午前中の畑仕事も終わり、昼食も食べ終わった。 程よい運動と満たされたお腹。となると残るは…。 「…すー…すー…」 昼寝である。 (とは言え、流石に俺は寝る気になれへんなぁ) 透馬は透馬で銀細工モチーフを探しに出かけたし、大地は山探索してくるとか突進して行った。あいつは熊だ。…いや、それは熊に失礼やな。 鴇は縁側で足を降ろして何やら本を読んでるし、それなら俺もそれに付き合おうと本を開いていて廊下で寝そべっているのが今の現状。 今俺達がいる縁側と隣接している部屋の畳の上で座布団を枕に双子に挟まれて気持ち良さそうに眠ってるお姫さん。…和む。 「奏輔。お前は何を読んでるんだ?」 三人を起こさないように小声で話かけてきた鴇に、読んでいた本を閉じて表紙を見せた。 「シンデレラ…?お前、どうした?気でもふれたか?」 「失礼な事言うなや。ってか、鴇。お前ドイツ語も読めるんかい」 「美鈴が覚えようとしてたからな」 そうまでして負けたないのか…。徹底し過ぎやろ。 まぁ、人の事は言えないか。俺だってお姫さんが読もうとしてたから、つい年上のプライドが刺激されて俺も読もうと思ってしまったのだ。正直何を書いているのかさっぱり分からないが、話の流れを知っているから、大体意味を理解して感じ取っている。読めないから感じ取るとしか言いようがない。 いっそ、ドイツ語の辞典でも借りて来てやろうか…。 「ドイツ語の辞典だったら、俺のがある。貸してやろうか?」 「……おう。借りるわ」 人の思考を読むな。とは思ったものの、借りれるなら借りたいから言わないでおく。 「そういや、鴇は何読んでるん?」 「俺?俺のは…」 鴇も俺と同じくパタンと本を閉じて表紙を見せた。 えーっとなになに?……『弟と妹への接し方』…? 「…って、なんでやねんっ」 思わず典型的な突っ込みを入れてしまった。 「必要ないやろ」 「俺もそう思ってるんだが、読んでみたら意外と面白くてな」 「面白い?」 「あぁ。面白いほど、当てはまらないんだ。こいつら」 「あぁー……規格外やもんなぁ」 納得してしまった。確かに双子もお姫さんも当てはまらないだろう。そもそも、鴇も含め子育てに悩む必要はなかったんじゃないか? 二人で昼寝中の双
Last Updated : 2025-11-24 Read more