疲労困憊の旅を経て、瑛司と絵理奈はようやく我が家に辿り着いた。しかし、テラスでは翔と琴音が腕を組み、今にも爆発しそうな顔で待ち構えていた。「……どうしてそんなに怖い顔をしているの?」絵理奈は苦笑いしながら歩み寄った。「パパとママの嘘つき!すぐ帰るって言ったのに、朝起きてもいなかったじゃない!」琴音はママそっくりの顔で抗議した。「そうだよ!吾妻おじさんのスマホから何度も電話したのに、全然出ないし!」翔も不満げに頬を膨らませた。怒り心頭の子供たちを前に、絵理奈はたじろいで唾を飲み込んだ。瑛司は小さく息を吐き出した。「どうしてパパたちを責めるんだ?怒るなら、昨夜酔い潰れたママを——」「ちょっと!」絵理奈は慌てて瑛司の口を塞いだ。子供たちの手前、必死に作り笑いを浮かべて言い訳をひねり出した。「ご、ごめんなさいね。パーティーが夜中までかかっちゃって。疲れたまま運転するのは危ないから、ホテルに泊まったのよ」「それでも怒ってるもん!」二人は声を揃えた。瑛司は絵理奈の手をどけ、子供たちに顔を近づけて悪戯っぽく笑った。「そうか、ならママにたっぷり怒ってやりなさい」そう言い残し、絵理奈の睨みつける視線を背に受けながら、可笑しそうに笑って家の中へ入っていった。子供たちの怒りを静めるため、絵理奈はとっておきの切り札を切った。「そんなに怒らないで。お詫びに、琴音にはプリンセスのお人形、翔くんには欲しがってた黄色のユニフォームを買ってきたわよ」その言葉に、二人の目はパッと輝いた。「本当!?ママ嘘じゃないよね!?」「ええ、城田おじさんが車から運んでくれたはずよ。さあ、一緒に開けましょう」さっきまでの怒りはどこへやら、二人は歓声を上げて家の中へ駆け込んでいく。大喜びでプレゼントを抱きしめ、「ママ大好き!」と絵理奈に抱きつく子供たちを、ソファに座った瑛司が目を細めて見守っていた。絵理奈は瑛司に得意げな視線を送り、ペロッと舌を出してみせた。愛する絵理奈と子供たちの笑顔。瑛司の胸の内に、長年求め続けていた穏やかな幸福が確かに満ちていた。午後。テラスでは、翔がバスケットボールのドリブル練習をし、琴音がその傍らで人形遊びに夢中になっていた。「ママ、こっち!」琴音が手を振った。絵理奈が近づく
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