「麗華は悪くない。悪いのは範経兄さんだわ」と圭。「どういう理屈なの? 悪いのは父親と継母じゃない。虐待よ。ひどすぎるわ」と由紀。「いいえ、そもそも範経兄さんが悪いわ。女の子に気を持たせて、いざとなったら逃げてしまうなんて最低だわ」と明。「あなたたち、話を聞いていたの? 範経は再婚家庭のトラブルに巻き込まれただけよ」と由紀。「それが間違いだわ。なぜ兄さんは自分から何もしなかったの? 何もトラブルを解決しようとしなかったじゃない」と圭。「ひとりぼっちの麗華ちゃんの面倒を見てあげていたのよ。十分解決してるわ」と由紀。「いいえ、そこが問題なんです。兄さんは麗華の世話を喜んでしていたはずよ」と明。「しかも、麗華が自分を好きになることを分かっていた」と圭。「範経はそんな悪人じゃないわ。範経が魅力的だから女性がひきつけられるだけのことよ。まるで罠にかけたような言い方しないで!」と由紀。「兄は馬鹿じゃないわ。むしろその逆」と明。「範経は結果がわかっていても親切をする人よ」と由紀。「兄は天使ではなくて悪魔よ。親切をして、一緒に落とし穴に落ちていくのよ。わかるでしょ」と圭。「範経はいつも自分を犠牲にして人を助けるわ。今回だってそうよ。範経は麗華ちゃんのためを思って世話をして、最後に身を隠している」と由紀。「兄は女の子とひどい目に合うのが大好きなマゾなのよ」と明。「そんなお兄様が大好きなの。だからいつも苛めてあげるの」と圭。「範経はそんな変態じゃないわ」と由紀。「そうかしら。とても逃げられない状況に落ちて、相手とスリルを楽しむの」と明。「範経兄さんは父に殴られ、麗華は範経兄さんを助けようとして母を傷つける。最高のシチュエーションよ」と圭。「そんなふうに思えるのは、あんたたちが変態だからだ」と祥子。「範経、何か申し開きすることはあるかしら?」と美登里。「ぼくは泣いてないよ」と範経。「そりゃ嘘だ」と祥子。「兄さんが泣き虫だってみんな知ってるわ」と明。「しかも貞操の危機に泣くのはいつものことよ」と圭。「なによ、みんな知ったようなことを」と由紀。「みんな知ってるわ。あなただって。それより、範経、この子どうするつもり? 結婚してあげるの?」と美登里。「麗華ちゃんはまだそんな年じゃないよ」と範経。「何言ってるの。麗華ちゃんは
Last Updated : 2025-12-07 Read more