大好きな幼馴染が手の届かない大人気アイドルになってしまった…의 모든 챕터: 챕터 41 - 챕터 50

118 챕터

41話

それからの私は、美緒とどんな話をして、どんな風に買い物をして自宅に帰ってきたのか分からなかった。 いつの間にか私は自宅に帰ってきていて。 時刻は夜。 夜ご飯の時間も過ぎていて、両親は既に就寝している時間。 私は、今日買い物をした荷物を両手に抱え、そおっと階段を上がって行く。 自分の部屋に向かうために廊下を進みながら、色々と考えていた。 昨日の、奏斗の発言──。 未だにSNSではその発言が盛り上がっていて、奏斗やnuage、RikOの話題で大盛り上がり中だ。 スマホを見つめながら歩いていた私の耳に、ここでは聞こえないはずの声が聞こえた。 「ちゃんと前見て歩かないと危ないぞ、香月」 「──えっ」 私が顔を上げようとした瞬間、私が抱えていた荷物がひょいっと消えて、そして私の腕が大きな手のひらに掴まれる。 あっという間もなく、私はそのまま自分の部屋に引き込まれた。 背後で扉が閉まる「パタン」と言う音が大きく響く。 そして、私の体は大きな体にぎゅうぎゅうと抱きしめられていて──。 でも、薄っすらと香る香水の匂いで誰だかすぐに分かってしまう。 どうしてここにいるのか。 こんな所にいて、大丈夫なの──。 「……奏斗?」 「うん」 どこか悲しそうに奏斗の声が落ちる。 すん、と鼻を啜るような音が聞こえて、私は慌てて顔を上げようとしたけど、それは奏斗に強く抱き込まれてしまったせいで叶わない。 「連絡が来るかな、って今日1日ずっと待ってたんだ……」 「えっ、ごっ、ごめん……。今日は友達と約束があって……」 「入院してたのに、出歩いて大丈夫なの。体調は……」 「も、もう平気だよ」 それより、早く腕を解いてもらいたい。 こんなに密着してたら、変な勘違いをしてしまいそうだ。 だけど、奏斗は全然腕を緩める気配がなくて。 私を抱きしめたまま、奏斗は話を続ける。 「一緒に出かけてた友達って、この間一緒に帰ってきてた男……?」 「──えっ、ち、違うよ?遠藤くんじゃなくて、美緒って言う女の子」 「そっか……女の子ならいいや」 女の子なら、いいってどう言う意味……。 これが、遠藤くんと出かけてたらどうだって言うの……。 何だか、最近の奏斗は私を勘違いさせるような言動や態度ばかりで混乱する。 どうしてこんな混乱させる事ばかりするの。
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42話

ぐっと体を押された奏斗は、信じられないと言うように目を見開き、私を見つめる。 「か、香月──」 「奏斗、もう少し私たちの距離感を考え直そう」 奏斗が何かを言いかけた時。 私は奏斗の言葉を遮るようにして告げる。 「これ以上、奏斗とこんな距離でいるのは辛いの、分かって。きっとその内奏斗だって彼女が出来るでしょ?それなのに、こんなに仲のいい異性の幼馴染がいたら彼女が傷付くよ」 「ま、待ってくれ香月、俺は彼女なんて──」 「今回が本当の彼女じゃなかったとしても、いずれは本当にその時が来るでしょ?それに……私ももう奏斗への気持ちを整理して、思い出に変えていきたいの。来年は就職だし、新しい人と出会えるかもしれないでしょ。その内、私たちは別々の家族を持って──」 「そんなの駄目だ!!」 私の言葉に、奏斗の悲鳴のような声が被さった。 こんなに辛そうな声を上げる奏斗は初めてで。 私がびっくりして奏斗を見ると、奏斗は瞳に沢山涙をためつつ、私にごめんと呟いた。 「ごめん、ごめん香月……。香月の気持ちを無視して、今まで傷付け続けてごめん」 「奏斗……?」 「俺は、香月と離れるなんて無理だ。香月が俺以外の男の隣に立つのも、俺以外の男を隣に許すのも、無理だ、嫌だ」 「ちょっと、待って……」 待って。 頭が追いつかない。 だから、奏斗に待って欲しくって。 奏斗を静止しようとした私だけど、奏斗は嫌だとかぶりをふり、続ける。 「ごめん、本当に今までごめん香月。もう遅い……?俺の事、もう何とも思ってない?」 「待って……」 「嫌だ、待てない。俺は、香月の事が好きだよ。もちろん、1人の女の子として好きだ。俺はずっと香月の傍にいたい」
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43話

あれから、小一時間。 私達は場所を移動した。 ──奏斗の部屋、に。 あのまま私の部屋で話をしていたら、お母さんやお父さんに気づかれてしまいそうで。 こんな時間帯に奏斗が私の部屋にいて、……今のようにくっついていたら怒られてしまいそうで──。 「香月?香月俺の話聞いてる?」 「──はっ!ご、ごめん」 「昔から香月は変わらないな。すぐに思考があっちこっち行っちゃうから」 くすくす、と奏斗が笑う。 微かな振動が、私の体にまで伝わってきて、私は落ち着かなくてもぞり、と体を動かした。 私のお腹に回った奏斗の腕が少し強まり、背後から「ごめん、眠い?」と奏斗の声が聞こえる。 「眠くないけど……その、」 「ん?なに?」 奏斗の低くて甘い声が耳元で聞こえて、こそばゆい。 私は恥ずかしさに我慢ができず、奏斗に告げた。 「その、大事な話をするなら少し離れて話さない?これじゃあ、恥ずかしくて……」 「正面から抱きしめたら恥ずかしいって香月が言うから後ろからにしたのに、これでも恥ずかしいのか?でも俺は香月とくっついていたいからやだ」 「もっ、もう!奏斗ってこんなにベタベタしたいタイプだったの!?」 「はははっ、俺も自分で驚いてる。ベタベタしてるカップルを見るとうわって思ってたんだけど、俺もそのタイプだったみたいだ」 好きな人とは触れ合っていたい、そう堂々と告げる奏斗に、私は小さく呻く事しか出来ない。 奏斗のベッドの上。 奏斗はヘッドボードに背中を預け、足の間に私を抱え込み、背後からぎゅうっと抱きしめている。 それが、奏斗の部屋にやってきた時からずっと。 こんな状況じゃあ真面目な話も出来ないし、少し離れて欲しいんだけど、奏斗はちっとも私を抱きしめる腕を緩めてはくれない。 「もう……話をちゃんとしたいのに……」 「諦めてよ、本当は正面から抱きしめたいけど俺も我慢してるから。お互いの妥協案がこれだろ?」 「ああ、もう……分かったわよ……」 私が折れたのが分かったのだろう。 奏斗は機嫌良さげに笑うと、今回RikOとの付き合いを公表するに至った経緯を説明してくれた。 「実はさ……RikOとの付き合いを発表したのは……RikOがヤバいストーカー被害に遭ってるって分かったからなんだ」 「えっ!?ストーカー!?」 「うん。本来だったら警察に通
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44話

「RikOが、nuageのメンバーで付き合っている男がいて、すぐ傍にいつもそいつがいるって分かったら……ストーカー被害が少なくなるんじゃ、って話になったんだよ」 「で、でも待ってよ……!いくらnuageのファンだって言っても、もし危害を加えられたら大変な事になるじゃない!」 もし、ストーカーの男が逆上したら。 nuageのメンバーが危険な目に遭ってたかもしれないのに。 それなのに、事務所は何を考えているの、と私は怒りを覚えた。 「奏斗だって危ない目に遭う可能性が高かったんだよ!?それなのに、事務所がそれを容認するなんて変じゃない!危ない真似はやめてよ!」 「うん……、ごめん。試しに、試しにやってみようってなって。……それで、本当にRikOへのストーカー被害は少なくなったんだ」 「──え?」 奏斗の言葉に、私は驚いてしまう。 RikOのストーカーをしていた男が、いくらnuageのファンだからといって。 nuageのメンバーと付き合っているニュースを見たから、今までのストーカー行為を普通やめる……? 「そもそも、何でそのストーカーがnuageのファンだって分かったの……?」 「RikOの家にそういった手紙が何通も届いたらしい。nuageくらいの男じゃないとRikOには見合わないって」 「ええ……普通、そこで他のアイドルグループの名前出す……?しかも異性じゃない……」 私の言葉に、奏斗はきょとんとした後「確かに」と変だな、と首を傾げた。 「いや、俺たちも、マネージャーも最初は危険だし、ファンを裏切る行為だから公表は……って渋ってたんだよ。俺たちのファンにもガチ恋勢っているだろ?RikOにも危険が及ぶんじゃ
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45話

いやいやいや。 奏斗は突然何を言い出すの? 私はその気持ちを微塵も隠す事なく奏斗に言う。 「旅行になんて行ける訳ないでしょう?奏斗、自分がアイドルだって事忘れてる?」 「忘れてないけど……。ちゃんと変装して、有名な観光地じゃなければ……」 「それでも駄目。どこで誰が見てるか分からないんだよ?もし、誰かにnuageのKanatoだってバレちゃったら?そこにファンが殺到しちゃったらどうするの?」 私の言葉に、奏斗は不服そうにぐりぐりと頭を擦り付けてくる。 ふわふわとした奏斗の髪の毛が気持ちよくて、私は奏斗の髪の毛を指で梳きながら言葉を続けた。 「それに……奏斗と泊まりがけで旅行に行く、なんて言ったらお母さんとお父さんがびっくりしちゃうよ。2人きりでお泊まり旅行は……ちょっと」 「──何で?おばさんとおじさんに俺たちが付き合ってる事をちゃんと話せばいいんじゃない?」 「うぐっ、な、何か恥ずかしいからそれはもうちょっとあとにしよう?」 「俺は恥ずかしくなんて無いのに。これから先もずっと一緒にいてくれるんだろ?それなら、早めにおばさんとおじさんに挨拶を──」 「ちょ、ちょっと待って奏斗……!」 確かに、これから先も一緒にいたい、って言うのは言った。 言ったのは確か。 だけど、それをこんな風に想いが通じあってすぐに言うのは、と私は躊躇ってしまう。 だって、奏斗の周りには綺麗な女の人が沢山いるでしょう。 芸能界は、とてもキラキラしてて。 私なんかより綺麗で、可愛い女の人は沢山いる。 私はきっと奏斗の事がずっと好きだと思う。 だけど、奏斗は──。 私とそんな約束をして、後悔しない? お母さん、お父さんに挨拶をして、失敗したって思われたら。 まだ、早かったって奏斗が少しでも後悔しちゃったら。 それは、辛い。 「香月……変な事考えてるだろ。……しかも、俺にすっごい失礼な事」 「えっ、な、何で分かるの奏斗」 「何年幼馴染やってると思ってんの?香月の考える事なんて分かるよ。俺が他の人に目移りしないかって思ってんだろ?」 じとっとした目で奏斗に言い当てられてしまい、私は思わず言葉に詰まる。 そんな私の姿を見て、奏斗は溜息を零した。 そして「よいしょ」と言いながらひょいと私を持ち上げて、奏斗の足の上に座らせると、正面からぎゅっと抱
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46話

私が頷いたのを見て、奏斗はぱっと嬉しそうに満面の笑みを浮かべる。 そして、私を正面から抱きしめたままごろんとベッドに横になってしまった。 「ちょ、ちょっと奏斗──っ!」 「じゃあ、おばさんとおじさんに旅行に行くって伝えていい?」 まだ奏斗は諦めてなかったのか、と私は呆れてしまう。 「駄目。お付き合いしたばかりで一緒に旅行なんて、その……早すぎるでしょ?それより、奏斗のお休みが長いなら、私は奏斗と一緒に過ごせるだけで全然いいよ」 「……でも、ここら辺だと全然出かけられないよ?デートだって出来ないし……家でまったりするくらいしか……」 「私はそれでもいいよ。全然いい。奏斗と一緒に過ごせたら幸せだもん」 「香月……」 本当にそれでいいの?と奏斗の顔が言っている。 私は言葉にはせず、にっこりと笑みを浮かべて奏斗に頷いて見せた。 すると奏斗はとろり、と甘く瞳を蕩かせて私をぎゅうっと抱き寄せる。 奏斗のベッドの上。 奏斗の匂いに包まれて幸せで。 私は奏斗の胸にそっと顔を寄せて、背中に腕を回した。 ◇ すうすう、と寝息を立てる香月。 安心しきった顔で眠る香月に、俺は何とも言えない複雑な感情を抱く。 「……普通、ベッドでこんな安心して寝るか?俺がいるのに……」 しかも、お互い思いを伝え合って、晴れてお付き合いをスタートした、と言うこんな時に。 「香月は、俺の事をもうちょっと男だと認識した方がいいし、危機感を持った方がいい」 じゃないと、大学のあの男みたいに。 簡単に香月に近付く。 俺は、眠る香月を見つめた後、そっと上半身を起こす。
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47話

どたーん! と、大きな音が奏斗の部屋に響く。 「なっ、何だ!?」 私にベッドから突き落とされて、流石に奏斗も目が覚めたのだろう。 大声を上げた。 奏斗のベッドの上で、顔を真っ赤にしているだろう私と、ベッドの下で上半身を起こした奏斗の視線がばちり、と合う。 私の様子を見て、全て悟ったのだろう。 奏斗は「あー」と零しながら、後頭部をかいた。 「香月、今度から起こす時はもうちょっと優しく起こしてくれ……。シャワー浴びてくる……」 くあ、と欠伸をしてまだ少し眠そうなまま、奏斗は部屋を出て行ってしまった。 私はそんな奏斗の後ろ姿を唖然と見つめながら、布団を引き寄せて何となく自分の胸元を隠した。 ◇ 朝になり、1度こっそりと自分の部屋に戻った私は、奏斗の家に向かうために着替えた。 その時に自分の首筋や鎖骨あたりに付けられたキスマークに気付いて叫び出しそうになったけど、何とか耐えて着替えを終え、私は何食わぬ顔でリビングに降りて、奏斗が帰って来てるから今日は奏斗の家に行くと伝えた。 あっさりと了承したお母さんとお父さんは、それならこの後2人で出かけようか、と話していた。 お隣の奏斗の家の冷蔵庫は、殆ど何も入っていなくて。 私は1度自分の家に戻り、冷蔵庫から適当に食材を持ち出してして再び奏斗の家に戻った。 朝ご飯は私の手料理が食べたい、と言っていた奏斗のために、エプロンをして奏斗のお家の台所に立っている。 そんな私を背後からじーっと見つめる、視線。 背中に突き刺さる奏斗からの視線に、私は包丁を手に持ったまま、くるりと奏斗を振り返る。 「……奏斗、気が散るからリビングでテレビでも見ててくれ
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48話

簡単な料理ではあるけど、ご飯を作り終え、奏斗と一緒にリビングのテーブルに運ぶ。 私の作った料理を、奏斗は本当に嬉しそうに食べてくれて。 洗い物は奏斗が全部してくれた。 そして、今は。 食後にソファでまったりとしている。 「ご飯作ってくれてありがとう、香月」 「どういたしまして。奏斗、ちゃんとしたご飯食べてる?暫く事務所に泊まってたんでしょう?」 「──いや、事務所が手配した弁当ばかりで。野菜は多少ついてたけど……」 「えぇ……体壊しちゃうよ。体が資本のお仕事なのに……」 事務所は何を考えてるの! そう私が怒っていると、嬉しそうに笑った奏斗がソファに並んで座っていた私の体を突然ひょい、と持ち上げた。 そして、私が声を上げる暇もなく、座る奏斗の膝の上に下ろされてしまう。 「ちょ、ちょっと奏斗──」 「ん、少しこうしてたい。……今、こうしてるのって俺の夢じゃないんだなって実感したくて」 「……す、少しだけだからね?」 奏斗から目を逸らして答える。 すると、喉奥で低く笑い声を零した奏斗が「分かった」と呟いて、ぎゅっと私を抱きしめる。 上機嫌にクスクスと笑っている奏斗。 話をしてこうなるまで、昨日はどこか暗かった奏斗。 それが、今はこうして幸せそうに、嬉しそうに笑ってくれていて、私まで嬉しくなってしまう。 「香月のご飯、めちゃくちゃ美味しかった」 本当に、心からそう思ってくれているような、感謝の気持ちが滲み出ていて。 私は「美味しい」と言ってもらえた事が嬉しくて。 ふふ、とついつい口元が緩んでしまう。 「美味しく出来てて良かった」 「もう、ほんと香月の料理を毎日食べたい……。昔から香月は料理が得意だよな」 「んー、そうだねぇ。お母さんもお父さんも仕事で帰りが遅いし……夕ご飯は自然と自分で作るようになったからかなぁ」 「いいな……おばさんもおじさんも、香月の作った物毎日食べてるのか……」 俺もあの家に住みたい、なんて真剣な声音で呟いているから何だかおかしくなってきてしまう。 「ふふっ、今みたいに仕事が休みの時は家に来ればいいじゃない?ご飯くらい作るよ?」 「……」 「奏斗?」 今までだって、そうしてたように。 奏斗が休みの時は家に来ればいい。 夕ご飯を一緒に食べて、夜遅くまでお喋りをして、眠くなったら解散す
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49話

「ここは俺の部屋だからまだ我慢出来る」 「が、我慢……?」 「うん」 真剣な表情でこくり、と頷く奏斗。 ここが奏斗の部屋だから。 だけど、奏斗はいったい何を我慢しているって言うの。 「だけど、香月の部屋は特別じゃん……。初めての彼女の部屋だし、香月の香りがめちゃくちゃするだろ……」 「え、う……まあ、そう言う事になる、のかな。でも、私だって奏斗と立場は一緒じゃない。私だって初めての彼氏だし、ここは奏斗の部屋で、奏斗の香りがいっぱいするもん……」 ドキドキするのは同じなんじゃないのか。 そう喋りつつ、何だか恥ずかしい事を私たちは話しているような気がして、私はついつい奏斗から顔を隠したくなってしまう。 目の前の奏斗にぎゅっ、と抱きついて、首筋に顔を隠した。 私の行動に、奏斗の体がぴくっと跳ねたけど、何度か深呼吸をした後、奏斗は私の背に回していた腕に力を込めて強く抱き寄せる。 「──香月からこんな風に可愛い事されても、我慢して押し倒さなかったけど、もしここが香月の部屋だったら押し倒してる」 「──押し倒っ!?」 ぎょっとした私は思わず奏斗から距離を取ろうとしたけど、私の行動を察知した奏斗がそれを防ごうと、抱きしめる腕に力を込めた。 「──ちょっ」 ぎゅうっ、と更に抱き込まれてしまい、奏斗との密着具合が増す。 お互いの胸も、下半身もぐっと密着してしまい、私の顔は真っ赤に染まってしまう。 「か、奏斗……っ、やっ」 「──可愛い声上げないでくれよ香月」 どこか切羽詰まったような声を上げる奏斗に、私は益々顔を火照らせてしまう。 な、何だか急に奏斗が「男の人」になってしまったようで。 いや、奏斗は前から男の人だんだけど。 私はずっと奏斗の事が大好きだったから、異性として意識していたのは変わりないんだけど……! だけど、こんな風に急に「性」をまざまざと感じさせられるなんて──! 私が戸惑っていると、奏斗が動き出す気配がした。 私が「あ」と思う間もなく、私を抱きしめていた奏斗が、そのまま私を抱きしめたままベッドに倒れ込んだ。 「ひゃあ……っ!!」 ぐるり、と回った視界に、私は思わず目を瞑ってしまう。 硬く目を閉じていた私は、ベッドが軋む音に、恐る恐る目を開いた。 「か、奏斗……」 私は奏斗のベッドの上に押し倒されていて。
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50話

不安気に、奏斗の瞳が揺れている。 私は、奏斗の頬にそっと手を伸ばして触れた。 「その……そう言う事が、嫌なわけでも、奏斗と触れ合いたくないわけでもないの。……けど、その……急すぎて……追いつけてない、だけで……」 「……そりゃ、そうだよな……。香月、俺を諦めようとしてたもんな……」 悲しそうに笑う奏斗に、胸が苦しくなる。 確かに、奏斗とちゃんと話をする前の私は、もう諦めようとしてた。 奏斗の事は、大好きなKanatoとして応援し続けるつもりで。 奏斗を諦めて、私も前を向いて。 そして、就職を機に、奏斗から離れようと考えたくらいだったから。 だから、まさか奏斗から好きだと言ってもらえるなんて。 そして、ずっと好きだった奏斗とお付き合いする事になるなんて。 色々と急展開過ぎて、私の頭がまだ現実に追いついていないのかもしれない。 「ごめんね、奏斗。悲しそうな顔しないで……」 「いや、ごめん。俺が、急ぎすぎた……香月の気持ちも考えずに突っ走った俺が、悪い」 「で、でも……!本当に嫌じゃないからね?ただ、まだちょっと……戸惑ってる、だけで……」 「うん……。香月が嫌がってないってだけで、嬉しい。……その、抱きしめたり……そう言うのは、平気?」 奏斗はそう言いながら、覆い被さっていた体勢から起き上がると、そっと私の腕を取って優しく起こしてくれた。 私は、恥ずかしさから奏斗から顔を背けたまま、こくりと頷く。 「──っ、ほんと!?無理はして、ない?ほんとに大丈夫?」 「う、うん……無理、してないよ。奏斗にぎゅっとしてもらうのは、好き……」 「──〜っ」 私の言葉を聞いた瞬間、奏斗の表情が嬉しそうに破顔した。 そして、掴んでいた私の腕を奏斗がぐっと強く引っ張る。 「──わっ!」 引っ張られた勢いのまま、奏斗に再び抱きしめられた私は、そろそろと自分の腕を奏斗の背中に回した。 私が抱き締め返した事が嬉しかったのだろう。 奏斗は小さく笑い声を零すと、腕の力を更に込め、ぎゅうぎゅうと私を抱き込んだ。 「なあ、香月……。嫌だったら俺の頬を引っぱたいてでも止めて欲しいんだけど……」 「ひ、引っぱたくって……アイドルの奏斗の顔を叩くなんて出来ないよ!?」 「うーん……じゃあ、腹でも殴って止めて?」 奏斗は少し緊張したように、私の顔を見
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