「ねぇねぇ、美鈴ちゃん」「なぁに?七海お姉ちゃん」わくわくした様子で聞かれたから、自作スイーツである牛乳寒天を食べていた手を休め七海お姉ちゃんに笑いながら聞き返す。「はぅっ、可愛いっ!」そう言って畳に崩れ落ちる。あのー?今呼びかけた理由は何だったのか教えてくださいなー?小学生にあがって夏休みに入り、今年もこうやって里帰りをしている。今回は七海お姉ちゃんも参戦と言う事で非常に、ひっじょーうに私は嬉しいっ。透馬お兄ちゃんは何かしら叫んでたけど、私は七海お姉ちゃんがかっこよく見えて仕方ないのだ。だって、男を寄せ付けないかっこ良さがあるんだっ!美人でかっこいいとか女子の憧れでしょっ!?そんな七海お姉ちゃんと今日は二人でお留守番。源おじいちゃんもヨネおばあちゃんもお祭りの為の会合に出ちゃってるし、お兄ちゃん達はお祭りの準備に駆り出されてる。ママは誠パパと、嶺一パパのお墓参りに行くとかで金山さん引き連れて一旦村を離れた。だから本当に二人きりでお留守番である。でも、七海お姉ちゃんと二人なら楽しいし全然OKだっ。「ねぇねぇ。七海お姉ちゃん。何が聞きたかったの?宿題の問題?分からないとこでもあった?」どうせだから宿題を片付けようと二人で宿題をしていた時に話しかけられたから続きが気になるんだけど。そう思って、正面で倒れるお姉ちゃんを机越しに覗き込むと、お姉ちゃんはぐわっと勢いよく復活して、私の頭をひたすら撫で続けた。「お姉ちゃん?」「はっ!?いけないけないっ!!美鈴ちゃんの恐ろしき魅力に惹きこまれる所だったわ…。えーっと、あ、そうそう。聞きたかったんだけど、明日豊穣祭?だっけ?あるんでしょ?」「うん。あるね」「あれに皆は去年も出たのよね?」「うん。出たよ」「どんな感じだったの?」「どんな感じって?」「レース中とかどんなかな?って覚えてる範囲でいいから教えてよ」どんな、って言われてもなぁ~…。どんなだったっけ?私は自分の記憶を少しずつ引き出していった。※※※初期配置に着く為に去っていったお兄ちゃん達を見送りながら、私は誠パパを見上げた。「誠パパ。本当に大丈夫?」この村のアスレチックレースは本当にやばいと聞く。私はまだ参加資格がなかったり、過去に参加出来たとしても子供部門だけだから大人のレースがどんなものか知らない。けど、毎年山
Last Updated : 2025-12-14 Read more