真理が恋に対しても同じような考えだった。もし相手が完全に自分のものにならないのなら、最初からいらない。たとえそれが法的な意味合いに過ぎなかったとしても、それは一つの証明になる。この人は、これからの人生、私だけのものだという証明に。真理はさらに続けた。「あの時、お兄ちゃんは私に騒ぐなって言ったよね。私も分かってたよ、騒いだところで私たちに勝ち目はないって」たとえ騒ぎ立てたとしても、誰一人として自分たちの味方にはなってくれない。所詮、すべては九条グループが利益を上げるための仕組みでしかないのだから。ジュエリーデザインの専門教育を受けたわけでもなく、まだ卒業もしていない学生の分際でデザイン部に入れただけでも、恩の字だと言える。その上、自分の作品に署名権まで要求するなんて、完全に寝言であり、身の程知らずの妄想だった。真理は健の腕に抱きつき、ぴたりと身を寄せて甘えた。「ねえ、お兄ちゃん。今回は私に折れてよ」健は思わず絆されてしまいそうになった。だが、彼は歯痒そうに言った。「お前、結婚は離婚へのプロセスだって言ってなかったか?」「そうだよ。だから離婚する前に、しっかり恋愛をしようと思って。万が一彼が私を裏切るようなことがあっても、財産の半分を持っていけるなら公平でしょ?」「馬鹿か、何が公平だ!」まともに計算すれば、真理の個人資産が誠の資産に比べて、それほど少ないというわけでもないのだ。もし本当に離婚することになったら、一体どちらが損をしてどちらが得をするのか、分かったものではない。だが、彼はどうしても真理の我儘には勝てなかった。健は強い口調で言った。「今日の結婚は絶対に許さんぞ。まずは弁護士を呼んで、婚前契約をカッチリ決めとくのが先だ。その後の話はそれからだ」少なくとも、真理に損だけはさせられない。すると誠が口を開いた。「婚前契約なら、以前に俺が作成して公証も済ませてある。真理さんの資産はすべて婚前財産として彼女のものとし、俺の資産もすべて贈与という形で彼女の所有とする内容だ」健は一瞬、呆気に取られた。「……お前、本気で言ってるのか?」「以前、その話をした時に真理さんがひどく怒ってしまったから、保留にしてたんだ。あの時は確かに、少し急ぎすぎた。だが
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