正妃フレアは、裸でカインの部屋を抜け出して以来、自室に閉じこもって外に出てこないらしかった。入室も限られており、今は親しい侍女だけが出入りを許されていた。特に男性の入室は完全に拒絶され、彼女と契約している魔法使いのギルドでさえ入れないらしい。智也は、妹のモモを連れてフレアの部屋を訪問した。カインの側室が正妃の部屋を訪ねたことで、お付きの侍女はおたおたしていたが、すぐにフレアに智也の訪問を伝えてくれた。すると、開かずの扉のように閉ざされていたフレアの部屋の扉を、彼女自ら開けてくれた。「トモヤおねーさまーーー!!」「うわぁあ!!」扉から飛び出してきた彼女は、智也に抱きついてきた。智也は彼女を受け止めきれず、廊下の床に転がってしまった。智也の背中にしがみついていたモモはもっと悲惨で、妹は智也とフレアの体重に押しつぶされて『ふぎゃ』っと声を出した。何とか上半身だけ起き上がった智也は、フレアの変化に気が付いた。もともとぽっちゃりとした体型をしていたが……なんだか、ぽっちゃりを通り越してどっしりしている。体重が増えたせいで受け止めきれなかったらしい。智也は戸惑いながらも、その事を口にした。「フレア……ひょっとして、太った??」「うっ、わぁあんーーーー」智也が体重の件に触れると、途端に泣き出した。困った智也は、元男の意地で泣いている太った正妃をお姫様抱っこすると、そのまま彼女の部屋へと入った。足はよたよたするし腰は痛いしで、智也は突進するように彼女の寝室まで運ぶと、フレアと妹と智也の三人は一緒にベッドにダイブしてしまった。「はぁーーー、疲れた。って、何この部屋!!」智也は寝室のベッドを取り囲むようにして、お菓子の包み紙が大量に床に散乱していることに気が付き、思わず声をあげてしまった。「ううっ……ごめんなさい」フレアは、ベッドの上で泣くばかりである。妹のモモはまだ食べられていないお菓子をベッドからすこし離れたテーブルで発見すると、文字通り猫のように智也の背中からテーブルに乗り移り、クッキーらしきものを食べ始めた。「こら、猫モモーーー。お行儀悪いよ!!」「トモヤおにーーさま、最高に美味しいですにゃぁ。ぱくぱくうまうまですぅう」「そんなに美味しいの?」ちょっとお腹がすいていたこともあり、智也はベッドから降りるとモモに近づいて、モモが食べているクッキーを
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