凛の瞳はキラキラと輝き、その吐く息は白く染まっていた。だが、その表情はとても生き生きとしている。「ええ、調査した結果、『アンサンブル』の顧客層は若くて、二十代から四十代に集中していることが分かったの。この年齢層の女性は、恋愛ゲームのメインユーザーとぴったり重なるのよ。ゲームのメインキャラクターそれぞれをイメージした限定モデルをデザインして、店舗での接客研修も徹底すれば、かなり良い結果が出るはずよ」遥は眉を上げた。「企画自体は素晴らしいわ。でも、九条グループのゲームって、コラボ費用がものすごく高いのよ。去年もいくつかのゴールドブランドがコラボを打診したけど、全部門前払いされたらしいわ。本当に交渉できると思ってるの?」凛と遥は顔を見合わせた。雪の降る凍てつく寒空の下、二人は身を切るような寒さの中で、先ほどまでの熱意が急速に冷めていくのを実感していた。凛は深呼吸をした。「私が直談判に行ってくるわ!」遥は思わず吹き出した。「私が交渉してくるわよ。あなたは出張に行って、良い知らせを待ってて」凛は遥の後に続き、駐車場へと向かった。「もし向こうが法外な値段を吹っかけてきたらどうするの?」「その時は、色仕掛けで湊に泣きついて、もっと安くしてもらうしかないわね」凛は、遥が冗談で言っていると分かっていた。今の「アンサンブル」なら、高額なコラボ費用を支払うだけの資金力は十分にある。だが、省ける経費は省くべきだ凛は遥の肩をポンと叩き、彼女が湊の車に乗り込むのを見届けた。「じゃあ、頼んだわよ!私は行くから!」そう言うと、彼女は踵を返して走り出し、向こう側で待っている別の車へと駆け寄っていった。湊は身をかがめて車のドアを閉め、遥にシートベルトを締めてやりながら尋ねた。「何を頼まれたんだ?」遥の指が、湊のコートの胸元でくるくると描いた。「うちの会社、九条グループの恋愛ゲームとコラボしたいんだけど。コラボ費用、九条社長は少し割引してくれない?」湊は彼女の悪戯な指を捕まえ、軽く握りしめた。手が冷え切っていないことを確認してから、そっと手を離した。「いくら出すつもりだ?」遥が金額を提示した。湊の口角が上がった。「立花社長は、うちの提示額の三割でコラボを勝ち取ろうというのか?そんな
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