真理は遥が驚いているのを見て、彼女を慰めようと、笑顔を作ろうとした。だが、その顔には引きつったような, ぎこちない笑みが浮かんでいた。「お義姉さん、お爺様ってこういう人なのよ。もう慣れるしかないわ」遥はただ、その考えにはどうしても賛同できないと感じていた。結婚は遊びではない。人生の一大事と言っても過言ではないはずだ。お爺様のように、子や孫の縁談を独断で決めてしまえば、揉め事が起きない方がおかしいというものだ。遥は以前、お爺様が真理と樹をお見合いさせようとした時のことを思い出した。「もしあなたと相沢家の御曹司が意気投合していたら、あなたたちもすぐに婚約させられていたの?」「そうね。お爺様が彼を選んだのは、凛ちゃんと湊お兄ちゃんの縁談が破談になったから、その埋め合わせを相沢家にするため。もう一つは、彼が何の才能もない腑抜けだから、後々コントロールしやすいと思ったからよ」真理は肩をすくめた。「男のそういう大人しくて従順なところは、決して長所じゃないわ。樹みたいな、毒にも薬にもならないようなフリをして、実は猛毒を持ってるような大人しい男なんて、腐るほど見てきたわ。うちの敏叔父さんや私のお父さんの方が、彼よりはマシなくらいよ」「私、結婚なんて何の期待も持ってないの。お爺様のお眼鏡にかなって、私自身もまあ妥協できる相手を見つけて、適当に結婚して子供でも作ればそれで十分なの。結婚なんて、どうせ離婚するためでしょ。例外なんてないわ。修おじ様と湊お兄ちゃんを除けば、心から奥さんを大切にしてる男なんて見たことないもの」結婚は、離婚するためだ。その言葉を聞いて、遥は一瞬、何と返せばいいかわからなくなった。湊と結婚する前、自分もそう思っていた時期があったような気がする。結衣がもう少し大きくなって、心の中にいるあの人への未練を完全に断ち切れたら、誰かとの結婚を考えるかもしれない。だが、婚姻が永遠に続くものだとは思えなかった。離婚はよくあることだし、別々の道を歩むのも、それぞれの人生の選択に過ぎない。真理の言うことが、遥には分からなくもなかった。「私も昔はそう思ってたよ。でも人生って何が起こるかわからないわ。湊が血まみれになって倒れて、結衣と陽くんを助けてくれたのを見た時、私はすごく怖かったし、
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