隆司は狂ったように家中をひっくり返し、探し回った。部屋はすでに足の踏み場もないほど散乱している。凛に関する物はすべて、理恵が持ち去ったあとだった。何一つ、形として残っていない。それでもとうとう、隆司は凛の日記を見つけ出した。震える指でそっとページを開いた瞬間、胸が張り裂けるようだった。きっと凛は、出発を急ぐあまり、ふたりの思い出を置き忘れていったのだろう。最初のページには、ふたりが初めて出会った日のことが綴られていた。甘く眩しい時間が、びっしりと文字になって残されている。しかし、ページを進めるごとに、書き込みの間隔は徐々に広がり、やがて星屑のように散った愛情は、跡形もなく薄れていった。そしてついに、隆司の視界に美月の名が飛び込んできた。目に飛び込んできた衝撃的な文字に、心が血を流すようだった。【隆司、あんたが憎い】わずか八文字に、凛はありったけの想いを叩きつけていた。筆跡は紙の裏にまで滲み、彼に向けた憎悪が生々しく刻まれている。あの日、飛行機が事故に遭いかけた時、凛もその機内にいたのだ。突然、玄関を叩く音が響く。ドアを開けると、先日会った不動産会社の女性マネージャーが立っていた。「高橋さん、こんにちは。こちらの物件は萩原さんがすでに売却されましたので、速やかに退去をお願いいたします」隆司は拳を握りしめ、背中を壁にもたせた。続けて彼女は一通の契約書を差し出した。このマンションは元々隆司の名義だった。だが今は、萩原の所有となっていた。かつて隆司が美月のために結んだ購入契約は、すべて無効化され、さらに美月のために用意した財産の多くも返還を求められていた。その知らせを前に、隆司の胸には、喜びと憂いが入り混じった。これほど周到に事前の手配をしていたということは──凛は、死んでいない。その確信が全身に走り、隆司はよろよろと凛の実家へ駆けた。ドアを開けた理恵は、隆司の姿を見るなり入口を塞ぎ、強く睨みつけた。「お義母さん、教えてください。凛は一体どこにいるんですか?」理恵は不機嫌に息を吐き、きっぱりと言い放つ。「凛ちゃんならすぐそこの墓に埋まってるわ。会わせてあげてもいいわよ。真っ昼間から馬鹿なこと言うんじゃないよ!」隆司の目は真っ赤に見開かれ、血走っていた。ひざから
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