由紀はキッチンに入り、母親の裕子に言った。「お母さん、友達の分も夕飯をお願い」「わかったわ」と裕子。「範経はベッドで寝てるから、食事を別にして」と由紀。「具合が悪いの?」と裕子。「疲れてたみたい。ぐっすり寝てるわ。それから、みんな泊まるから、あと三人分、お布団を出して」と由紀。「それでどうなったの」と裕子。「範経は家出をしないし転校もしない。うまく話がまとまったわ」と由紀。「よかった。安心したわ」と裕子。 キッチンでの会話を隣のダイニングルームで聞いていた祥子が言った。「由紀、話を端折りすぎじゃね?」「いいのよ。お母さんを心配させてどうするの?」と由紀。「それもそうだな」と祥子。「玲子はどうするの? 泊まっていくでしょ」と由紀。「もちろんよ。こんなに楽しいお誕生日会は初めてだわ!」と玲子。「お前、本当に動じないよな」と祥子。 由紀と祥子、玲子は母親の裕子が用意した夕飯をダイニングルームで食べた。「おいしかった。お腹いっぱいだわ」と玲子。「範経はまだ寝てるかな」と祥子。「どうかしら」と由紀。「部屋にもどりましょう」「私たちがいて、うるさくないかしら」と玲子。「大丈夫よ。範経は布団さえあれば、どんな場所でも寝られるから」と由紀。「それに、あいつが目を覚ましたとき、私たちがいた方が安心するだろ。ご飯も食べさせないといけないし」と祥子。「そうね」と玲子。「順番にお風呂に入って頂戴。私が範経を見てるから」と由紀。「着替えを持ってくればよかったわ」と玲子。「私のを貸してあげる。祥子は?」と由紀。「私は寝間着を持ってきてるよ。範経と寝るつもりだったから」と祥子。「残念ね、今日は私が範経に添い寝するわ」と由紀。「まあ仕方ないか。今日の作戦を立てたのは由紀だから」と祥子。「由紀ちゃんって本当は怖い女だったのね。計画的に男の子を縛って拉致しようとするなんて。知らなかったわ」と玲子。「拉致が目的じゃないわよ。説得するためにお芝居で縛っただけよ。勘違いしないで!」と由紀。「だけど迫真だったわ。範経君をひっぱたいて、押し倒して、縛り上げてからのラブシーンなんて。ああ、思い出してもドキドキする」と玲子。「変な表現しないでちょうだい。そんないやらしいことしてないわよ!」と由紀。「由紀ちゃんが範経君の体にしがみついたとき、両足でも
Last Updated : 2025-11-21 Read more