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第31話

Auteur: 霜晨月
last update Date de publication: 2026-01-02 20:00:05

再び目を開けると、颯斗は自分が見渡す限りの草原にいることに気づいた。

薫風が微かな暖かさを運び、足元では野花が揺れている。颯斗は辺りを見回したが、この広大な草原にいるのは自分一人だけのようだ。そして前後左右の四方向には、それぞれ扉が一つずつ、草原の上に唐突にそびえ立っていた。

「ここはどこだ?」颯斗は訳が分からないといった様子だ。「俺は……霧生さんの心界に入ったのか?」

自分の心界は監獄だというのに、練のそれは、あまりにものどかな大草原だった。両者の対比が強烈すぎて、颯斗は思わず気恥ずかしさを感じてしまった。

「霧生さんー!」

颯斗は大声で練の名を呼んでみた。しかし荒野には、自分の声が虚しくこだまするだけで、何の応答もなかった。

それにしても、練も変わった男だ。自分から颯斗を心界へ招き入れておきながら、い

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