玲奈は柚香の反応が自分の期待ほどではなかったのを見て、遥真のところへ行き、自分が気づいたことを伝えた。「遥真、最近の柚香、だいぶ変わったと思わない?」「どう変わったんだ?」遥真は気軽に聞き返した。玲奈は今日あった出来事を一通り話した。ただし自分に不利になる言葉や出来事は省き、話の中心はあくまで柚香に置いた。「今の柚香って、前よりずっと落ち着いてるの。昔みたいに自分のやりたいように突き進む感じじゃなくなった」玲奈が初めて寮の部屋で柚香に会ったとき、彼女のその、はっきり断れる性格に惹かれたのだ。あのとき、皆で週末に遊びに行って仲を深めようって話になった。他の二人は本当は行きたくなかったけど、断りづらくて「どっちでもいいよ」と言っていた。しかし柚香だけは、「用事があって行けない」とはっきり言った。その後もいろいろあったけれど、柚香は寮の集団行動にほとんど参加しなかった。こんな振る舞いをしていたら、きっと皆から距離を置かれるだろうと思っていた。けれど実際は違った。柚香は断ったあと、必ず皆にお詫び代わりのプレゼントを用意していたのだ。あるときは一人ずつにスキンケア一式、あるときは化粧品のフルセット、またあるときはそれぞれがちょうど欲しがっていた物だった。そのせいで、皆柚香にとてもよくしていたし、彼女が寮の集団行動に参加しなくても気にしなくなった。そのうち、寮の他の子たちは冗談まじりに彼女を「お嬢様」と呼ぶようになった。それからおよそ一年ほど経ったころ。寮で「内部会議」を開くことになった。その頃には皆の関係もだいぶ打ち解けていたので、寮長が提案したのだ。順番に、他のメンバーへの意見や長所短所を言い合って、残り三年間をもっと仲良く過ごせるようにしよう、と。最初に話したのは寮長だった。皆のちょっとした欠点をいくつか挙げたが、他の人たちは誰も揉めたくなかったので、言うのは当たり障りのないことばかりだった。ただ一人、柚香だけが違った。彼女はとても真剣に、全員の長所と短所をきちんと挙げていった。そのとき玲奈は思った。柚香は本当に馬鹿だ、こんなことを言ったら絶対に恨まれる、と。けれど玲奈の予想は外れた。誰一人として、柚香の率直な言葉に怒る人はいなかった。むしろそこから話し合いが広がっていったのだ。玲奈にはなぜそうな
Read more