視界に揺らめいていた翡翠色の光が、徐々に薄れていく。暴れ狂っていた魔力は嘘のように静まり、私の体の奥に吸い込まれるように収まった。「……はぁ……っ……はぁ……っ」息が荒い。膝が震える。でも、倒れはしなかった。支えてくれる腕があったから。レオンが、私の背に手を添えたまま、真剣に覗き込む。「ヒスイ、大丈夫ですか……? 痛みは……?」「だい……じょうぶ……少し、力を使いすぎただけ……」「嘘はだめですよ。顔色が、いつもよりずっと白い」指先がそっと頬に触れた。くすぐったいのに、胸の奥がじんと熱くなる。「本当に……無茶をするんですから。でも……そのおかげで、大きな手がかりが得られましたね」レオンの言葉に、私は震える息を整えながら頷いた。「さっき……見えたの。結界の奥に、黒い魔力の塊があった。あれ、多分……人為的に隠されてた痕跡よ」「その“痕”を見れるのは……ヒスイだけでしょうね。 あなたの魔力特性は、隠匿術式と相性が良すぎるくらいですから」レオンさんの声は興奮と緊張が混ざっていた。いつもの紳士的な雰囲気の中にも、どこか熱がこもる。「黒幕は、おそらく……上層部の中でも“最上位”。 この結界層に細工できる権限を持っているのは、一名だけです」「じゃあ……名前は……?」「まだ確証はありません。 でも、次の層を調べれば決定的な証拠が得られるはずです」レオンさ
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