利玖の後に続いて講堂の大きな扉を潜ると、ふわりと空気が変わった。そして私は、その独特な造りに思わず息を呑んだ。 外の陽射しの眩しさが嘘のように、講堂の中は少し冷んやりとしていた。床を踏む足音もどこか吸い込まれていくようで、自然と声を潜めてしまう。 講堂の真ん中を真っ直ぐに伸びる通路。そして講堂の中心には、円形の大きなステージがあって、それを座席が円を描くように並べられている。 中央を境に左右対称な構図は、とても美しかった。 どこから見ても、視線が自然と中央に集まる構造。誰もが舞台を中心に心を寄せるように設計されていた。 上を見上げれば、ステージの上に広がる天井には、美しく織り上げられたステンドグラス。青や緑、金や紅の硝子が幾重にも並んで、魔法の繊細な文様を形作っている。 その合間から差し込む自然光が、まるで光の粒となってステージに舞い降りていた。 天井と壁に掛かっている魔械灯の柔らかな照明は、講堂を優しく包んでいた。「すごい……。」 思わず、小さく息を呑んだ。 私たちよりも先に到着していた新入生たちは、もう席に着いていて、思い思いに過ごしていた。 天井のステンドグラスを眺めている子、隣の友達と小声で笑い合っている子、緊張した面持ちでじっと前を見てる子。 私たちが講堂に入って来たのに気付くと、座席のあちこちから一斉に視線が集まる。座席の後ろの方に座っている子はよく見えないけど、ほとんどの子がこちらを振り返り、まるで私たちという存在を一つの情報として確認するかのように、じっと見つめていた。 興味深そうに目を細めて観察する子、椅子に身を預けたまま斜めにこちらを見ている子、そして私と目が合った途端、ビクッとして頬を赤くして視線を逸らす子もいた。「うわぁ……見られてるね……!」 隣の詩乃ちゃんが、小さな声で私の耳元にささやいた。だけどその声も、どこか楽しそうだった。 私も小さく頷いて、グッと背筋を伸ばした。 この場所に立つこと、誰かの視線に晒されること。それは少しだけ怖くて、それ以上に、何だか誇らしかった。「では、この区間の席の、前から順番に座っていってください」 ステージの前に立ち止まった利玖が、後ろを振り返ってそう言った。 私たちが歩いてきた中央の通路よりも少し狭い通路が、座席の間に伸びていて、それがまるで花びらの
Last Updated : 2025-11-28 Read more