そこにあるのは、紐で括られた本だった。 それだけで、相当古い本なのがわかって、手に取るのに少しだけ怖気づく。 日向子もちょっとばかり怯んだ表情をしていたが、一冊一冊手にとって表紙を確認し、時折中身を確認していく。 俺も一番近くにあった本を手に取り、開く。 パリパリと乾いた墨の音がして、手書きの本なのだということが分かって、また驚いた。 「ん……? これ」「ど、どうなさいましたかっ」「ここに、五家って書いてある。先生が話してた、いつつめの刀主の家だ」 俺の開いた本は、火族五家の役目について書かれているものだった。 火族四家ではなく、五家。 先生が以前「すでに滅びた家がひとつある」と言っていた、そのいつつめ家だ。 そう言ってやると、日向子も持っていた本を俺に見せてくる。 そこにも火族五家の記載があって、同じ時期の本であることから当時は五家目も精力的に活動していたのだとわかった。 夜住との戦いで滅び、火種を途絶えさせた家──神守家。 俺の持っている本には、『神守家は五家を統括し、四家を守護するものである』と書かれている。 日向子の本の方には、神守家が継いでいた術式についての記録があった。 だが肝心の術式のページは乱暴に握りつぶされたように破られていて、思わず日向子と顔を見合わせてしまう。 他に何か資料はないかと背表紙を眺めて、確認していく。 と、いくつかの本のページの一部が同じようにぐしゃりと潰され、破られているものがあった。 どれもこれも、神守の記録の一部だ。「えぇと、大地を焼き、冷気を熱として食らうヤマタノオロチを神守、神風、深神の三家が封じ……?」「この続き破られちゃってますね。なんででしょう……」「この頃にはまだ三家しかなかったってことなのか?」「い、いえ! こっちには五家って書いてありますので、明神と御
最終更新日 : 2026-01-21 続きを読む