手。「なんだ?」鴇お兄ちゃんのエロモード回避成功っ!「き、昨日さ?丘の展望台で、その…」「ん?…あぁ。成程。大丈夫だ。貸切にしたって言っただろ?」「や、それでも、あの…」い、色々あるじゃん?痕跡とか色々…。もごもごと口ごもっていると、鴇お兄ちゃんがふっと苦笑して私の額にキスをした。
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