つい最近、聞いた声。 私は振り向いた先にいる男性に向かって答えた。 「遠藤くん?」 「やっぱり香月ちゃんだった!」 遠藤くんは嬉しそうに笑いながら、私に駆け寄る。 そう言えば、あの合コンの日に遠藤くんも同じ大学に通っているって言っていたっけ。 本当に広い大学で会えるなんて、と私も笑みを返した。 「この間ぶりだね、遠藤くん」 「うん。この間はありがとう、香月ちゃん」 「こっちこそ、楽しかったよ」 自然と、会話をしつつ隣に並んだ遠藤くんと歩いて行く。 遠藤くんは、私が持っているトートバッグを見て、続けた。 「もう授業は全部終わり?香月ちゃんも帰るの?」 「うん、そう」 「なら、良かったらまた家まで送ろうか?」 「──えっ」 まさか、そんな事を提案されるとは思わなかった私は、驚きで目を見開く。 横にいる遠藤くんを見上げると、ほのかに遠藤くんの耳が赤く染まっているように見えて、私は気まずくなってしまった。 自惚れ、じゃなければ……もしかしたら遠藤くんは私と仲良くしたいのかもしれない。 友人として、なのか。異性として、なのか。それは分からないけど、私は今でも奏斗の事が好き。 それに、奏斗と待ち合わせをしているから、遠藤くんに家まで送ってもらうことはできない。 私は気まずげに、流れた髪の毛を耳にかけ直しながら答えた。 「えっと、ごめん遠藤くん。この後、約束があって……家には帰らないんだ」 私の言葉に、遠藤くんははっとした顔をして、慌てて謝罪を口にする。 「そ、そっか……!急にごめん!」 「ううん、せっかく送ってくれるって言ってくれたのに、ごめ
Terakhir Diperbarui : 2025-12-13 Baca selengkapnya