庭の小径を吹き抜ける風に、花々の香りが混じる。外は穏やかに見えるのに、胸の奥は不安と緊張でいっぱいだった。視線の端に、監察官の足音がかすかに響く。私の心臓は跳ね、思わず息をひそめる。手を握ってくれるレオンの温もりが、わずかに安心をくれるけれど、恐怖は消えない。「ヒスイ、怖がらないで。僕が傍に居ますから」レオンの声は低く、穏やかで、胸に直接響く。私は息を整えながら、小さく答える。「……うん、でも……」言葉を続けられず、唇を噛んだ。「大丈夫です。僕が必ず守ります。君に危険が及ぶことは、決して許しません」その声は、私を包み込む布のように柔らかく、しかし揺るぎない決意を感じさせた。胸の奥が熱くなり、涙が少し滲む。監察官がさらに近づく気配がする。視線が私を射抜くようで、身体が自然に硬直した。私はレ
Last Updated : 2025-12-06 Read more