Todos os capítulos de OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~: Capítulo 31 - Capítulo 40

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第二章 30  Interval

 5日程過ぎた。邪神戦の影響で玉座の間から上は崩壊。それに城のあちこちがそのときの余波で崩れ、今は復旧を急いでいるとのこと。俺は力を使い過ぎたせいで3日間ずっと眠っていたらしい。目覚めたのは昨日だが、一日中寝たきりだった。そりゃあんなに派手に戦ったんだ、いきなり神格とか神気やらをボロボロの状態からぶっ放したりしたんだし反動が来るよな。 今は城の結構いい部屋を充てがわれていてそこのでっかいベッドで休養中ということだ。元気になったら王様に会って欲しいと言われているが、まあそれは後日だな。傍にはずっとアーヤが付いていてくれて回復魔法やら介護やらをしてくれたらしい。うーん、健気だ。可愛い。助けられて良かったと心底思う。 今日はまだ多少体が怠い程度。昨日までは城の人が用意してくれた病人が着るような服を着せられていたのだが、自動回復のついた自分の寝間着に着替えた。御陰で4日間の体の汚れも自動洗浄効果でさっぱりだ。でも力の使い過ぎでMPはまだマイナス状態、体は完全に女性体だ。これだけは本当に慣れないなあ……。 ベッドの右側に置いた椅子に座ったままベッドの淵に伏せて寝息を立てているアーヤの頭や髪を撫でる。前世では赤毛がかった髪の毛も今この世界ではシルクの様な美しい銀色だ。そりゃあすぐに分からないよな。顔はあのときと変わらないのに。 でも俺の方が髪の毛どころか見た目も声も、しかも場合によっては性別まで変化するんだ。何と言うか、よくまあ俺だと分かったもんだよ。とりあえずまだ体が怠いので横になる。昨日よりはまだマシでも、本調子ではないのはわかる。暫くはゆっくりさせてもらうことにしよう。 アリアからの念話によると、天界のゴタゴタはとりあえず片付いたとか。さすが神様達、行動が早いことで。内通者は捕まったそうだが、魔人達に邪神召喚の技術が渡ってしまったことに関しては、まだ対策中らしい。いや、本当に早く何とかしてくれ。もうあんなのと絶対やり合いたくない。今回は相手が油断してたから結果的に勝てただけだ。最初から容赦ない奴だったら神格に目覚める前に死んでたはずだしな。 そして当事者の唯一神様は、今回のような事態に備えて義骸のパワーアップをしてもらっているとのこと。調整が済んだらすぐ戻るってさ。地上で魔人の監視とか色々任務を受けたと言ってたし。 エリックにユズリハも魔
last updateÚltima atualização : 2025-12-26
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第二章 31  The Truth of Reincarnation

 ダメだ、衝撃的過ぎて頭が回らない。「そんな……、ならどうして私達は地球に……?」 アーヤが疑問を口にする。そうだな、それを聞かないと。一瞬思考がフリーズしてたよ。「救済という形で、別次元の世界へ送ったのです。それが偶然同じように人類が存在する地球だったということです。再びこの世界が成長するまでの間はそこで輪廻転生するようにという処置をして。どれだけ生まれ変わっても私達が見失わないように、目印としてとても小さな神格を与えて。ですが、その時には神々の技術も洗練されていなくて、かなり強引にその世界に存在するはずのない命を送ってしまったのです。因果率を無理矢理捻じ曲げたりとかした反動で、それで与えたただでさえ小さな神格に傷が入ってしまったのです。そして一人はその世界でも再び大きな影響力を与える聖女として称えられながらも非業の死を遂げるということになり、世界へ与える影響力の大きさを危惧したため、神域で英霊として静かに過ごしてもらうことになりました」 うん、これはジャンヌちゃんだろ、どう考えても。違う世界でも伝説になるとか、根本的に何かが違うな……。「じゃあ、俺達は? その影響で何が起きたんだ?」 少し躊躇う様な表情をしたアリア。だがすぐに口を開き始めた。「あなた達二人は、逆に何度生まれ変わっても、それが様々な国であっても、近くに惹かれ合いながらも結ばれないという運命になってしまったのです。この世界では結ばれるはずなのに、無理矢理因果を捻じ曲げたせいであちらでは前世のあなた達の様な悲恋がずっと続いてしまうことになってしまったのです。約5000年……、その間ずっと互いに惹かれ合いながらも苦しむという結末に。5000年間ずっと……。さすがに見かねた神々が、この世界の管轄に任命した私に二人を見つけ出して再び正しい因果が巡るこの世界に呼び戻すようにという決定が下されたのです。長い輪廻転生で神格への傷が深くなった二人を見つけるのは時間が掛かりました。地球の文化に詳しいのはそれが原因ですね。幸い彩ちゃんは死後魂の状態になっていたので早くに発見することが出来たのですが、前世のあなたはその目印の神格がもうボロボロになって限界の状態でした。だから見つけるまでに時間が掛かってしまったのです」「ええー、5000年もそんなことを繰り返してたってのか……? ちょっと理解が追い付かねー
last updateÚltima atualização : 2025-12-27
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第二章 32  バレた

 病み上がりというか、まだ魔力も回復してなくて怠い状態の俺の部屋にしつこいくらいノックが響く。こいつらは…、遠慮って知らんのか。いや、最初からなかった。溜息が出る。「すごいノック……」「あの二人だ、いつもあんなんだよ。宿でも容赦なく押しかけてくるしな。しかもクレアもなぜか一緒みたいだな」「変わりませんねー、平常運転で」 まあお見舞いってとこだろうな。「とりあえず案内してくるね」 席を立ち、扉へと向かうアーヤ。「はい、どうぞお入り下さい」 扉を引いて開けると同時にズカズカと入って来る2人。自分ちかよ。「お、姫さんいたのか、オッス」「アーヤ姫! おひさー! カーズは? 生きてる?」 こいつらいつの間にこんな気安くなってんだ? てかやっぱり普通に元気じゃないか。「申し訳ありません、姫様。私まで……」「クレア、あなたもいらっしゃい。気にしないで入って」 王族モードだ、言葉遣い丁寧だし。「では失礼致します」 申し訳なさそうに入室してくるクレア、対照的だなー。いつも通りの騎士の正装、二人は普段着の様なラフな格好だ。ぞろぞろと入って来る、今日は千客万来だなあ。「アリアさんもいたのか? 姿が見えないって聞いてたんだが……。しかしまた変わった装備だな」 やっぱりな、あの剣術小町も変だと思われてたのかあー。「良かった、無事だったのね! アリアさん、心配してたんだから!」 あんだけ修行でボコられた化け物が行方不明だったんだもんな、そりゃあ心配にもなるか。こいつら一応自称弟子だしな。「あははー、ちょっとやられてねー、神域でお休みしてたんですよー」 うん、まあ嘘は言ってない。やられたのは義骸だけど。「二人共無事で良かった。元気そうだし。魔人相手に無茶したって聞いてたしな。それにクレアも、二人の治療すぐしてくれたって聞いたよ、ありがとう」「いえ、とんでもありません。お二方の御陰で被害も出ていませんし。あの闘いで色々と学ばせて頂きました。お礼を言わねばならないのはこちらの方です」 おお、やっぱこの人は人間出来てるなあ。頭を下げておいた。「で? どんな無茶したんだ?」 二人を見る。「まあ、ちょっとアリアさんの大剣技の真似事でな。でもまだ俺には荷が重かった、反動でぶっ倒れただけだ。ちょっと全身から血噴いたくらいだけどな、ハハハ!」 まさかア
last updateÚltima atualização : 2025-12-28
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第二章 33  運命の謁見

 一週間程経った。漸く完全復活だ。じっと休んでるのも飽きてきたところだし、いい頃合いだ。 あの黒歴史以降、女性陣が、特にユズリハだけど、どこからか持ってくる女物の服で着せ替え人形だった。もう、ある意味病人なんだし勘弁して欲しい。短いスカートとか、辛過ぎた。俺には生足魅惑のマーメイドは無理だったよ! 隣で歌ってたポンコツ女神をしばいてやりたかったぜ。 兎に角、今日は漸く王様との謁見だ。アリアは騎士団に稽古を、クレアたっての希望もあり、度々出かけてたけど大丈夫かね? 壊滅してそうだよ騎士団。エリユズコンビもまだ俺が一緒じゃないからギルドには行っておらず、騎士団の相手をしてるとか。でもあの二人、加減できるのかな?  まあ色々あったけど、やっと元の男性体の姿にも戻れたわけだ、うん、落ち着くなー。今はアリアが謁見前の準備をしている俺のところに来ている。壊れた武器も新調してもらったしね。そして身に着けたバトルドレス。久しぶりだ。しかし……「何でこれ色が変わったままなんだ?」 神気を解放したときに変化した、輝く様な真紅に変化したバトルドレス。縁取りやレース部分も白はいいとして金色にも変色してるし、ブーツは白銀のようになっている。インナーは黒っぽいけど、これじゃあ赤の剣使いと色合いが被るなあ。透けてたり露出している部分はないけどさ、肩もショルダーガードがなくなって身軽になっている。「あのときの神気の影響でしょうねー。でも元の状態より神気が練り込まれて、大幅に性能が上昇してますし、そのままの方がいいですよー」「でも派手過ぎだろ? もう少し控え目にして欲しいな」「カーズの神気で変化したんだしー、それがあなた本来の心の色なんでしょうしー、別に気にしなくてもいいかとー。それに認識疎外をかけておけばそこまで目立ちませんよー?」 あー、新しく覚えてたなそんなの。気配遮断とは少々違う、ぼんやり見えてはいても印象に残りにくくなるっていうスキルだ。なるほど、それならそれを衣服にかけておけばいいか。「わかった、なら仕方ないしそれでいいや。そろそろ謁見の時間だし、クレアが迎えに来てくれるってさ。アーヤのこともどうにかしないとだけど、何の話なんだろうかね」「色々と望みの褒美にー、貴族の位は間違いなく与えられるでしょうねー。やっと『ロットカラー』を名乗れますねー」「まあそれは前に聞
last updateÚltima atualização : 2025-12-29
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第二章 34  運命に抗え! アーヤの決意

 国王は驚きと共に意味が理解できないという表情をした。そりゃ運命やら何やら言われてもわかる訳ないけどな。「そ、それが、其方の願いか? 運命とは一体……? いやしかし、第二王女とはいえ、大事な娘でありこの国の姫だ。少々難しい話になるな……」 目を閉じて顎に手を添え、悩むような表情をするフィリップ国王。だろうな……、予想通りだけど。魔眼の準備を一応しておくか。(カーズ、魔眼ぶっ放してもいいですかー? 死の呪いを解いてもらって更に命を懸けて国を救ってもらっておきながら、なんと狭量な……。お姉ちゃんはもうキレそうですー) こいつはほんと短気だなー。それは既にキレてる奴の台詞だろ。でも一応真意を暴こうか。(待てアリア、魂の天秤を使ってまずはカマをかける)(おっとそうでした! じゃあまずはそれでいきましょうかー)「それは、あなたの解呪をして命を懸けてこの国を救ったとしても、俺のような所詮冒険者如きが姫を求めるなどおこがましいと言いたいのか?」「いや、決してそのようなことではないのだ……。其方の願いであれば何でも叶えてやりたいと思っておる! 嘘ではないぞ……」「Doubt。嘘ですねー。何でも叶えてやりたいと言っているのもアーヤちゃんは別ということでしょー? そして冒険者如きと多少見下してもいる。私のユニークスキル・『魂の天秤』は誤魔化せませんよー」 まあ顔に思いっ切り出てたしな、俺でもわかるわ。ったく王族ってのは……、調子良さげに振る舞いやがって。結局本心はそれか。「うぐ……、そんなことは思っておらん! そなたには感謝しておるのだ!」 これも嘘だろ。「それもDoubt。腕が立つ冒険者達が運よく現れて国を救ってくれて、城が壊れた程度で済んで良かったと思っていますよねー?」「なっ、なぜそんなことがわかる?! 其方は一体何者なのだ!?」 わかるんだよ、こんなんでも神の能力なんだから。「私がどうこうという問題じゃないんじゃないんですかー? あなたの心の問題でしょー? 私は弟カーズの願いを叶えてくれと言いましたよねー? それに喋れば喋る程、あなたの心の醜さがここにいる全員に伝わることになりますよー? 王の威厳、全て失ってもいいのなら、どうぞいくらでも言い訳するといいですよー(笑)」 ドSめ、でもその通りだな。俺もいい加減ムカついて
last updateÚltima atualização : 2025-12-30
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第三章 35  穏やかな始まり

 目が覚めた。気持ちいい、実にぐっすり眠っていたようだ。ちらっと横を見るとアヤがまだ俺にしがみ付いて寝息を立てていた。頭を撫でてやる。寝顔も可愛いなあ。 波乱の謁見が終わって、昨日はその後何があったかと言うと、大きなオープンカーのような何とも説明し難い馬車に乗って、元気になった国王、新宰相オロス、新騎士団長クレア、アヤと兄弟姉妹、長男は早くも毛根が死んで不参加、それと俺達救国の英雄とされた四人を合わせて国内をパレードだった。 ちょっとね、これは想像してなかったよ。俺が休養中だった間にオロスの手腕で政治も以前の状態に持ち直したらしいし、って早くない? 号外が飛び交い、活気を取り戻した王国国民達に暖かい歓声を浴びながら、街中を騎士団に囲まれながらマーチというわけだ。 俺としてはあんまり目立ち過ぎるのはちょっとなーって思ったけど、人々が幸せそうなのを見れて、死にかけたけど沢山の人を救うことができて良かったと思ったもんだ。他の三人はノリノリだったけどね、特に女神様が。 そして夜は城のこれまたデカい庭でパーティーだよ。まさかここまでとはね。さすがにここまでの豪華な御馳走は初めてだった。うん、まあ美味しかったよ、豪華過ぎて味が美味いとしかわからなかったけど。アリアはひたすらずっと食ってたしね。どんだけ食うんだろうかねこいつは? 胃の中に異次元倉庫でもあるんだろうか? 俺は王様やら王子、姫様達と談笑したり、国の色んな人達に声を掛けられて忙しかったのに。 ザコスケの長男は夜のうちにハゲ頭で武者修行に出たらしいけど、どうでもいいや。エリユズはクレア達騎士団、ギグスにヘラルドもいたな、と意気投合してて、一緒に馬鹿みたいに飲みまくってた。次の日にはギルドに行くのに、いいんだろうかね? 二日酔いでも回復してやんねーぞ。 ここにいる間は城内の広々とした部屋を充てがわれて、好きに過ごしていいことになった。食堂に行けばいつでも食事も頼めるらしいし、宿代もアリアの食費も浮くから大助かりだ。簡単に食べられるものも作ってもらえたら異次元倉庫に入れて運べるしね。 とりあえず魔人騒動は一件落着、疲れ切ったので、アヤと同じふかふかのベッドでバタンキュー。ぐっすり寝てたのだ。おっと、下世話な話はお断りだよ。 てことで、今日は漸くギルドに向かうことができる。でき
last updateÚltima atualização : 2025-12-31
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第三章 36  邪神殺しにお笑い四天王

 ギルドに到着。やっぱ王都だけあってデカい。中立都市の何倍もの大きさの総合組合だ。因みに王城から近い街の中心部に当たるここが本部。国内にはあと東西南北に4つの支部があるとのこと。国民数が多いんだし、1つだけだとそりゃあ全部収まらないよな。それだと城みたいな大きさになるだろうし、色々な職業の人々が集まる訳だし、広い国内から遠距離を移動して来る羽目になるのはさすがにね。 まあ兎も角ここは中心部にある本部、それだけに一番デカいんだろう。俺達はここで試験の案内を受けることになっているってことだ。エリユズが言ってたみたいに意味なく絡まれたくはないんだけど、入らないことには始まらないもんな。しかし、扉も大きいな。「おし、じゃあ行くぜ! 頼もー!!!」 威勢よく扉を開けるエリック。道場破りかよ……。ユズリハが続けて入り、俺とアヤは後ろから着いて行く。 アヤには認識疎外がかかっている、顔が見えても誰かなのまでは判別できない。元姫様がこんなところにいるなんてバレるのはさすがに目立つし騒ぎになるしね。 内部は確かに大きいし窓口もたくさんあるが、造りは中立都市のギルドと同じみたいだ。右手側に冒険者の窓口がある。なるほど、さすが国営、どの国でも規模が違っても、同じように造ってあるんだろうな。便利だ。迷わなくて済むよ。 バーン! と勢いよく扉を開けたせいもあるだろうが、当然のように誰もが手を止めて俺達に注目する。何であんな入り方するかなあ。ざわざわとしていただけだったが、どんどんと大騒ぎになっていく。「おお! 救国の英雄達だ!」「魔人を斃すとかスゲー!」「パレードで見たぞ!!」「国が元に戻ったのも彼らの御陰だってよ!」「拝んどこうぜ!」「私は握手してもらう!!」 等々、生産者や商人のギルドの人達は大騒ぎ。大勢に囲まれて感謝を述べられたり、握手を求められたりと悪い気はしないけど照れくさくて恥ずかしい。「なあアヤ、売れっ子芸能人の気持ちってこんなんなのかな?」「あはは、そうかもね。実際はわからないけど」 四人だし、認識疎外のかかっているアヤにも握手を求めて来る人達がいる。多分アリアと間違えてるんだろうけど、遠巻きに見ただけじゃ分からないこともあっただろうしね。困りながらもちゃんと対応している辺りはさすが元王族。「ゲーノージンって何?」 とユズリハに聞かれたの
last updateÚltima atualização : 2026-01-01
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第三章 37  Aランク昇格試験 その1

 冒険者ギルドの裏口にある、まるで闘技場のような舞台に移動する。王都の本部だけあって中立都市と違い舞台もデカい! 『一番手は譲らねえぞ』というので早速舞台に上がるエリック。さすがウチの突撃隊長、別に順番は気にしないのでいいんだけどね。『はいはい、さっさと片づけてよね、後が閊えてるんだから』とユズリハ。 俺達は舞台のすぐ近くの観客席に三人揃って座った。Aランク試験だけあって、冒険者だけでなく他のギルドや一般の人まで見物に来ていて満員御礼だ。バトルの余波が飛んでこないように俺はアリア直伝の神気結界を観客席を守るように張っておいた。まあ楽勝だろうけど、手加減できるのかなー、あいつは。ちょっと心配。 俺達の側にはカレンさんとここのギルマスのパウロに他の支部のマスター四人までも座っている。しかもいつの間に来たんだか、王様が新宰相オロスを連れて来てる。  それにアヤの兄弟姉妹、クレア新騎士団長までお出ましだ。アリアに騎士団の稽古を任せて来たんだとか。でもなあ、王様が来たらダメだろ。みんな騒然としてるよ。こんな連中が周囲にいると落ち着かない。「なんで来てるんですか……? 王様がこんなとこに来たらダメじゃないのか、暇なの?」「ハハハ! 英雄達の晴れ舞台、更にアヤの冒険者デビューなのだ。それに実際にお前達の戦う姿を目にしていないのだからな、実は楽しみにしていたのだぞ!」 親バカか! しかもこんな連中と一緒に居たら圧力しか感じねえよ。アランやレイラ、呼び捨てでいいと言うのでお言葉に甘えさせてもらった、末っ子はお留守番らしいけど王子や姫まで……。 俺達の試験は兎も角アヤが心配というか可愛くて仕方ないんだろうな。当人は困った顔で頭を抱えてるけど。もうここはVIP席みたいになっている。でも御陰でここには下らない野次が飛ばないから良いことだ。考えたら負けぽいから気にしないでおく。一応俺はこの王族と親族になってる訳だしな、不本意ながら。 まあまずはエリックの試験に注目しよう。 舞台の中央でストレッチを終えて、腕を組んで仁王立ち。レベルも890、最早異常な風格があるよ。そして遅れてスネゲス(笑)が舞台に上がって来る。102じゃどう足掻いても勝てないだろうけど、死なないようにくらいは祈っといてやるか。「ゲスゲスゲス、怖じ気付いて逃げ出さなかったでゲスか。その勇
last updateÚltima atualização : 2026-01-02
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第三章 38  Aランク昇格試験 その2

 開始と同時に無駄に派手な装飾の細剣を鞘から抜くイヤミーナ。ただの魔導士と思ってるユズリハに近接戦で勝負を決めるつもりなんだろうか。「先ずは魔法剣士の剣捌きというものを見せつけてあげますわ、オーホッホッホ!」 へえー、あいつ俺と同じジョブなの? なんか嫌だなあ。「本物の魔法剣士がどんなものか知らないのね。アンタがカーズと同じジョブとか、虫唾が走るわ」 うん、代弁ありがとう。グングニル・ロッドに魔力を注ぐユズリハ、同時に先端についた魔石の形状が変化していく。相手に合わせるようなレイピア、寧ろ突きに特化した刺突剣だ。柄の部分を短くし、槍というよりも剣に近い形になる。同じ土俵で受けて立つのか……、いきなり大魔法ぶっ放すかと思ってたけど意外と冷静? なのかな。「随分と変わった武器ですのね。ただのロッドだと思っていましたけど。でもそんなピーキーな武器、しかも剣士と刃を交えようなどと魔導士のすることではありませんわね」 挑発には乗らずに冷静にグングニルを構えるユズリハ。ピーキーとか言うな。「ハアッ!!」 一直線に距離を詰め、レイピアで連続の突きを繰り出すオホホエルフ。うん、まあAランクだしそこそこ速いな。だが無策で突っ込むとは、舐めてるんだな。 カカカカッ!!! だがその高速の突きの剣先に寸分の狂いもなくグングニルの穂先を合わせて相殺する。おー、すごいな! Aランクだけあって結構なハンドスピードなのに。さすが成長して魔導槍士にクラスアップしただけある。 ガギィーン!! ビシッ、ビキキキッ!!!「なあっ!!??」 イヤミーナが繰り出した渾身の一突きに魔力を集中させた穂先を合わせると、その華美なレイピアは先端が割れ、鍔の部分、刀身の根元まで大きな亀裂が入った。俺の自作だが、元々の強度差に加え、ただの突きと魔力で強化した突きとでは威力に大きな差が出る。もうあのレイピアは使い物にならないな。「そんな、わたくしの美しいレイピアが……。あんな品のない真っ赤な槍如きに砕かれるなんて……!?」 おい、訂正しろ。カッコいいだろ、自信作なんだぞ。その無駄な装飾が施された実用性のなさげな剣よりはマシだろ。「しかもあなたは平凡な魔導士だったはず。なぜこんな芸当ができるというの?
last updateÚltima atualização : 2026-01-03
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第三章 39  アヤの闘い・鮮烈デビュー戦

 場内は何だ? 何でだ、と騒ぎ始める。そりゃそうだろ、登録試験なんていつもやってる程度のことだろうし。こんな中で受けさせるなよな。パンチパーマの筋肉達磨をジロりと睨んでやる。ド田舎のヤンキーのガンたれを喰らえ。「う……、すまない、カーズ。Aランク試験が終わるとどうしても観客が散ってしまう、だから姫のデビューのお披露目は間に入れることになってしまってな…」 ハハーン、なるほどー。今度はジロりと王様を睨んでやる。ド田舎のヤンキーの(以下略)「ハハハ! そういうことだカーズ、許せ。それに其方がトリを飾る方が盛り上がるだろう!」 やっぱこのオッサンか……、もう調子良すぎて尊敬するよ。「武器の扱いと魔法のテストの2つだろ、どうすんだよ?」「ど、同時進行だ……!」 申し訳なさそうに言うパウロ。どもってるじゃねえか。目も泳いでるぞ。「またかよー。王様さー、そういうの職権乱用って言うんだぞ。国営だったとしてもそういうあからさまな根回しはまずいだろ?」「王様ではない、お義父さんだぞ、我が息子よ」「あー、うん。もういいよ、パパって呼んでやるよ……」「うむ、その響きもなかなかの新鮮さがあるな……」 ダメだこりゃ……w「まあまあ、俺らも折角だし大観衆の中で見たいしよ。な、我が弟カーズ!」「そういうことです。アヤの晴れ舞台、それくらい派手でなければ、ね、我が弟カーズ?」「はあ、アランにレイラ、あんた達もかよ……。それ流行ってんの? アヤ、大丈夫か?」 神格で能力が大幅に強化されているとはいえ、レベル的にはまだ30に満たない。心配にもなる。この大観衆だしな。ていうかここの観衆みんな仕事はどうしたんだよ? 暇なの?「うん、このくらい国民の前で挨拶したりするのに比べたら全然平気。それに、これであとはあの犬だけになるしね」 殺る気満々だ……。もうこうなったら止めても無駄だな。装備の確認をするアヤを見る。「そっか、まあ仕方ないけど。怪我だけはしないでくれよ」「心配し過ぎだって。サッサと片付けてくるからね」 ノリノリだな。そう言って俺をギュッと抱きしめてくる。可愛いので俺も抱きしめ返してしまう。「ハイハーイ! イチャイチャはあとでー、アヤちゃん容赦しちゃダメだからね!」 おい煽るなユズリハ、エリックもうんうんと頷いているし。「アヤ様、ご武運を!」 クレ
last updateÚltima atualização : 2026-01-06
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