「葵お兄ちゃん、すきありーっ」「わっ!?」驚いたふりをしたものの、気付いていたから全く驚いてない。リビングでラグの上でうつ伏せに本を読んでた僕の上に重さが加わる。ゆっくりと振り返ってみると、鈴ちゃんが僕の背中の上で十字を作る様に寝転がって楽しそうにしていた。…可愛い。以前から棗には自分から抱き着くのに僕には抱き着いてくれないのはなんでだろう?と疑問に思っていた。けれど、男が苦手な鈴ちゃんに無理強いは出来ない。となると違う方向性でアプローチをかけるしかないかな?と判断して、鈴ちゃんにじゃれついてくれるよう自分からじゃれついてみた。すると、すっかり慣れてしまった鈴ちゃんは自分からこうやって僕に触れてくれるようになった。作戦が成功した事にほくそ笑んだのは内緒。「う~ん。鈴ちゃんは悪戯っ子だね。えいっ」ごろんと態と上に乗った鈴ちゃんを巻き込みながら態勢を変えて、僕は仰向けに寝転がりお腹の上にいる鈴ちゃんの脇を擽った。「ふにゃっ!?あはっ、あはははっ、葵お兄ちゃんっ、擽ったいよ~っ」笑いながら逃げようとする鈴ちゃんが変に転ばないように擽る手を止めて、体を起こして自分の太ももの上に座らせた。「む~…葵お兄ちゃんに仕返し」「してもいいよ?でも、僕基本的に擽られてもあんまり感じないよ?」試しにやってみるといい。言うと、鈴ちゃんは脇に手を伸ばして擽りだした。でも全然擽ったくなく、ただ、一生懸命僕を擽ろうとする鈴ちゃんが可愛いだけだった。「本当だ…。もしかして、鴇お兄ちゃんも?棗お兄ちゃんも?」「多分、そうじゃないかな?」昔お遊びで擽ってみたけど反応しなかったし。何してるの?って棗には言われて、鴇兄さんには無駄だとバッサリ切られてしまった記憶がある。「むむっ、何かずるいよ?」「ずるいって言われても。むしろどうして鈴ちゃんがそんなに敏感なのか不思議だよ」「びっ!?………(なんか、響きが、卑猥)…」うん?鈴ちゃん今小声で何か言った?僕が首を傾げると鈴ちゃんは何でもないと首を振った。「葵お兄ちゃん、重いでしょ?今降りるね」いそいそと降りようとする鈴ちゃんを僕はぎゅっと抱きしめる。「重くないから大丈夫」全然重くない。何より可愛いし幸せだから降りなくていい。むしろずっとここに座ってて欲しい。本当なら毎日こうしていたいのに。学校はあるし、そ
Last Updated : 2025-11-14 Read more