「……それって、本当に恋愛脳なのか?」 青峰は両手で顎を支えながら、自分の抱いている感覚をどう言葉にすればいいのか考え込んでいた。 その時だった。 二人の少し後ろから、よく通る声が響いた。 「それが恋愛脳かどうかは、先生の筆の下にいる登場人物たちが、どんな『選択』をするかで決まるんじゃないかな」 振り返ると、そこには笑顔で手を振る颯斗と、両手をスラックスのポケットに入れ、仕立ての良いスリーピーススーツを隙なく着こなした練の姿があった。 今の言葉を口にしたのは、ほかでもない練だった。 「みなさん、どうしてここに!?」 青峰は目を丸くした。 「今日で無事クランクアップだって聞いたからな。お祝いと陣中見舞いを兼ねて来たんだよ」 颯斗は朗らかに笑いながら歩み寄り、親しげに青峰の肩へ腕を回した。 「霧生先生、先日は本当にお世話になりました」 皆川は立ち上がり、練と丁寧に握手を交わした。 「……今のお話ぶりからすると、もしかして僕の小説の結末について、何かご意見をお持ちなんですか?」 「意見だなんて、とんでもない。以前、ナナミさんからこの作品の大まかなあらすじを聞かせていただく機会がありましてね。ですから、青峰さんが今どんなお気持ちなのか、ある程度は理解しているつもりです。 青峰さんはもともと、ご自身の考えを言葉にするのが少し苦手なところがありますから、つい横から口を挟んでしまいました。どうかご容赦ください」 「そんな、とんでもありません」&
Read more