九条家の本館へ戻ると、最近ますますおしゃべりになった瑛太が、真由美に今日あったことを一生懸命話し始めた。みんなで山へ行って、女の人と男の子を見つけたらしい。遥たちがお墓参りに出かけたことは、真由美も知っていた。墓地のあるあの山で人を見つけたと聞き、真由美はぎょっとした。「えっ……誰?どんな人だったの?」手にしていた花瓶を落としかけ、声まで震えていた。墓地で人を見つけたと聞いて、一瞬、義母が何か知らせに来たのではないかとまで考えてしまった。ありえない話だとは分かっていたが、修が何度も見たという夢のことまで思い出すと、妙に落ち着かなかった。そこへ、手を洗って着替えを済ませた遥が戻ってきた。真由美の顔を見るなり、遥は苦笑して事情を説明した。倒れていたのは、敏の今の妻と子どもだった。しかも、見つかったのは九条家の墓地だと聞き、真由美は目を丸くして修と顔を見合わせた。「敏って、もう五十過ぎてるわよね?まだ子どもができるの?」修は呆れたように真由美を見た。「そこじゃないだろ。問題は、なんで妻と子どもを山に置いて帰ったのかってことだ。遥さんたちが見つけたからよかったけど、あのまま誰にも見つからなかったらどうするんだ」ここ数年、孫たちの面倒を見ることも増え、修は以前にも増して子どものことを気にかけるようになっていた。敏が再婚して子どもを持つこと自体は、修が口を出すことではなかった。だが、生まれた子をろくに気にもかけず、あんな山の中で倒れていたとなれば、さすがに黙ってはいられなかった。「母さん、これを知らせたくて夢に出てきたのかもな。孫が墓のそばで倒れてるのを見て、放っておけなかったんじゃないか?」真由美は呆れた顔をした。「また始まった。お義母さん、亡くなる前は話すのだって大変だったのよ?それがわざわざ夢に出てきて知らせたって?そんなに何でも分かるなら、宝くじの当たり番号でも教えてほしかったわ」「教えてくれたって、お前どうせ買わないだろ!」九条家では、昔から宝くじとはほとんど縁がなかった。ただ、菊だけは数年前、結衣の誕生日の数字で買った宝くじが当たったことがあった。大喜びした菊は当選金の半分を結衣に渡し、結衣は九条家に福を呼ぶ子だと嬉しそうに話していた。そこで湊が口を開いた。「敏さ
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