Todos os capítulos de OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~: Capítulo 41 - Capítulo 50

51 Capítulos

第三章 40  試験最終戦

  やっと来た出番だ。舞台に飛び乗った俺にもありがたいことに声援が飛んでくるんだが……。「あいつが邪神殺しだろ? 女みたいだなー」「それパレードのときにも思った!」「でも途轍もなく美しいわ!」「貴族姓が姫と同じだぞ?!」「ということは……、マジかよー」 などと、まあいらん野次も聞こえてくる。ったく誰だよ……、その呼び名考えた奴は。あのハゲ長男か? 確かに俺の称号にも加わっていたけどさー、まるで俺が悪い奴みたいなんだよな。徐々に大きくなる邪神殺しコール。 いやーこれはマジでやめて欲しい。早速パパさんに役に立ってもらおうか。(義父さん、あの不名誉な二つ名呼びを止めさせてくれよ、声が大きくなる魔法かけるから叫ばなくていいし) 通信・念話のスキルについては、アヤの念話の話をしたときに伝えてある。すぐに返事が返ってきた。(うむ、大切な我が息子の頼みだ。任せておけ!) 舞台からラウダー・ヴォイスをかける。無茶苦茶言わなければいいんだけどなあ。「「「観客諸君、私は国王フィリップだ。カーズはこの国を救ってくれた英雄にして、私の愛する息子も同然! 二度とそのような不名誉な二つ名で呼ぶことは許さん! 応援するのであれば勇敢な彼の名を呼べ! これは王命である! そしてこれは全王国民にもお触れを出す、破ったものは禁固刑は免れぬと思うように!」」」 うん、やっぱやり過ぎ……。それに持ち上げ過ぎだが、御陰で一瞬にしてあの不名誉な二つ名では呼ばれなくなった。変なオッサンなんだけど、国民には慕われてるんだよな。今はカーズコールだ。これはこれでむず痒いんだが、さっきのよりは万倍マシだよ。(ありがとう、義父さん。もう充分だ)(いや何、役に立ったのなら何よりだ。明日にはお触れを出しておくからな)(あ、あー、うん、助かるよ……) そこまでしなくてもいいんだけど。まあとりあえずはOK、逆側からのそのそとザコジャイが上がって来る。こいつにはブーイングが容赦なく飛ぶ。他の悪党どもは壊滅したし、こいつもやられると思ってるんだろうね。相当悪さをしてきたんだろう、もう観衆は敵意丸出しだ。「くそっ、どいつもこいつも使えねえな……」 なんかブツブツと悪態をついてるな…、うむ、こいつに勝手に喋らせておくだけでもへし折れそうだ。頭を使おう。さあ、自分の汚い内面を
last updateÚltima atualização : 2026-01-07
Ler mais

第三章 41  邪神の残滓・目覚める憎悪

 誰だ?! 心の中に声が響いて来る。しかも且つての自分自身の声だ。だが、こんなにも悍ましく憎悪に塗れた様な不気味な声、聞いたこともない……。(お前は今、怒りという負の感情に飲まれたのだ)「ぐ……、うっ……、ぐああああああああ!!!!」 何だ? 勝手に魔力が、しかも常闇のような真っ黒な魔力が体から溢れてくる。制御も出来ない。何だってんだ!?「お前は俺にとって一番言ってはならないことを口走ったな……」 誰だ? 誰かが勝手に喋っている。自分の体が言うことを聞かない。(あの雑魚に怒りを感じたのだろう? バカな犬だ、最愛の者を何度も失ってきたお前の心に一番言ってはいけないことを……)「「「それがどうした?!! なんだ?? 怒ったのか邪神殺し!!」」」 やめろ! 余計なことを言うな! コイツは俺じゃない、死ぬぞ!!!「ククク……、やはり死にたいらしいな……。まさか自殺願望者だったとは、なら望みを叶えてやろう」 くそっ! どうなってる!? 誰なんだよ、俺の体を勝手に操っているのは。更に黒い魔力が竜巻の様に吹き荒れていく。「「「な、なんだ……、コイツのこの異常なドス黒い魔力は?! しかも赤だった髪の色まで真っ黒に……。どうなってやがる?!!!」」」 なっ、今の俺はそんな風に見えているのか? くそっ、マジでどうなってるんだ! お前は誰なんだよ?!(お前がこれまで数千年に渡って積み重ねてきた、世界へ対する憎悪とでも言っておいてやろう) なんだと、ふざけるなよ……! 俺にはもはやそんなものはない、それに今の俺には関係ないことだ! 俺の体を返しやがれ!(今のお前は覚えていなくとも、俺はもう長い年月をお前と共に過ごして来たのだ。これまで繰り返してきた輪廻の数、その数え切れない人生の間ずっとな) それは過去の俺だ! 過程はどうあれ今の俺には関係ないだろう。さあ、さっさと俺の体から出て行けよ。さっきからずっと変な感じがしてたのはお前のせいだったんだな。(心配するな、こういう奴らが許せないんだろう? 甘いお前の代わりに、殺さないよう痛めつけておいてやる。お前に本当の力の使い方というものを教えてやろう) やめろ! 話を聞け! もう勝負なんてついてるんだよ!!「さっき流星とか言ったな……? 本当の流星がどんなものか、そしてその星々が砕け散る様を見るがいい。お前の
last updateÚltima atualização : 2026-01-08
Ler mais

第三章 42  天界訪問・神々との邂逅

 転移で到着したと同時に、恐る恐る目を開ける。「ここが…、天界…?」 一面の花畑、いや、美しい花々が咲き乱れる世界だ。そしてギリシャ神話に出てくるような建物、上がシンプルな柱はドーリア式、豪華な装飾が付いているのはコリント式、その中間くらいの装飾はイオニア式だったっけ? 実際に見て知ってるのはパルテノン神殿みたいな建築様式くらいだが、そんな豪華な装飾の建物が一つ一つは離れているがどこかしこに建てられている。どこからか琴の音も聞こえてくる。花々にはこれまた見たこともない綺麗な蝶や、羽の生えた小さな妖精達が戯れている。「すごい、なんて美しい……」 陳腐な台詞しか出て来ない。それ程目の前に広がる光景に圧倒された。「ここが神々が済む至上の楽園エリシオン、ですが天上にあるわけではありません。あらゆる世界へと繋がる次元の中心に存在すると言った方がいいでしょうね。さて、物見遊山ではないので早く行きましょう、あそこへ」 アリアが指差した方角の一際小高い丘の上に、一番大きく、豪華な神殿が見える。もう少しこの綺麗な景色を堪能していたいが、仕方ないか。花が咲き誇る中を駆け抜けて、丘の上へと続く階段を昇る。振り返って上から眺める景色もこれまた凄い。何処までも果てのない花の園。あの平原でずっとゴロゴロしていたいと思うという欲望に駆られてしまう。まあ、それはまた次に来れたらでいいか。転移で来れるのなら俺にも来れるかも知れないしな。そうこうしている内に丘の上に到着。 そこには白髪のこれぞ神話の神様って感じのイメージの威厳溢れるムキムキのじいさん。古代の白いギリシャ装束に立派な髭を蓄えた人物が、俺達を待っていたかのように腕を組んで立っていた。見た目はじいさんだが、いかつい。そして全身の筋肉が凄い。ボディビルのポーズ取って欲しい。そしてその立派な髭をわしゃわしゃしたい。「待っておったぞ、アストラリア。そしてお主がカーズじゃな。話はこやつから聞いておる。余は大神ゼニウス、全ての神の親にしてこの天界を治める者だ!」 同時に彼の体から目を開けていられない程の眩しい光が放たれる。後光か? だが眩しすぎて何も見えねえよ。「ゼニウス様、お言葉ですが……。その後光鬱陶しいのでやめてください」 気のせいかな? アリアにツッコミ入れられてる?「ハッハッハ! スマンスマン、久方振りの下界からの
last updateÚltima atualização : 2026-01-09
Ler mais

第三章 43  凶ツ者<マガツモノ>

 ナギストリア? 誰だよ、俺の元の名を捩ったようなこいつは。「ククク……、漸く自分の肉体を得ることができた。神の秘術を使って俺を転生させてまでその体から取り出すとはな。しかも貴様らはあの時の三人、それに大神までもがガン首揃えるとはありがたい。さあまとめてぶっ潰してくれる!」 背中から巨大な黒い大剣を抜くナギストリア。おいおい、いきなりバトル展開かよ、説明してくれ。「待て、何なんだそいつは? ちゃんと教えてくれよ」「……っ、彼は私達神々が二回目の大虐殺のときに救ったときのあなたです……」 アリアが口を開いた。「ああ、だがまるで感じが違う。あんな物身に着けてはいなかった、何の力も持たない只の人間だったはずだ」 ルクスも知っているのか。だが俺の心の中で語り掛けてきたヤツの証言と一致する。ここが全ての憎悪の始まりとか言ってたしな。「あれが……、遠い過去の俺の姿なのか?」「ええ、その通りよ。彼とあなたの大切な人、今はアヤと名乗ってるのよね、彼女と一緒に救出したときのあなた。でも、まだその時の姿を保っているなんてね……」 サーシャも現場にいたということだな。「だがあの異常な禍々しさは何だと言うのだ? あの時のヤツにあのような力などなかったはずだ……」 ゼニウスは大神だ、さすがに知っているってことか。アリアと話して聞いた限りじゃ、単なる普通の人間だったと言ってたしな。それにしては異常だ、とても人間には見えない禍々しさ。鑑定しても何も視えない。体を乗っ取られた時も俺より遥かに強力な技を放っていたし……、わからないことばかりだ。「やはり神というものは蒙昧だな。貴様らは自分達の行いが全て正しいと思っている。救済だと? 笑わせるな! 俺とアガーシヤを救うと言っておきながら、一緒にいた俺達の家族や友人達までを惨殺したクズ共が何をほざく。それに俺達はあの時言ったはずだ、大切な人達を殺されてまで、貴様らのそのくだらない救済など受けたくないと……。無力な自分に歯ぎしりしながら、泣きながら訴えたはずだ。彼らと一緒に殺してくれとな……。それを……、そして勝手な救済とやらで別世界に飛ばしやがった。そのせいで俺もアガーシヤも余計な苦しみを味わうことになったのだ……、気の遠くなるような年月をな!」 そうか、そういう理由があったのか……。恐らくアガーシヤとはアヤのことだ。ヤツを
last updateÚltima atualização : 2026-01-10
Ler mais

第三章 44  神々の熱き闘い・贖罪と裏切り

「な……っ、私の奥義でも滅却できないなんて……?!」 アリアが驚きと困惑の声を上げる。「フッ、さすがは神の奥義。だが貴様の技はあの腑抜けの記憶から全て知っている。アストラリア、貴様では俺には勝てん! さあ自分の技で自分が吹っ飛べ!!」 傷だらけのまま起き上がり、暗黒剣を頭上高く構えるナギストリア。嘘だろ!?「ジェノサイド・エクスキューション!!!」 黒いレーザーのような剣閃がヤツの大剣から放たれる! マジかよ、アレを撃てるのか?「くっ!」「「避けろ/て! アリア!!!」」 サーシャとルクスの二人が寸前のところで、アリアをその軌道線上から救い出す! ゴオオオオオオオォウッ!!!! 黒い一撃が通り過ぎた跡は、大地が黒く爛れ、腐敗臭がする。負のエネルギーの影響か? その地面を見ているだけで吐き気がしそうだ。「フン、避けたか……。ハア、ハア……大人しく闇に飲まれれば良いものを……」 ナギストリア、かなり消耗しているようだな。これなら勝てるかもしれない。「仕方ねえ、三人同時にいくぜ! 最大出力だ、構えろ!!」「ええ、そうですね……、これで私達の過ちを消し去ることができるのなら」「仕方ないわね、やるしかない!」 三人がそれぞれの神器を構える。「分かたれよ、クローチェ・オブ・リーブラ!」 パキィーン!! アリアの神器が2つに分離し、それぞれの手に握られる。あれは二刀にも変化するのか? ならば二刀流の奥義を使うということか、初めて見る。ならばヤツも知らない技ということになるな……。「いくぞ! 神格を燃やせ、神気を高めろ!!」「「「はああああああああ……!!」」」 三人の神気が高まり、天高く渦巻く! 離れた此方までその余波がビリビリと伝わって来るほどだ。「うぅ……、凄まじい神気だ……。近づくのも危険なくらいに」「うむ、神が三位一体となって放つのだ、小規模ながら宇宙創造のビッグバンにも匹敵するほどの力が生まれる。いくらヤツとて無事では済まん。ゆけ! 我が子達よ、あの悪鬼を消滅させるのだ!!」 大丈夫なのか? 想像もつかないが、エリシオンが崩壊するかもしれないほどの力の高まりを感じる。ダメだ、立っていられない。力なく膝を着く。「喰らえ! 軍神の闘気を! 奥義・エクスプロージオ・カノン
last updateÚltima atualização : 2026-01-11
Ler mais

第三章 45  心の在り方

 ……ここは何処だ? 見たこともない景色に、地球よりも遥かに高度な文明。その街が、世界が炎に包まれている。逃げ惑う人々、悲鳴に叫び、銃火器の鳴り響く音。そこかしこで爆発音も聞こえる。人々を襲っているのは……、この高度な文明には似つかわしくない、時代錯誤のような剣や槍を手にした輝く鎧を纏った奴らだ。そして、これは……、地下深くの避難シェルターか? 避難しているのは……、前世の姿の俺とアヤ? いや、似ているが少し違う……。周りに身を寄せ合って震えているのは家族や友人達、その家族か? それに俺達の抱いているのは赤ん坊?! ドゴオオ――――ン!!! シェルターの壁が破壊される。「漸く見つけました。残りの清らかな魂の二人、いや、特異点の……」 これは……、泣いている、……アリアなのか? だが全身血塗れだ、返り血だろうか?「あの二人以外は殲滅かよ……。全く、嫌な仕事だ……」「天界の総意である以上、私達に拒否権はないわ……。二度目とはいえ……。苦痛を感じる前に魂を刈り取るしかない……!」 ルクスにサーシャか? だが何て冷たい目だ……。そして二人もアリア同様夥しい返り血で汚れている。「くそっ……、こんなところまで……。何なんだ、お前らは……?!」 震えている……? それに神の放つ神気による威圧で身動きが取れない。「私達は天界から降臨した神……。欲望に狂った全ての人間達の粛清……、そしてナギストリア、アガーシヤ、あなた方二人の魂の救済に来たのです……」「救済……だと? どういうことだ! 神が直々に人間を殺しておきながら……、何を言っているんだ……?!」「私とナギの二人だけ……? じゃあここに居るみんなは? それにこの子は……?! まだ産まれたばかりなのに……!」「……っ、申し訳ありませんが、例外は認められていないのです……」 涙を流しながら答えるアリア。「悪いな……、そういうことなんだ……」「せめて苦しまないように……、それが私達にできる唯一のこと……」 家族や友人達、その家族が次々と、一瞬の内に命を奪われていく絶望的な光景。悲哀、憤怒、後悔、引き離されまいと足掻く必死の抵抗。神の、人間の、互いの心の痛みが伝わって来る。 何度もフラッシュバックする絶望しかない光景。世界が、この地上が滅びる……。 誰か助けてくれ!! この神の名を語る悪魔共から…
last updateÚltima atualização : 2026-01-12
Ler mais

第三章 46  神の試練

 真っ暗な何処までも続く緩やかな下り階段。一段一段が大きく、空間も広い。眼前に迫る魔物の大群に狙いを定め、前傾姿勢、左手を前に構え刀を抜く体勢をとる。チキッ、鞘を握っている右手の親指で少しだけ鍔を押し上げる。「アストラリア流抜刀術」 神眼で捕らえた魔物の群れを全て一太刀で薙ぐ様な、風の魔力を纏った衝撃波を放つ!「飛天!」 ザヴァアアア―――!! 断末魔の声を上げて斬り裂かれていく大群。キィン、静かに素早く納刀する。さすがにこう何回も使わざるを得ない状況が続くと、超成長の恩恵もあって、慣れてくるものだ。魔物を片付けてから、次の一段を降りる。その瞬間、脳内に流れ込んで来る過去の自分ではない自分の記憶。「ぐっ、う、が、あああ!!」 一人分の悲劇的な人生の記憶が一気に流れ込む。一瞬の内にその人生を追体験する衝撃に、脳や心が悲鳴を上げる。頭を押さえ、地面に手を付き屈み込む。「くっ……、ハァ、ハァ…、よし、耐えたぜ……」 中に入ってから一段ずつ、ずっとこれの繰り返しだ。一段降ると魔物の大群、更に一段降ると過去の記憶の追体験。記憶が流れ込んでくるときはハゲるんじゃないかっていうくらいの頭痛に衝撃が心の中を駆け巡り、身動きができなくなる。 記憶と魔物が同時に襲って来るときもある。そのときは神気結界で身を守りながら、その痛みと衝撃が治まるまで待つしかない。そして治まった瞬間に自分を囲む大群の掃討だ。 もう自分が何段降ったのかもわからない。既に数千は優に超える人生の記憶を追体験した。正直情報量が多過ぎて、一々その一つ一つを処理している余裕はない。それに……「いい加減、飽きてきたな……」 超精神耐性はパッシブスキル、所謂常時発動中ってことだ。逐一発動させる必要がない。それにこれだけ何度も見せつけられると、どんな悲劇だろうが慣れてくる。良くも悪くも慣れとは恐ろしいものだ。最早その映像を映画館のスクリーンの前で他人事の様に眺めている感覚。どんな名作でも同じジャンルを立て続けに何回も視聴すれば飽きる。面倒なのは、その時の衝撃が物理的にキツイということだけだ。 そしてこの下り階段がある巨大な空間、光が全くない。探知や神眼は常時発動している。肉眼では何も見えないのだ。最低でも心眼がなければ入った瞬間に詰んでいた。さすが神の試練、酷過ぎる初見殺しだ。要するに
last updateÚltima atualização : 2026-01-13
Ler mais

第三章 47  鏡面世界

 輝く大鏡の前に立つ。だが何かが変だ。目の前に立っている自分の姿が映らない。鏡じゃないのか? 何も映らない鏡? いや、俺の後ろのコロシアムの風景は映っている。俺だけが映っていないのだ。気味が悪いな……。「あーもう、何なんだよ? 今度は謎解きかー?」 どうしろってんだ? 壊す……のは違う気がする。ひとしきり周囲も裏側も調べてみた。鑑定もしてみたが、特に何もない……。表向きは只の鏡だ。表向きは…、俺だけが映らない鏡。こういうのもある意味テンプレか…、こういう時は……「嫌な予感しかしないが、時間を無駄にできない。仕方ないか……」 手の平で鏡面に触れる。 カッ!!!「ちっ、やっぱりかよ!」 触れたと同時に鏡が眩く光り、中へと吸い込まれる! 目を開けて周囲を見ると、先程のコロシアムの破壊場所が逆になっている。これは…、所謂鏡面世界って言う奴か? 俺自身は……? 変化していないな。ちゃんと鞘が右側にある。鏡にもう一度触れても…、やはりか、戻れない。鏡に背を向けて少し離れてから周囲をもう一度見渡す。アホ毛も反応はない。あああー、もうわけがわからん! 胡坐をかいてその場に座り込む。「くそっ、何が真実の答えだ。何もねーじゃねえかよ! しかも出られないときた……」 不満をぶちまける。ぶちまけたくもなるだろ? ゴンッ! 頭に衝撃が走る。げんこつ?「痛ってえー! 誰だ!?」 アホ毛には何も反応はなかったってのに。前方に転がるようにして距離を取ってから飛び起き上がり、振り返る。「なっ……!?」「おーおー、敵地でのんびり胡坐とは……。テメーはやっぱバカだな」「まあまあ、久しぶりに会えたと思ったらこんなに美人になってるなんてー!」 え? この人達は……? いや、俺の記憶の中の姿よりも若いが…、間違う訳がない。「と、父さんに、母さん……? なのか……?」「ああ? 親の顔を忘れるたあいい度胸じゃねえか、ナギト。しかし、本当に別人みたいになってやがるな。折角俺に似てイケメンだったってのによー」 そうだった、死んで美化し過ぎてたけどこういう人だった。個別特訓という名目で何度も死ぬほどしごかれたもんだ。「いや、俺はどっちかって言うと母さん似だったぞ。そんな輩みたいな顔してなかったよ……」 もう死んでるから好きな年齢の見た目なのか?
last updateÚltima atualização : 2026-01-14
Ler mais

第三章 48  父子の闘い・新たな力と手にする神器

「おう、バカ息子、俺が現役時代に何て呼ばれてたか知ってるよな?」「はあ? ああ……、『フィールドの魔王』だろ? ファールされたら報復行為、鬱陶しいマークには至近距離から顔面にボール喰らわす、やりたい放題の傍若無人振りからつけられたんだろ? 自慢げに自分で言ってたじゃねえかよ?」 その御陰でこちとら『魔王の子』呼ばわりされてたんだよ、ガキの頃。ハタ迷惑過ぎるぜ。「テメーにもその本能があるってことだ。もっと自分を解放しろ、まだ腑抜けた気持ちで向かって来るなら……、死ぬぞ」 ギィン!! ガィン! ガキィ!! くそっ、後手に回ってたらいつかやられる、だが…… ガギンッ!! 薙ぎ払い、距離を取る。「いいぜ……、やってやらあ」 ダッ! 光歩で地面を蹴り加速!!「アストラリア流刀スキル」 上に跳躍し、その勢いで叩きつけるように斬り下ろす!「落陽閃!」 ギィン!! 刀で軌道を逸らされるが、着地と同時に吹き飛ばすように地面ごと斬り上げる!「翔陽閃!」 ガギィンッ!! ドガアッ!! 防がれたが、威力を全て殺しきれていない。上に重心が浮いたところを回し蹴りで足払い! 刃更士が体勢を崩しながらも後ろへ飛んで耐える。追撃だ、瞬時に納刀して距離を詰める!「アストラリア流抜刀術」 ガギィィィィィンッ!!! 刀での一撃目は剣を盾にして防がれる!「双龍!」 防がれた一撃目に被せるかのように残った右手で鞘を振るう二撃目!! ドゴォオッ!!!「壱の型」「うがあっ!」 二撃目の威力に耐え切れずに左へと吹っ飛ぶ刃更士。だが、倒れない、なんつーボディバランスだよ!? さすが海外リーグで鍛えられた元代表選手だぜ……!「あーあ、がっかりだぜ、二撃目が刃ならな。テメーはまだ躊躇ってんのか? ならもういいぜ、ここらで引導を渡してやらあ」 刃更士が刀を両手で持ち右肩上に構えた。切っ先はこちらへ向いている。何だ? 突きか?「いくぜ、ナギト……。剣の神の刀技、その身で味わいやがれ」 ススッ……、剣先が弧を描く様に見えた。 ザンッ!!!!「がっ……!?」 片膝が地面を着く。「神刀技・八岐大蛇」 何だ……?! 一瞬の内に、一度に八方向から斬られた……?? 魔力鎧装にヴェールを易々と斬り裂き、性能が
last updateÚltima atualização : 2026-01-15
Ler mais

第三章 49  Eradication The Stampede

 天界エリシオン。カーズが去った空間をアリアはじっと見つめていた。「……心配か? アリアよ」 ゼニウスが尋ねる。「……ええ、あの子は本当に真っ直ぐで純粋過ぎる。それに、何でも一人で背負い込んでしまうのです。本人はゆっくりと気楽に過ごしたいでしょうに……。その責任感や正義感から、いつも何かしらと問題に巻き込まれてしまう。それに怖れ知らずで無鉄砲、言い出したら聞きませんしね……」「随分とよく見てるんだな。確かにあの真っ直ぐなところは俺達からしても眩しいくらいだ。変わった人間だよな……。…愛しているのか? カーズのことを……?」「ファーヌス……。そうですね…、神格を分けた大切な弟として、でしょうけど。それに…、神である私にとって人の愛というものが一体何なのか、ということまではわかりませんしね……」 そのとき、アリアの体が眩しく輝き始める。「どうやら喚び出してくれたようですね。では行って参ります、お姉様、お父様」 光に溶けるようにアリアの姿が消える。「わからない、か……。だがその理解できない感情こそが愛なのだ、アリアよ。それを自覚したとき、お主は一体どうするつもりなのかのう……」 アリアが消えた虚空を見つめながらゼニウスは呟いた。-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 地上、クラーチ王国。迫り来る魔物の大軍。アヤにエリック、ユズリハはクレアとレイラの率いる王国、近衛両騎士団約2000の軍勢と共に南門で待ち受けていた。他国やリチェスターからの冒険者の応援も大勢来ている。王国の冒険者達は残念ながら役に立たない。大軍はまだ数㎞程先だが、すぐに此方へとやって来るだろう。「カーズにアリアさん、間に合わなかったのか……」 エリックが呟く。「……うん、でもきっと来てくれるよ。そういう人だからね」「アヤちゃんの言う通りよ、バーカ。それに私達だけでもやれるってところを見せてやらないとね。でも、それにしてもね……」「ああ、多いな……」 噂や伝承で聞いていた大魔強襲は、低ランクの魔物が多くても3万程度ということだっ
last updateÚltima atualização : 2026-01-16
Ler mais
ANTERIOR
123456
ESCANEIE O CÓDIGO PARA LER NO APP
DMCA.com Protection Status