All Chapters of 婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…: Chapter 41 - Chapter 50

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第41話 陸人の想い

数分で帰宅。 同じマンションというのは、不思議な感じがした。 エレベーターだけで帰ることが出来る。 「ただいま〜」と言うと、 「お疲れ〜」と言ってくれる陸人さん。 「お疲れ様」と私も返す。 陸人さんがお風呂の用意をしてくれるようだ。 通勤服のままだったから早く脱ぎたいと思い洗面室へ行くと、陸人さんに、 「菜月〜」と、後ろから抱きしめられる。 「ありがとう」とお風呂にお湯を入れてくれたことに対して言うと、 「うん。ね〜どうだった?」と聞かれた。 とっても穏やかなお祖父様とお祖母様で、ホッとしたし、良くしていただいて嬉しかったと話すと、 「そっか、良かった」と私の髪を撫でながら、鏡に映る私の顔をジッと見つめて、 「俺たち似てるんだって」と笑う。 「似てるかなあ?」と、鏡に顔を並べて映す。 「う〜ん、似てるかもな」と微笑む。 「あ〜目元がちょっと似てるのかもね〜」と笑い合う。 そして、陸人さんが、私の唇を指でなぞり、人差し指で顎を持ち上げ、ゆっくり唇を重ねる。 「う〜ん、お風呂」と言うと、 「うん、入ろうな」と、私の半袖ブラウスのボタンに手を掛けて、1つ1つ片手で器用に開けて行く。 私も脱がせようと陸人さんの半袖シャツを見ると、前を開けて羽織っているだけなので、袖を抜いて脱がせると爽やかな白いTシャツ姿になった。 私のブラウスも脱がせられると、ブラキャミだけになってしまった。 いつも
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第42話 優しさに包まれる

でも、嬉しかった。 バスローブを羽織ってからバスタオルを外した。 チラッと見えた私のカラダに堪えながら髪を乾かしているようだ。 ──さっき全裸をお風呂で見たはずなのに…… どうもチラリズムは、違うようだ。 鏡越しに、『好き』と言ってみる。 「ん?」と言っている。 もう一度『好き』と言うと、ようやく分かったのか一瞬ニヤッと笑った。 でも、平静を保ちながら、 「もう良いかな〜」と言って、急いで自分の髪を乾かした。 ──あれ? 分からなかったのかなあ? と、私の方が不安になってきた。 そして、ドライヤーを片付けたと思ったら、ジッと見つめながら待っている私の目を見つめて、 「お待たせ! 俺も好き」と言ってチュッとして抱き上げ、ベッドルームへ。 「分かってたんだ」と言うと、 「分かるよ! 菜月の考えてることは……」と言うので、 「じゃあ今は?」と聞くと、ベッドにそっと私のカラダを沈めて、また、ジッと見つめる。 「『早く〜〜!』」と笑わせる。 「ふふ」 なので、お望み通り、 「……早く〜」と甘く言うと始まった…… 優しく唇を重ねてから何度も啄む。 こういうキスも好きだが、陸人さんの濃厚なキスは最強だから、それをして欲しくて 「う〜ん」と言うと、いつもの素敵なキスに変わり、 全身の力が抜けてしまいそうになるほど、深い愛で愛されていると感じられる。
last updateLast Updated : 2025-12-03
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第43話 私の想い

「ん? 菜月どうした?」とニヤけながら聞く。 「ダメ! ジッとしてて」と言うと、されるがまま、すぐに何も喋れなくなったようだ。 「あっ」と言ったまま、絶えている。 反応を見ながら、こちらが主導権を握るが、しばらくすると、 「あ、もう無理」と、すぐに反撃される。 「え?」と言うと、 「菜月上手すぎ」と言う。 何だか恥ずかしくなって頬を赤らめ、それ以上は抗えない。 「もういい?」と聞かれ、 「うん」と、いつものように優しく、そして、心地よく愛されるこの時間が最高だ。 私たちは、カラダの相性も良いようで、堪らなく心地よい。 そして…… 「あ─────もう菜月、大好き」と言いながら、改めてぎゅっと抱きしめてから腕枕をしてくれる。 「ふふ」と恥ずかしそうに笑うと、 「何処で覚えたの?」と聞く。 「さあ? 本能?」と答えると、 「ふ〜ん、そっか最高だ!」と言った。 今日元カノに会ったから、対抗心! とは言えない。陸人さんが私から離れられないようにしたかった。 「凄く嬉しい」とニコニコしながら言った。 堪らなくなって、 「ちょっとヤキモチ……」と言うと、 「え?」と驚いた顔をした。 そして、あの時は動揺していた陸人さんに話題を変えなきゃと慌てて話を逸らしたが、やっぱり、 顔を見ることなどないと思っていた元カノに会ってしまったのは、ショ
last updateLast Updated : 2025-12-04
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第44話 ウェディング計画

「あっ、そうなんだ!」と驚くと、 「沖縄の本島と石垣島と宮古島にも有るから言って」と言った。 「はい?」と驚いて聞き返すと…… それは、別荘として置いておくと老朽化してしまうので、貸し別荘地として管理会社に任せて、普段は貸しているので、自分達が使う時は、優先して押さえることが出来ると言う。 ──また凄い話が出て来たぞ スケールの大きさに驚く。 まさか、各地に有るのかと聞いてみると、 「いや、祖父母や両親が観光地として行きたい所だけだよ」と笑いながら言ったが、聞いてみると、 北海道、宮城、新潟、長野、東京、神奈川、静岡、愛知、京都、大阪、和歌山、兵庫、広島、愛媛、福岡、鹿児島…… 頭を抱えてしまった。 「いやいやいやいや、もうそれはほぼ全国に行けるよね?」と言うと、 「まあ、仕事で泊まる時も便利だなと思って」と言うので、 「なるほど……」と納得してしまった。 でも、別荘にする? 仕事の時は、ホテルとかに泊まるんじゃないの? とも思ったが、とにかくスケールの大きさに驚きを隠せない。 更に、海外にも店舗がいくつか有るので、いつでも行けると言う。 「一瞬で移動できるドアが有れば良いんだけどな」 と笑う。 「あ〜そうだね、ハハ」 金持ちジョークだ。 ──そんな物が有れば、私は本気で欲しいわ。 そして、 「ハワイで良い?」と聞くので、 「うん、嬉しい」と言うと、 「菜月休み取れる?」と聞かれて、 そう言えば、新婚旅行の為に、お盆休み返上で働いて、秋休みを取っていたままだった。 「おお、ならその時にする?」と言う。 「りっくん休めるの?」と聞くと、 「休むに決まって
last updateLast Updated : 2025-12-04
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第45話 突然の訪問

──週明け 私は、陸人さんの言う通りに、名前の変更を部長に申し出た。 「うん、分かった!」と部長から人事部へ伝えてくださることになったので良かったと思った。 人事部の1部の人は、久慈という名前が陸人さんの苗字で、私が結婚した相手だとご存知なので、 色々聞かれるのを避けたかった。 というか、その時点では、私はまだ知らなかった。 この前、陸人さんが会社に来て、騒いでいた女性社員たちが陸人さんのことを調べて、噂が回ってしまっていたことを…… 「おはようございます」 「おはよう、菜月ちゃん」 と、川野さんが、にこやかに挨拶されるので、思わず私は、山下さんとのことを聞いていた。 とても仲良く、楽しく過ごされているようで良かったと思った。 すると、後輩の野坂さんが出勤して来て、 「おはようございま〜す」 「おはよう」「おはよう」 「菜月さん、やっぱり物凄く噂になってますよ」と言われた。 「え?」と驚くと、川野さんが、 「何? 噂って?」と聞いてくださった。 「クズ男と婚約破棄したと思ったら、短期間でスパダリをゲットしたって」 「そんな言い方……」と川野さんが言いかけたが、 「あっ、事実ですから」と私は止めた。 野坂さんは、悪気なく何でもハッキリ物を言うタイプだから、ストレートに本心が分かって良い。 変に気遣われて腫れ物に触るように扱われ、裏で悪口を言われるよりは、良いと思っている。
last updateLast Updated : 2025-12-05
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第47話 夫の気遣い

「お疲れ様でした」と、 夕方までの仕事を終えると、また陸人さんが来た。 コンコンコン 「お疲れ様です」と皆さんに挨拶している。 ──え? 車で待ってくれるんじゃ? と思っていると、秘書さんが手に持っていた物を受け取り、 「菜月、これに着替えて」と言われた。 「え?」と、袋の中を見ると、鮮やかなテラコッタブラウン色のサテンのドレスとシルバーのピンヒールが入っているのが見えた。 ──!! キラキラしたドレスを見て、 「私がコレを着るの?」と陸人さんに聞くと、 「うん」とニッコリ笑っている。 きちんとしたお店でお兄様たちと待ち合わせなのだと思ったので、私は、 「分かった」と、更衣室に入って着替えた。 そして、ドレスに着替えて出ると…… スタッフさんたちと談笑している陸人さん。 「うわ〜菜月さん綺麗〜」とスタッフさんに言われ、 「うん、菜月ちゃん、とっても似合ってて綺麗よ」と川野さんもおっしゃってくださった。 ニコッと笑う陸人さん。 「寒ければ上着も持ってるからな」と言う。 「うん、ありがとう」 オフショルダーなので肩を出し、まるでパーティーに行くかのような格好だ。 万一の為か、ストラップレスのブラまで用意してくれていた陸人さん、さすがだと思った。 一瞬、肩紐が出ちゃうと焦ったので助かった。 だっていつも仕
last updateLast Updated : 2025-12-06
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第48話 お兄様ご家族

そして、車まで行くと、秘書さんが車のドアを開けてくださったので乗り込む。 「では、お願いします」と陸人さんが言うので、 私も、 「よろしくお願いします」と言うと、 「かしこまりました」と。 不思議そうに陸人さんの方を見ると、 「今日は、俺も一緒に飲みたいから」と、私の髪を撫でながら言う。 「そうなのね」 「うん」 そして、車は、走り出した。 ──何処へ行くのだろう しばらく走ると、到着したようだ。 高級ホテル。 ──あっ、だからこの装いなんだ 「帰りは、タクシーで帰るので、今日はこれで、ありがとう山根さん」と秘書さんに言う陸人さん。 「ありがとうございました」 私もお礼を言って、別れた。 そして、ホテルのドアマンがドアを開けてくださり、ベルボーイにエレベーターまで案内され、 お兄様ご家族が待つ、高級フレンチのお店へと向かった。 お店のスタッフさんに案内され、 「こんばんは、お待たせ〜」と個室に入って行く陸人さん。 「おお、お疲れ!」 「お疲れ様〜」と言う女性の声がして、 「あっ、りく」と可愛い声がした。 小さい子が指を差しているのがチラッと見えた。 陸人さんは、それだけでメロメロになっているようだ。 「エマ〜」 ──エマちゃんって言うんだ。陸人さんのことをりくと呼んでいる。 まだ私は、陸人と数回しか呼んでいないのに……と大人げなく嫉妬してしまった。 そして、陸人さんの後ろで少し躊躇していた私に、 「菜月、入って」と手を取り自分の前に立たせて、 「妻の菜月です」と、紹介
last updateLast Updated : 2025-12-06
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第49話 可愛い姪っ子

まだ結婚したばかりだし、仕事のこともあるので、 私たちは、すぐには子どもを作ろうとはしていなかった。欲しい気持ちはもちろん有る。 でも、まずは秋休みに、新婚旅行を兼ねて、2人だけでハワイで挙式をする計画中だから。 それが終わるまでは……と思っている。が、それももう今週末からだと気付いた! 「あっ!」 すると、陸人さんも突然思い出したようで、 「あっ! そうだ、菜月ハワイの予約取れてるから」と言ってくれた。全て任せきりだった。 「そうなの? 良かった、ありがとう〜」と嬉しそうに笑うので、陸人さんがお兄様たちにも、そう話してくれた。 「そうか! それは良いな。帰って来たら、身内だけでも披露宴しようよ。じゃないと爺さんと婆さんは楽しみにしてるぞ」と言われた。 「うん、そう思ってる」 「そうか、なら日本での日にちが決まったら教えて。調整して休めるようにするよ」と言ってくださった。 そして、結婚祝い金をくださったのだ。 「ありがとう」 「ありがとうございます」とお礼を言う。 同じバロングループ会社の総合金融事業部門、代表取締役社長とあって、これまた分厚いご祝儀袋のように見えるのだが…… ──陸人さん、スッといただいて良いの? 兄弟だから良いのかなあ? 単価がおかしくない? と、1人ドキドキしていた。 また、日本でも小さな結婚式が出来るようだ。 ──嬉しい2度もドレスが着られるなんて…… あっ、パスポート申請したままだ。取りに行かなきゃ。最近は、パスポートもオンライン申請が出来、取りに行くのは1度だけで良いようだ。便利になった
last updateLast Updated : 2025-12-07
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第50話 ハワイへ

──9月12日金曜日の夜 私たちは、ハワイオアフ島での挙式に向けて、成田からホノルルへと就業後、夜の便で向かった。 6泊8日、コレ以上仕事は休めないから、とても貴重で贅沢な時間だ。 私は、まず飛行機の座席から驚いた。 ファーストクラス、初めて乗った。 「何コレ!」 目を大きく見開き、驚いていると、 「菜月、目が飛び出しそうになってるよ」と笑っている陸人さん。 「もう飛び出して落ちちゃうよ」 もはやコレは飛行機の座席ではなく部屋だ! 個室になっている。リラックスウェアや歯ブラシ 、ソックスまで置いてあり、フラットにしてベッドとして眠ることが出来る。 「だって、もうココしか空いてなかったし、ハネムーンなんだし良いでしょう」と言う陸人さん。 「あ、ありがとうございます」と思わず握手する。 「ハハッ、喜んでもらえて光栄です」と陸人さんは笑っている。 一生ファーストクラスになど乗ることなんてないと思っていた夢のような空間。色んな機能を満喫したいと思った。 飛行機を待つ間もラウンジを利用することが出来た。ファーストクラスには、色々な特典が有るようだ。 でも、飛行機にこんなにお金を使って大丈夫なのかしら? これだけでお祖父母様からいただいたお祝いがなくなってしまうんじゃないかと心配になる。 ──いや、往復だともっとかかるのかも…… 陸人さんのご両親からもお兄様ご夫婦からもお祝いをいただいたが…… 陸人さんには、お金の心配など必要ないのかしら。 私の親から貰ったお祝いは、『菜月が使って!』と言って、陸人さんは一切受取らなかった。 大きな会社の代表取締役って、いったい貯金がいくらあるのかしら? 全く見当もつかない
last updateLast Updated : 2025-12-07
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