それからの私は、美緒とどんな話をして、どんな風に買い物をして自宅に帰ってきたのか分からなかった。 いつの間にか私は自宅に帰ってきていて。 時刻は夜。 夜ご飯の時間も過ぎていて、両親は既に就寝している時間。 私は、今日買い物をした荷物を両手に抱え、そおっと階段を上がって行く。 自分の部屋に向かうために廊下を進みながら、色々と考えていた。 昨日の、奏斗の発言──。 未だにSNSではその発言が盛り上がっていて、奏斗やnuage、RikOの話題で大盛り上がり中だ。 スマホを見つめながら歩いていた私の耳に、ここでは聞こえないはずの声が聞こえた。 「ちゃんと前見て歩かないと危ないぞ、香月」 「──えっ」 私が顔を上げようとした瞬間、私が抱えていた荷物がひょいっと消えて、そして私の腕が大きな手のひらに掴まれる。 あっという間もなく、私はそのまま自分の部屋に引き込まれた。 背後で扉が閉まる「パタン」と言う音が大きく響く。 そして、私の体は大きな体にぎゅうぎゅうと抱きしめられていて──。 でも、薄っすらと香る香水の匂いで誰だかすぐに分かってしまう。 どうしてここにいるのか。 こんな所にいて、大丈夫なの──。 「……奏斗?」 「うん」 どこか悲しそうに奏斗の声が落ちる。 すん、と鼻を啜るような音が聞こえて、私は慌てて顔を上げようとしたけど、それは奏斗に強く抱き込まれてしまったせいで叶わない。 「連絡が来るかな、って今日1日ずっと待ってたんだ……」 「えっ、ごっ、ごめん……。今日は友達と約束があって……」 「入院してたのに、出歩いて大丈夫なの。体調は……」 「も、もう平気だよ」 それより、早く腕を解いてもらいたい。 こんなに密着してたら、変な勘違いをしてしまいそうだ。 だけど、奏斗は全然腕を緩める気配がなくて。 私を抱きしめたまま、奏斗は話を続ける。 「一緒に出かけてた友達って、この間一緒に帰ってきてた男……?」 「──えっ、ち、違うよ?遠藤くんじゃなくて、美緒って言う女の子」 「そっか……女の子ならいいや」 女の子なら、いいってどう言う意味……。 これが、遠藤くんと出かけてたらどうだって言うの……。 何だか、最近の奏斗は私を勘違いさせるような言動や態度ばかりで混乱する。 どうしてこんな混乱させる事ばかりするの。
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