Todos os capítulos de OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~: Capítulo 11 - Capítulo 20

51 Capítulos

第一章 9   中立都市でのギルド登録

 濃い、濃ゆ~い1日+半日。やっとのことで街だ。アーヤは公務に1週間。時間はある。俺はもっと自己研鑽して強くなりたい。魔力コントロール、剣術、魔法の加減など、上げればきりがない。まずは冒険者ギルドだ。(なーんかギルドって絡まれそうなイメージなんだよねー)【ん? どうしてです?】(そうだなー、結構お約束として、お前みたいな弱そうな奴が冒険者になれるかよーって感じでいかつい荒くれな見せかけのかませ犬マッチョに絡まれる。んでまずパターン①、実は結構いいやつでこっちに色々親切にしてくれるってやつ)【じゃあパターン②があるんですね?】(そうそう、②は見た通りの雑魚いチンピラで露骨に絡んで勇者的な主人公にボコられる。かな?)【ほー、じゃあ他にもパターンが?】(そうだなー、転生したばっかりでこっちの通貨がなくてギルド登録できないで右往左往する情けない主人公パターンかな。って俺はこの世界のお金持ってるのかアリア様よー?)【一応異次元収納庫にお財布入れておきましたよ。それなりの額です、ふふーん! ということで③は消えましたね。それに狩った魔獣を売れば結構な額になりますよー】(おおーさすがにそういうとこは抜かりないね。ってこの世界の通貨って何て言うの?)【当ててみて下さいー】(えー?)【だからー、当ててみて下さいよー】 あ、これはめんどくさくなるやつだわ。当たるわけないだろ、こいつめ。(あーあー、なんか耳が急に聞こえなくなったぞ、耳鼻科行かないとーやばーい(棒))【あー! めんどくさいと思ったんでしょうカーズさん!】(いやー何も聞こえない、ヤバいなーこれはー(棒))【ちょっとー! カーズさんってばー!】 俺はアリアをあしらいながら街の中を歩く。お、屋台が並んでていい匂いがするぞ。(そういえば何も口にしてないし、そろそろ何か食べた方がいいな。美味そうな匂いもするし)【そうですねー、そろそろ補給した方がいいですよー】 肉の串焼きを売っている店を発見。ビッグ・ボアの串焼きかー。ここにしよう、少し補給するだけだし。「すいません、このビッグ・ボアの串焼きを3つ下さい。それに果実ジュースっていうのも1つ」 恰幅のいい店のオヤジが威勢よく応える。「へいらっしゃい! ボア串3つに果実ジュースね、お嬢ちゃん可愛いから1本はサービスだ。15
last updateÚltima atualização : 2025-12-06
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第一章 10  冒険者登録試験 その1

 ギルド内の冒険者の部署に大きな声が響く。何だ一体?「え……? 本当に男性??? ちょっとよく顔を見せて下さい!!」 ガシッと頬をマリアンナさんに掴まれた。そして俺の顔を近くでじ――っと見てくる。何だろう既視感があるなあ。アーヤ姫も頬を掴んできたし、今日はよく顔をのぞかれるもんだ。「ええーっと、近いんですが……」 まだこちらの顔をもう遠慮なしにぐいぐい見てくる。怖えよ。「信じられない、こんな綺麗な顔なのに……、負けたわ」 何に? あれー、俺は何かの勝負を挑まれてたのか? 更に回りからガヤガヤと他の冒険者が集まって来る。何なんだ一体。「マリーさん、マジかよ!」「この子本当に男なの? どう見ても超絶美人な女の子じゃない!」「とんでもなく綺麗な子が来たなーと思ってたら男なのか!? 残念だなー」 とりあえず誰もが口々に俺の性別についてワイワイ騒ぎ出した。まーたこの展開? もういいよ、こっちは辟易だ。て言うか自分でもそう思うしな。早く処理を済ませて欲しい。誰だ、残念とか言う奴は!「彫刻のような整った顔、スベスベの白い肌、サラッサラで綺麗な髪……、超絶美少女じゃない! まるで唯一神のアストラリア様のよう……」 マリアンナ=マリーさん、とりあえず放してくれないかな。さらにむぎゅっと顔を掴まれる。もう勘弁してくれ。俺が予想したパターンじゃないが、これはこれで恥ずかしい。「あのー、そろそろ放してもらえますか……?」 もごもごと何とか伝えると、マリーさんはようやく手を放してくれた。やれやれだ、ほっぺたが痛い。「ああーごめんなさいね。あまりにも衝撃的過ぎて……」「いや、もう慣れてますので……。でも俺は男なんで女性にそんなに近づかれると恥ずかしいですよ」 至近距離は勘弁して欲しい。男なのでさすがに照れる。「えーと、登録はどうなるんですかね?」 さっさと済ませたい。視線が集まるのはキツイ。「そうですね、いつもはBランク冒険者がいれば試験監督役をしてくれます。武器の扱いの技量と、魔法の試験です。今日は、街の周囲に魔物があまり見つからないらしく、暇している冒険者が多いので。人員も揃っています。すぐにでも試験は可能です。このまま試験も受けて行かれますか?」 手っ取り早く済むならそれは願ったり叶ったりだ。あー、街の周囲は昨日狩り尽くしたしな。道理で駐在して
last updateÚltima atualização : 2025-12-07
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第一章 11  冒険者登録試験 その2

 俺はエリック。ここリチェスターのBランク冒険者だ。それなりに修羅場もくぐって来たしこの中じゃあ指折りの実力があるつもりだ。この2日ほど街の周辺からあまり魔物が出て来ない。仕方なく他の冒険者仲間や、腐れ縁のユズリハ達とギルドで馬鹿な話しをしながら暇を潰して過ごしていた。 その時スラっとした華奢な体格の小さい女の子が登録にやってきた。だが本当は男らしい。驚いた。どう見てもここにいる女冒険者じゃあ勝負にもならないほどの美貌だ。しかもどの魔法の属性も使えるらしい。それが本当ならとんでもない奴だ。しかも魔力量測定器のクリスタルを粉々に破壊するほどの魔力。 ユズリハの奴も気になっているようだし、俺も暇していたところだ。だから気になって剣技の試験官を買って出た。実際に手合わせすれば実力がわかるってもんだ。 しばし会話を交わしたが、落ち着いていて悪い奴じゃなさそうだった。嘘をついている素振りもないし、そこまでの威圧感もない、化け物染みているのは魔力だけなのか?  腰に2本の片手剣、これが得物か。普通の剣に見えるが恐らくかなりの業物だ。右に差しているってことは左利きか。どんな剣技を使ってくるのか楽しみだった。だが俺はすぐに軽い気持ちだった自分を後悔することになる。「殺されるなよ」 軽口を叩いたギルマスのじいさん。だがそれが本当に心からの言葉だったんだと、俺はすぐに理解した。左手に剣を持ったままその手を下に投げ出し、ほぼ棒立ちのまま俺の眼前にいる華奢な少女のような男、カーズ。隙だらけの構えだ、だが全く隙がねえ。どうなってやがる? そしてもし剣を合わせたらその瞬間に俺は死ぬ。何故かはわからない、どう攻撃を仕掛けても死のイメージしか湧かない。 何なんだこいつは! ここまで『死』という明確なイメージを持つなど、これまでの経験でも全くない。お、こいつ強いなとか、精々そんな程度だ。じいさんは一目見ただけでこいつの実力を感じたって訳か。あのジジイ食えねえぜ。 違和感を覚えつつも、それを払拭しようと俺は渾身の攻撃を繰り出した。試験レベルではない斬撃を何度も重ねた。だが当たらねえ! 不思議なのは俺が斬るつもりの空間から先に移動されてしまうということだ。まるでもう知っているかのような回避行動。とんでもねえ!  しかも途中からは目を瞑りやがった。なのに当たらない。俺は全斬撃を渾身の力
last updateÚltima atualização : 2025-12-08
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第一章 12  本登録からの報酬計算

「では、本登録に進みますね」 マリーさんがガサゴソと奥のデスクで何やら作業している。俺の両隣にはエリックとユズリハ、周りに他の冒険者達もわらわらと集まっている。狭いんだけど。しかもこんな地味な作業なのに何でみんなが来るんだよ。別に珍しくないだろ。初心者の登録なんて。 そうこうしているうちにマリーさんが小さなカードを持ってきた。これがギルド証か? 見たところ何も書かれてないが……。「それに魔力を通して下さい。軽くでいいですから」「わかりました」 そう言って、渡された小さなカードに魔力を通す。すると見る見るうちに色々な情報が浮かんでくる。しかも俺の顔が写真のように付いている。名前とランク、Fか。てか何だこの技術! すげーよ! こんなんオーバーテクノロジーだろ? 何でこれが良くてカップ麺はダメなんだよ! 設定がガバガバ過ぎてもはや謎だよ!「すごい……、何だこの技術……」「これは世界でも最高峰の魔導士達が編み出した技術の結晶です。これには刻印された本人にしか情報が開示できないようになっていて、クエストの確認や身分証明としても使用します。絶対に失くしちゃダメ! っですよ。いいですね」「はあ、分かりました。大事に保管しておきます」「良かったなカーズ! これで一緒に冒険できるぜ。いやー目出てえ!!」 バンバンと背中を叩かれる。エリック痛いぞ。「素敵な仲間が加わったわね、私もワクワクするわ!」 頭をよしよしと撫でてくるユズリハ。いつの間にか仲間になってるし、何でこんなに気に入られたんだ?「それではクエストの受注と達成報酬等ですが、そこのボードにあるものを受注するときにその貼ってある依頼書をカウンターまでお持ちくださいね。そうすればクエスト受注です。中には期限付きのものや高ランクの依頼もありますが、1ランク上の依頼以上になると、受注できるかは要相談になります。失敗した場合の違約金が発生することもありますから注意して下さいね。クエストの達成回数や達成難易度などで貯めたGPの量で昇格が決まります。カードにそれらの情報が蓄積されますから、昇格可能になれば、カウンターでカードを読み取ってその判断が自動的に成されます。カーズさんならすぐ上のランクに行けるとは思いますが、くれぐれも無茶はしないこと。いいですね! 稀に緊急クエストなどもありますので、
last updateÚltima atualização : 2025-12-09
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第一章 13  作戦会議とお試し武具創造

 数時間後。危うくうとうとと眠りかけていた俺は、マリーさんに起こされる。危ない、まだ寝たりしたら女性側に無意識に引っ張られてしまう。人前では気を抜いたらダメだ。更に無駄な注目を集めることになる。「ようやく報酬とランクの計算が終わりましたよ。もう、カーズさん! 前代未聞過ぎて大変だったんですからね!」「あ、ああ、申し訳ない」 目を擦りながら答える。確かに結構時間かかったみたいだ。そろそろ日も暮れてくる。「いいえ、これまで未達成のままになっていて困っていたクエストもあったからこっちとしては大助かりだけどね、猫獣人の手も借りたいくらい突然忙しくなったわよ。みんな総出で手伝ってくれたからこれでも早く終わった方なんだから」 無自覚だったけど、訓練とはいえそこまでの数を狩っていたとは……。必死だったしな。「で、カウンターで渡すけど、報酬はクエストと賊の懸賞金、素材の買取など全部で850万ギール。ワイバーンの素材は後日オークションだから、それはそのときね」 マリーさんに 付いて行き、カウンターで大量の金貨を受け取る。おおー、すごいな、2日でこんな額稼げるなんて。冒険者すげー! でも、ぶっちゃけ体が資本の命懸けの自営業って感じがするなあ。怪我したら終わりだ。でもそういう一攫千金のために命を燃やす生き方ってなんかいい。スポーツ選手だってそんなもんだ。とりあえず美味い物をたくさん食べよう!「それとランクについては、もう異例中の異例、Bランクまで一気に昇格よ。それについてはこれからギルマスから話があるわ。エリックとユズリハも一緒にね」 ・ ・ ・ ということで今はギルマスの部屋のソファーに座っている。右にエリック、左に俺の頭を撫で続けるユズリハ。目の前にはギルマスとマリーさんだ。「とりあえず、Bランクへの昇格おめでとう、カーズくん」「はは……、ありがとうございます。でもいいんですか? 我ながら悪いような気がします」「まあ異例中の異例だったのう。だが、GPも十分な程貯まっておったし、試験で実力も見た。ズルしてGPを稼ぐことなどできん。上げないわけにはいかんかったのだよ。ウチとしても実力者は大歓迎だし、めでたいことなのだよ」「はあ、ありがとうございます?」 よく分からないが良いことなのだろう。とりあえず俺はたくさん報酬が貰えるならいい、美味しいものを食べら
last updateÚltima atualização : 2025-12-10
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第一章 14  長過ぎた1日・アリアの葛藤?

 漸く宿屋だ。前以て伝えてくれていたようでスムーズに話が進んだのだが、豪快な女将さんに可愛いと気に入られてしまい、ちょっと前までぬいぐるみ状態だったけどね。小さな娘さんにはお姉ちゃん呼ばわりだし。 今は風呂も入れたし、寝間着に着替えてベッドにダイブしたところだ。そのまま枕を頭に轢いて、ごろりと仰向けになる。「ああ――、長かった。さすがに疲れた!」 というかいい加減あのぐうたらを起こさないとだ。大声の念話を送る。(アリア!!!!! おーい、アリア!!! いい加減起きろ!!!)【うー-ん、むにゅむにゃ、おはようございますー、カーズさん】 ようやく起きた。マジで寝過ぎだろこいつは。(どんだけ寝てんだよ、おかげでこっちは大変だったよ……)【んー何となく夢では見てましたけどねえー。とりあえず詳しい説明プリーズ下さい】(見てたんなら良くね?)【いやいや、カーズさんの口からちゃんと聞きたいのですよー、うふふー】(はあ、わかったよ……。全く手のかかる……) ・ ・ ・【アーッハハハハハハハ――!!! ハァハァ……、もうダメ! 息が出来ません!】(もうそのまま窒息してしまえ。ったく、こっちはこの世界の常識がないんだぞ。初日から不思議ちゃん認定されるとは……。理想のスローライフがー、ハァ……)【もう無理ですねー!! ププ――ッ!!】 くそー、こいつ殴りてえ。(先ずは魔法だ、逆属性は普通使えないとか知らなかったぞ。媒介が必要とか、詠唱とかさー)【うーん、まあ難易度は多少上がりますけど、基本的にこの世界の誰もがそう思い込んでるんですよ。逆属性は難しい→使えないって。でもその先入観がないカーズさんは別に何とも思わないでしょう?】(確かにそれは言えてるな、それに両手からそれぞれ別属性の魔法とかカッコイイじゃん)【でしょー? それが常識に縛られてない強みでもあるんですよー】(なるほど、じゃあ呪文の名前を詠唱することで媒介にしたものから魔法を発動させるっていうのは? アリアはイメージの具現化って言ったじゃないか、その通りにやったら、師匠の頭がおかしいことになったぞ。師匠設定はアリアだけどな)【うーん、私の頭がおかしいかは別問題ですけどー】(ならおかしいってことで進めようか)【酷いですねー、確かにそれでも発動できますよー。ですが最小のMPコストで
last updateÚltima atualização : 2025-12-11
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第一章 15  アリア降臨す?

 3日目、まだ3日目だよ。というか漸く3日だよ。すげー濃いよね、1日が。 俺はまだベッドで微睡んでいる。とりあえずいくらでも寝ていられるくらい眠い。このまま今日1日寝ていたいくらいだ。朝日が部屋を照らし始める。まだ結構早い時間だ。眩しい、吸血鬼の様に溶けそうだ。掛け布団を頭まで被る。体に違和感、疲れて寝ちゃったから女性体へ変化してるなこれは。体がムニュムニュと柔らかい。 まあいい、眠いし気にせず寝よう。男性体に戻るのはあとでいいや。ムニムニ……。どうやら後ろから俺のご立派なおっぱいを揉み揉みしてる奴がいる、誰だよ、けしからんな。どうも後ろから抱き着かれているようだ。男なら危険だが背中に密着している感触が柔らかい、どうやら女の子みたいだ。なかなかに立派なものを持ってるなこの子も……。ん? なんで俺のベッドに誰かがいるんだ? うーん、寝ぼけてるから頭が回らんしわからん。 ここに俺が宿泊してることを知っているのはギルド関係者くらいだ。こんなことをするのはユズリハくらいか? いやいや、女性体になってしまうなんて知らないはずだ。マリーさんか? いや、そんな暇じゃないだろ。宿の子かなあ、小さな女の子がいたような気がするが客室にはさすがに来ないだろ? うん、わからん。そんなことより眠い。背中の子が気になるけど、寝てるみたいだし。お互いに今は同性だ、貞操の危機はない、はずだ……。 欠伸が止まらない。ベッドも気持ちいいし、今日はひたすら寝よう。朝食は女将さんが起こしてくれるだろうし。好きに過ごすって決めたんだ、誰にも邪魔させないぜ。意識が微睡みに消えていく。健康バンザイ、ただ寝てるだけで気持ちいいや。 ・ ・ ・「カーズちゃん、そろそろ朝ごはんだよー!」  ん、女将さんの声が聞こえる。よく寝てたな。さて、朝食食べたらまた寝る。ギュー、背中にいる女の子がまた抱き着いてきた。こら、おっぱいを揉むな! 全く、誰なんだ? 人のベッドに潜り込んだのは。その子の方へ寝返りを打つ。長いが俺と同じ燃えるような真紅の髪に、ツインテールのようなくせ毛。美しく整った顔立ち、うん、見覚えしかないな……。ゆさゆさ、と揺さぶってみる。「おい、アリア……、なのか?」「うーん、むにゅむにゅ、あ、カーズさんおはようございますー」 うん、このもっちゃりした喋り方、アリアしかいない。「って、ア
last updateÚltima atualização : 2025-12-12
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第一章 16  募る思い・アリアの魔法指南?

 はぁ……。溜息が漏れる。公務とはいえ都市間の関税や、輸出入品の値段設定など、都市長や各ギルドの代表者達と取り決めを交わす。正直言って退屈極まりない。それが王族の務めだとしても。 私も自由に世界を旅したり、色々な人と出会ってみたい。 そう冒険者、あの方とあって以来私の心はずっとかき乱されている。颯爽とピンチに現れて、賊共を一網打尽にし、王国の闇も暴いてみせた美しい剣士。あんなにも美人なのにぶっきらぼうな口調で、自由奔放な振る舞い。なぜだかとても懐かしい……。あんな綺麗な人、記憶にない。だがあの行動力や話し方、理不尽に立ち向かう姿勢、すごく似ている。 この世界に王女として生まれて、もう18年。この数日やたらと夢を見るようになった。こことは違う世界、いつも手を引っ張ってくれる1つ年下の男の子……。これが何の夢なのか、それとも自分の記憶なのかわからない。いつもあと少しのところで途切れてしまう。それ以上先は見てはいけないかのように靄が掛かっているのだ。もしかして前世の記憶? いや、そんなものあるわけがない。そんな人間いるはずがない。でも懐かしい……。 早くまたあの方に会いたい。この気持ちは何なのか、自分の夢との繋がりは? 漠然としてて確証なんてないのに、会いたいという気持ちが止まらない。魔眼を見てしまったから? いや、効果はすぐに消してくれた。それとも私は同性愛者だったとでもいうのだろうか? そんなはずはない、今まで他の女性にそんな感情を抱いたことなどない。あの方だけが特別なんだ。それに懐かしい面影……。 先日冒険者ギルドの支部長から、突然の面会があった。事件当日の夜だ。あの方が手回ししてくれたのだとわかった。王国内の問題解決まで護衛についてくれる、嬉しい。もう犯人はつかめているようなものだし、あっという間に解決してしまうかもしれない。 でも、そんな国の一大事だというのに私はただあの方に会いたい。夢を見始めてから、自分の王族という立場に恐ろしく場違いな思いを感じるようになった。勿論表面上は王族として振舞ってはいる。だが酷く場違いな居心地悪さを感じるようになってきたのだ。自分はそんな風に上に立つような人種ではない、普通の人間だという思いだ。 会いたい。そしてできれば王女という窮屈な場所やしがらみから私を連れ出して欲しい。あの人がわたしなら簡単にやってしまうのだ
last updateÚltima atualização : 2025-12-13
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第一章 18  The Noves’ Creativity & Imagination

 女神刀を鞘に納める。 最早スピード勝負をするつもりはない。「あら? 一刀に戻すんですかー?」「ああ、どうせスピード負けする。だからここからは俺のオリジナルだよ」「ほほーぅ、いつの間に? じゃあじっくりと見ないとですねー」 そう言い放ち、正眼の構えをとるアリア。いや寧ろ信剣の構えだ。正眼から更に腕を高く挙げて伸ばし、刀を水平にして切っ先を相手の眉間に突き付けるように構える。無行の位とはまた異なる、相手の如何なる攻撃にも即座に対応可能な古流剣術にある防御特化の構え。相手の出方を見ながらも次の攻撃にも繋げられる、崩しにくい構えだ。 まあこういう知識は全てアリアから学んだものだが、改めて相手にするとなるほど確かに前方に掲げた剣が距離を取ってある、間合いに入り辛いし、崩しにくいな。「やりにくい構えだなー」「そりゃあちゃんと対策しないとねー」 だが防御に徹するってことは俺がやろうとしていることはまだ分からないってことだ。さて、通用するかどうか、やるだけやってやろう。「いくぞ! アストラリア流ソードスキル!」 地面を蹴る!「あら? 私の流派はそのままなんですねー」 そりゃそうだ、俺はそれ以外知らない。だが違いはここからだ!「フェンリル・ファング・フラッシュ!」 剣に魔力ではなく魔法を纏わせる! こいつが俺なりのオリジナルだ。ただの属性魔力よりも、錬成された魔法の方が方向性も威力も強い! この3日で学んだことだ。 光り輝くフェンリル・ファング! アリアは相殺せずに後ろに躱して距離を取った。初めてアリアが回避行動をとったぞ。だがまだここからだ!「まだまだあー! アクベンス・ネイル・ダーク!」 今度は相手の視界を奪う闇の魔法だ! ガキィ! ビシィ! だが今度は視界を奪ったはずのアリアに刀と左指を折り曲げた左手の人差し指と中指の間で白刃取りされ、剣を掴まれた!「これは……、心眼か!?」 眼を閉じたアリアに完全に止められた。「惜しいですねー、神眼です。心眼の上位互換ですが、相手の発動する魔法の魔力の色まで視えます。だから視界を奪うダークに対応できたんですよー」「なるほど、そいつはとんでもない上位互換だ。なら俺が剣に籠める魔法の属性まで丸わかりかよ、結構いけると思ったんだけどな」「ムフフー、そうでもないですよー。これを使
last updateÚltima atualização : 2025-12-14
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第一章 19  記憶の欠片

 3日が過ぎた。俺達は約4日後の任務に備え、毎日クエストがてらに街から離れた場所で鍛錬中だ。要するに毎日アリアにしごかれてるってことだ。毎回俺は死にかけてるけどね。1日1回の致死ダメージ無効の加護があるとはいえ、アリアは稽古中は容赦ない。毎日1回死んでるのと同じだ。今日は残り日数から計算して中日になるので、休息しようということだ。 目が覚めると、アリアはいつも通り女性化した俺にしがみついている。確かにこの体の状態だと女性的で柔らかいので気持ちがいいんだろう。だが毎日抱き枕にされるのも勘弁して欲しいものだ。 同じベッドで寝ててそういう気分にならないのかって? ならないね、全く。まず俺は女性に対してあまり良い思い出がない、だから基本的に関心がない。そしてこの寝相の悪い女神は確かに美人だが、俺と似たような外見だ、更に中身もぶっ飛んでいる、手に負えない。そんな相手に劣情は抱けないだろ? 下手したら俺が襲われると思う。 まあそんなとこかな。あ、でもおっぱいは素敵だと思う。唯一女性の崇めることができる点、それがおっぱいだ、どこの世界でも世界遺産だと思う。はい、説明終わり! てことで俺にこんな厄介な因子を植え付けたこいつはギルティなんだが、恩人でもある。邪険にはできないんだよな。 因みに、まだ寝ているときのコントロールは上達しない、全くダメだ。王国までの恐らく泊りがけになる任務に臨む前に何とかしたいんだが、全くダメ。「笑えるほどにセンス0ですねー」 毎回鼻で笑うこいつにはその内何かしらのお仕置きだ。しかし参った、せめて胸が目立たない大きさならいいが、女性体になると邪魔になるくらいの巨乳になるのだ。隠しようがない。 一人部屋になるか、せめてアリアと同室ならいいが、王国までは馬車で約1週間の道のりになるらしい。馬車で寝泊まりするってことだ、非常にマズイ。もういっそバラした方がいいのか? いや、エリックは笑って済ますだろうがユズリハには絶対おもちゃにされるに決まっている。 おっぱいへの崇拝のせいでこんな変化になってしまったのだろうかね。拝むのはいいが、拝まれるのは御免だ。残りの時間練習するしかないな。 だが今日は1日オフだ。転生してこの数日ずっと鍛錬にギルド依頼と、ぶっちゃけバトルばっかりしているんだ。折角の異世界なんだし一人で街をぶらぶらと探索するのもいいだろう。
last updateÚltima atualização : 2025-12-15
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