颯斗は一瞬、何を言われたのか呑み込めず、一拍置いてからおずおずと自らを指差した。 「……俺が?お前の心界に、入るだと?」 「その通りだ。D.I.A.を介して、な」 練は片手でこめかみを支え、もったいぶるようにゆっくりと告げた。 「初回はテストも兼ねる。お前の共感力がどこまで通用するか、この俺が直々に見極めてやる。前回は俺がお前の『中』に入ったが、今回はお前が俺の『中』に入る番だ」 その言葉を耳にした途端、颯斗の脳裏にあの日の記憶――自分の心界で、練と交わした破廉恥な行為の数々――が鮮やかに蘇り、羞恥に顔を真っ赤に染め上げた。 「なっ……!何が『俺がお前の中に入って、お前が俺の中に入る』だ!もっとまともな言い方ができねえのかよ!」 「事実だろう。俺は何か間違ったことでも言ったか?」 練はそう言いながら、いつの間にか音もなく颯斗の手に触れ、その指を絡めとっていた。 「前にも言ったはずだ。潜在意識は人によって千差万別。単純な思考回路の人間ほど、心界への侵入は容易い。……例えば、お前のような、な」 颯斗は言葉を失い、改めてリクライニングチェアと物々しい装置全体を見回す。 その間にも、練は颯斗の指にさらに深く己の指を絡ませてくる。その感触に、颯斗は一瞬、息を詰めた。 「おい、話があるなら口頭で済ませろよ。何でそうベタベタ触ってくるんだ」 「手ずから教えてやっているんだ。俺の心界への侵入は、そう容易いことではない。ましてやお前は、右も左も分からぬ素人なのだからな」 練が不意に腕を引いたため、颯斗は体勢を崩し、その
Terakhir Diperbarui : 2026-01-01 Baca selengkapnya