Todos os capítulos de 手遅れの愛、妻と子を失った社長: Capítulo 821 - Capítulo 822

822 Capítulos

第821話

恭介は唇を固く結び、しばらくしてから「分かりました」と答えた。気持ちを整えると、そのまま外へ向かい、プランBに取りかかった。健太は彼の隣について歩き、遥真との距離が離れたところで、慌てて声をかけた。「もう一度、説得しないのか?プランBを実行したら、社長が本当に後戻りできなくなることは分かってるよね」「分かってる」恭介はそのまま歩き続けた。「じゃあ、もう一度説得してみないか?」健太が相談するように言った。「無駄だ」恭介は遥真のことをよく分かっている。さっきの会話だけで、すべてを察していた。「社長がどういう性格か、君も知ってるだろ。こういう時に何を言っても、社長には何の意味もない」「柚香さんは?」健太はそこまで言って、昨日のことを思い出した。「……いや、違うな。柚香さん本人が来ても、何の効果もなかった」恭介の胸がわずかに重くなる。もしそうでなければ、自分だって、あれ以上何も言わずに引き下がったりはしなかった。柚香でさえ遥真の決意を変えられなかったのなら、自分たちが何を言ったところで無駄だ。「何か方法を考えないか?」健太が言った。「そもそも今回のことだって、社長が一時的に意地を張ってるだけかもしれない。それに、俺たちのことをあれだけ大事にしてくれてるんだ。道を踏み外そうとしてるのを、黙って見てるわけにはいかないだろ」「一つ方法がある」恭介は周囲に視線を走らせ、他に聞いている人がいないことを確認してから口を開いた。「ただ、少しリスクが大きい」健太がすぐに聞き返した。「どんな方法だ?」恭介は黙り込んだ。健太は焦れたように言った。「早く言えよ」「プランBが動き出した、一番重要なタイミングで、凛音さんから電話があったふりをする。そして、柚香さんが事故に遭って重症病棟に入ったと社長に伝える」恭介は言った。「社長が柚香さんをどれだけ大切にしてるかを考えれば、冷静さを失って蒼海市へ駆けつけるはずだ」「それ、いいと思う」健太は迷いなく賛成した。「ただ、この方法で社長を止められるのは一時的だ。一生止められるわけじゃない」恭介が気にしているのは、そこだった。「もし蒼海市に行って嘘だと分かったら、私たちのことを二度と信用しなくなる」「それでもいい」健太はあっさりと言った。恭介は眉間にしわを寄せた。健太は意外
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第822話

遥真は顔を上げた。大輔が状況を報告する。「修司さんがお見えです」その声が終わるより先に、修司の姿が書斎に現れた。濃い色のオーダーメイドスーツに身を包み、鼻筋には銀縁の眼鏡をかけている。修司は数歩中へ入ると、穏やかな笑みを浮かべた。「久しぶりだな、遥真」遥真は手にしていた資料を脇へ置き、修司と一定の距離を保ったまま向き合った。修司が手を上げる。すると後ろにいた男たちがすぐに大輔を取り押さえた。「本気でやり合ったら、君たちじゃ彼には勝てない」遥真が制止するように言い、黒い瞳を大輔へ向けた。「君はそいつらと一緒に行け。ここで起きていることには、もう関わるな」「はい」大輔は一瞬たりとも迷わなかった。修司「?」そのほかの者たち「?」遥真は椅子に腰を下ろした。その姿からは相変わらず、気品と落ち着きが漂っている。「こんな夜中に、何しに来た」「どうして私がここを見つけられたのか、気にならないのか?」修司は遥真をじっと見つめた。遥真が自分を見たとき、どんな反応をするのか。修司はそれを何通りも想像していた。まさか、ここまで何事もなかったように落ち着いているとは思わなかった。父親のことについても、まだ問い詰めて答えを引き出せていない。それなのに、焦らないのか?「ここのことには、関わらないほうがいい」遥真の漆黒の瞳には、何の感情も浮かんでいなかった。「その結果を、君が背負えるとは思えない」修司は眼鏡を押し上げた。「それは逆だな。お父さんを監禁して虐待している証拠なら、こっちは全部持っている。世間から何か言われたくないなら、もう少し大人しくしたほうがいい」「そうか」遥真は、たったそれだけを淡々と返した。「ああ、そうだ」修司はそう答えた。遥真がこれほど真正面から自分にぶつかってきたのは、これが初めてだった。遥真は修司と目を合わせ、ゆっくりと言った。「じゃあ、信じるか?俺が君を訴えて、雅人の皮膚に位置情報と盗聴機能を持つチップを埋め込んだ件で、君が有罪になると。たとえ、それを雅人自身が同意していたとしてもな」修司の目が鋭くなる。隠すこともなく、遥真を探るように見つめた。「どうして知っている?」このことを知っているのは、自分と父親、それからあの医師だけだ。側にいる秘書ですら知らない。「どうやら、君は本気
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