正広に結婚をやめたいと電話した後、それっきりで、結局きちんと話をしていない。結婚をやめるのだから、当然私たちの関係は終わりになる。少なくとも私はもう、正広に気持ちはまったくなくなっていた。だからこそ、改めて正広と話をしなくてはいけない。 そして、現実的な問題も山積みだ。 式場のキャンセル、指輪のキャンセル、親への説明。考えるだけでもやることは目白押しだ。 とにかく、まずは正広と話をしよう。 そう思っていた矢先――私は、正広の両親から直接呼び出されてしまった。 正直、戸惑っている。だって、私はまだ正広とちゃんと話をしていない。 あの日、電話で結婚をやめたいと伝えただけ。 具体的な話は何一つしていないし、正広の気持ちも何も聞いていないのだ。だからこそ、正広と直接会って、ちゃんと向き合って話し合いがしたいと思っていた。 そうやって、正広にも伝えようと思っていた。それなのに、正広じゃなく、両親が出てきてしまった。 一体、正広はどんなふうに伝えたのだろう?もしかして、私が一方的に逃げたみたいな言い方をしてるんじゃないだろうか。 私が悪者になってるんじゃないだろうか。不安と怒りが、じわじわと胸の奥で混ざり合っていく。 まだ何も整理できていないのに。 心の準備もできていないのに。現実だけが、容赦なく押し寄せてくるのだ。 ああ、胃が痛い。
Last Updated : 2025-12-31 Read more