All Chapters of 婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…: Chapter 61 - Chapter 70

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第62話 帰国早々

ひょんな事から、ヘッドハンティングや共同開発の話までに発展してしまったが、 とりあえず、帰国してからにしよう! と言うことになった。 残りの新婚旅行を楽しまなくては…… いよいよ、私たちは最終日を迎えて、綺麗な海をボーっと見ていたいと言う私の願望を叶えてくれた陸人さん。 「ワイキキまで歩いて来られるなんて、ホント贅沢だよね」 「うん、そうだな」 ハワイに到着した時と同じように、陸人さんは、私を囲うように座って、海を眺めていた。 「あ〜〜綺麗だよね〜」 「うん、綺麗だ」 オアフ島の北部の方へ行った時に見たノースショアは、サーフィンのメッカだった。大きな波を待っているサーファーがたくさん居た。 ワイキキでは、サーフィンのレッスンを受けている人も居る。 「りっくん、サーフィンしたことある?」と聞くと、 「うん、あるよ」と言う。 「そうなんだ、何でも出来るんだね」と言うと、 「菜月もやりたい?」と聞くので、 「そうだね、また機会があればね」と言うと、 「うん、分かった」と微笑む。 そして、また、私の頬にキスをしている。 「ん? そのキスは、どういう意味?」と振り向きながら聞くと、 「意味? 愛おしいからする! ダメ?」と言って、また唇にキスをした。 「あっ……」 黙って前を向く。 もう、される側としても慣れて来てしまった。 慣れって怖い。 きっと周りの雰囲気に影響されているのだろう。 まあ、日本では立場も有るし、何処でもキス出来るわけではないので、ハワイに居る間だけだろう。 大目にみよう。 たっぷり海を満喫した!
last updateLast Updated : 2025-12-13
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第63話 共同開発

──月曜日 「長いお休みをいただきまして、ありがとうございました」と、出勤し皆様にお土産を配って歩く。 「「「「ありがとうございます」」」」 「お帰りなさい。うわ〜ありがとう! ハワイどうだった?」と川野さん。 「とっても海が綺麗で最高でした」と言うと、皆さん羨ましいと、おっしゃっていた。 そして、私は個人的に川野さんに、山下さんとの進行状況を聞いてみた。 変わらず、同棲をしているとのことで、仲良く過ごしているようだ。 「良かった! 川野さん、もうすぐ結婚とか?」と聞いてみると、やはり、2人の仲では、もういつでも構わないと思っているようなのだ。 「そうなんですね」とニコニコしてしまう。 お子さんのご予定などは? と踏み込んで聞いてみた。 私には、今後の仕事に関わる重要案件だからだ。 すると、 「う〜ん、子どもは、どうかなあ? そりゃあ授かれば良いけど……」と少し控えめな答えだった。 まだ30歳、まだまだ大丈夫! なのに、あまり積極的ではなさそうだった。 私にすれば、もしも転職となってしまった場合は、川野さんに後任を託せると思っている。 今後の流れで、どうなるかは分からないが、とりあえず今日、陸人さんがウチの社長に話があると言っていたと話すと、 「そうなんだ! また何かが動き出すのね?」と、察しの良い川野さんは、理解してくださった。 「はい」 そうこうしていると、また廊下がザワザワ騒がしくなって来た。 「あら? ご主人がお見えなんじゃない?」と、微笑む川野さん。 「あ〜そのようですね……」 コンコンコン 「おはようございます」 「「「「「おはようございます」」」」」
last updateLast Updated : 2025-12-14
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第64話 また熱い夜

社長は、もちろん私に辞められるのは、困るので、 陸人さんにお任せしてリモートにしていただきたい! と言った。 仕事も続けられるし、リモートも出来ることになった。 ならば、とりあえずは、安心だ。 私も一言、 「私は、この仕事が好きです。この会社には、大変お世話になったので、出来る限り頑張ります! でも、もしこの先、仕事と家庭との両立が難しくなった場合は、後任の方にお願いして、辞めることになるかもしれないということは、ご了承ください」と伝えた。 社長は、 「分かった! それまでに、クッキングシートの冷食の開発は、お願いしますよ」と言った。 「はい、頑張ります」 ──結局、社長は、それだけが出来れば、もう私は要らないようだ…… 両社での契約が成立し、新たな開発を進めることに決定した。 結局、従来通りの商品開発と、クッキングシートの冷食の開発を同時に進めることになったので、やはり、川野さんは、クッキングシートの開発に携わって欲しいと思ったので、従来通りの商品開発のグループリーダーとして、野坂さんに経験してもらうことにしたのだ。 必ず何か有れば、すぐに報告すること! 「分かりました」と、言ってくれたので、何とか良い方向に進んでくれるよう願う。 ***** 「ただいま〜」 陸人さんは、会社に戻り他の仕事をしているようで、まだ帰っていない。 「ふぅ〜」 お風呂の用意し、冷凍庫の冷食を見て、 「上手く行ってよ!」と呟く。 我が家で
last updateLast Updated : 2025-12-14
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第65話 2度目の挙式

ハワイでの挙式から1ヶ月が過ぎ、10月19日(日)曜日に、身内だけで、ホテルでの挙式披露宴を執り行うこととなった。 ずっと楽しみにされていた陸人さんのお祖父母様と、お兄様家族、お互いの両親。 本当に身内だけで執り行う。 なので、披露宴と言うより、お披露目という形だ。 私の祖父母は、皆んな早くに亡くなっている。 父方の祖父母は、私が幼い頃に病気で亡くなったので、ほとんど記憶がない。 母方のお爺ちゃんは、私が大学生の頃に、お婆ちゃんは、社会人になった時、とても嬉しそうに就職出来た事を喜んでお祝いしてくれたのに、あの流行り病に感染し、呆気なく命を奪われてしまった。 ──花嫁姿すら見せてあげられなかった お爺ちゃん、お婆ちゃん! 空から見守っててね 教会の扉の前で、スタッフさんに説明を受けて、スタンバイする。 「2度目だけど緊張する」と、隣りに立っている父に言うと、 「う、ん……」と、父の方がもっと緊張している様子だった。 なので、緊張をほぐそうと、 「お父さん! ありがとうね」と言うと、 「え? 何だよ」と照れくさそうに言った。 「色々、ご心配とご迷惑をおかけしました!」と言うと、 「おお……」とだけ言った。 「陸人さんと結婚させてくれてありがとう! 私凄く幸せだよ」と言うと、 「そうか、なら良かった!」とやっと微笑んだ。 「あの時、お父さんが陸人さんの所へ行きなさい! って言ってくれなかったら、結婚なんてしてなかったと思うから」と言うと、 「そうかなあ? 陸人くんは、最初からお前に気があったようだけどな」と言って笑った。 ──鋭い! お父さん、見抜いてたんだ! 「まあね、最高の人と出会えまし
last updateLast Updated : 2025-12-15
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第66話 大ヒット

そして、結婚式ムードは、終わり。 怒涛のような業務で、いつの間にか年を越し、2026年になっていた。 ──3月 私たちは、この日まで、来る日も来る日もクッキングシートを使った料理を考え試作しては、改良に改良を重ね続けた。 そして、開始した9月から半年が過ぎた。 本来1から商品を考えて作るとなると、年単位で開発されることが多い中、急ピッチで作業を続けた。 今回の場合は、そもそも、既存のアイデアを商品向けに改良した物だから、独自の冷凍技術を使えば、家庭の物とは異なり長期保存が可能になる。 あとは、いつも通りの流れで作業を進める。 見た目だとか、栄養面だとか、美味しさ、コストなどのバランス調整など。 お安く美味しく、お手軽に手に取っていただける商品と、少し贅沢なプレミアム商品との両方を作ることで、ターゲットが変わってくる。 お好きな方を選んでいただくことも大事なので、パッケージにも拘る。 一目で、何が入っているのかが分かるという事は大事なことだし、量を多く食べたい人向け用も考えなければ。 もちろん最初は、ノーマルサイズから始める。 それが売れれば、その他もGO! 出来る。 その為、我が家でも毎日のように、クッキングシート料理が並んだ。 陸人さんは、喜んでくれたので良かった。 そして、3月29日、 ついに、第1弾を販売したのだ。 ご飯とセットの物、おかずだけの物。 初日、私と川野さんは、陸人さんのお店、バロンへ偵察に行った。 「誰も手にしなかったら、どうしよう」 ドキドキが止まらない。 しかし、昼間、主婦の方々もチラホラ手に取って購入してくださった方がいらっしゃった。 嬉しくて泣きそうになった。
last updateLast Updated : 2025-12-15
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第67話 衝撃の事実

暗がりの中に、卓人が居た。 「何の用? 接近禁止だよね?」と言うと、 「おお、でもさ。お前の考えた商品が売れたんだろ? なら、俺から金なんて取らなくても良かったんじゃないのか?」と言った。 「あれは、あくまで慰謝料だよ! 人を傷付けておいて何も思わないわけ?」と言うと、 「そうよ! 中嶋くん、菜月ちゃんは、何もお金が欲しくて、訴えたんじゃないわよ! お金になんて困ってないんだから! 貴方が悪いことをしたからでしょう? まだ分からないの!」と、川野さんも言ってくださった。 「分かってるよ。悪かったと思ってる。でも、金持ちと結婚したなら、金なんていらね〜だろ! 返してくれよ」と言った。 益々情け無い奴だと呆れてしまった。 「いい加減にしなさい!」と、川野さんが怒鳴ってくれた。 「ちゃんと自分で働いて稼ぎなさいよ! これ以上しつこくするなら、警察を呼ぶしかないわね」と、言ってくださると、 「ごめん。金じゃないんだ! 菜月を失ったことを凄く後悔してる。他の女の人を見ても何とも思わなくなってしまって……本当にバカなことをしたと思ってる。ホントごめん」と言った。 「もう遅いよ。美緒は?」と聞くと、とっくに別れて、あれ以来会っていないと言った。 「そう、じゃあ、新しい人でも見つければ? 私に出来ることは、もう何もないから。2度と私の前に現れないで!」と言った。 「分かった。今、幸せなんだな?」と聞いた。 「うん、驚くほど幸せ! 別れてくれてありがとう」と私は、思わず言っていた。 「そっか……俺、海外に行こうと思って。だから、もう2度と来ないよ。悪かった。じゃあ、お幸せに」と言ってようやく帰って行った。 川野さんが、 「何処へでも行け! こっちは、幸せだっつうの」と言っている。 「はい! ありがとうございました」
last updateLast Updated : 2025-12-16
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第68話 衝撃の事実2

「えっ? 嘘でしょう? 美緒から誘ったんじゃなかったの?」と聞くと、 「いや……俺からだ。ホント申し訳なかった」と言ったのだ。 美緒が、『一度だけ寝て、捨ててやった!』と言っていたのに、実は美緒は、彼がクズだと分かっていたから、私と別れさせる為に自分が犠牲になって寝たのだと言う。 「そんな……」 若気の至りだと、もう一度私に謝って、奥様と見られる女性の元へと足早に戻って行った。 ──謝る相手が違うよ…… 私は、衝撃過ぎて、気が動転していた。 あまりにも帰りが遅いので、陸人さんが迎えに来てくれた。 「菜月! どうした?」と聞かれて、 「りっくん……」と、私は、放心状態だった。 私の様子がおかしいのを見て、陸人さんは、とりあえずロビーの椅子に腰掛けさせた。 「話せる?」と聞かれて、私は、先ほどの事を話した。 すると、陸人さんもかなり驚いていた。 そして、私と同じことを思ったようだ。 「もしかすると、中嶋卓人のことも、そうだったのかもしれないな」とボソッと言った。 だから、美緒は私が卓人と付き合いだして直ぐに、『紹介して!』と言ったのか…… もし美緒に対して、卓人が色目を使ってくれば、私の結婚相手として、アウトだと思ったのか? 「何よ、それ……」と全身の力が抜けた。 だから、真面目で口煩くて、でも会社の社長でイケメンで、完璧な陸人さんを、美緒は私の結婚相手にする為に、また自分のカラダを傷つけてまで、紹介してくれたのだろうか…… 「ずっと、おかしいと思ってたんだよ
last updateLast Updated : 2025-12-16
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第69話 美緒の本心

待ち合わせのカフェで2人で待っていると、美緒が来た。 「な〜に? 今や話題の大ヒット商品を作ったお2人が、私なんかに用はないでしょう?」と言う。 出来ることなら2度と会いたくないと思っていた相手だ。以前より少し派手な格好をしている。それに、少し痩せたようにも見える。 「今何してるの?」と聞くと、 「小さい会社の受付嬢」 「そうなんだ」 「子会社は、土曜日でも休みなんてないのよ! で? 2人揃って何?」と、電子タバコに火を点けようとしている。 「え? お前ココ禁煙だろ?」と陸人さんが言うと、 「ゲッ! 出た!」と陸人さんにイヤ〜な顔を見せながらも止めたようだ。 そして、真相に迫った。 私は、元カレの大崎君に会ったことを美緒に伝えた。 一瞬、眉がピクッとしたようだが、 「へ〜そんな名前の人、居たね」と言った。 そして、大崎君に聞いたことを伝えると、 「そうだっけ? そんな昔のこと忘れちゃった」と誤魔化した。 「美緒が私に言ったんだよ! 寝取って捨てたって」と言うと、また、ピクッとした。 「あ〜そうだっけ? 顔も覚えてないって」 「もしかして、私の事を思って、別れさせてくれたの?」と聞くと、 「だから、もう忘れたってば」と言う。 「じゃあ、卓人も?」と聞くと、 明らかに、驚いた顔で目を見開き、一瞬私と目を合わせたが、すぐに右上を向いている。 「私から誘ったのよ、1度くらい良いかなって。
last updateLast Updated : 2025-12-17
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